自己管理「8020運動」

 8020運動(ハチマルニイマルうんどう)は、満80歳で20本以上歯を残そうとする運動で、近年シニア仲間でもよく話題になるようになってきました。厚生労働省日本歯科医師会により推進され、普及団体として(財)8020推進財団が設立されています。
 高齢者で20本以上の歯を持つ人は、それ未満の人に比べ、活動的で寝たきりになることも少ないと言われています。2005年の歯科疾患実態調査では、80歳での残存歯数は約10本、80〜84歳で20本以上の残存歯を持つ人は21%で、前回調査の15%からは大きく増加しているようです。これは健全な長寿社会を目指すためにも喜ばしいことです。
 個人的な話で恐縮ですが、私は喜寿を迎えてからも28本(親知らず込みで)が残っていて、多分8020目標は達成できると思います。この8年間は歯医者にも行っていませんし、有難いことにこの間歯痛を感じたこともありませんでした。
 日頃自慢できる特別な予防法を講じているわけでもありませんが、歯磨きは人並みに朝と夜の1日2回です。参考になるかどうかは分かりませんが、その磨き方は、以前歯科医師からのアドバイスに依るもので、下図にも示す、ブラシを歯に直角に当て、小さく往復運動をさせるもので、夜は食べ物を口にしなくなった寝る前、5分ほど歯の上下・表裏を万遍なく磨くだけです。もともと隙っ歯なので最近は歯間ブラシを併用することにしています。
 近年は雨後の筍のように歯科医院が増え、それに見合う患者数も程度の差はあっても、引き切りなく通院されているように見られます。これは食生活の影響も多分にありましょうが、歯に対する個々の健康自己管理が十分でないことを物語っています。
 このことは、後期高齢者相手の8020運動以前の問題として、厚生労働省歯科医師会ももっと予防歯学に力を入れ、歯科疾患の予防法の普及に本気になって努めるべきと思います。クリーニングは有効な予防措置でしょうが、ほかの”予防指導”にも医療価値を十分認め、保険点数にも配慮してやっていただきたいものです。