負担増と国民負担率

 2014年は”負担増元年”と謂われます。4月に消費税が8%になり、また懸案の社会保障費の値上げも次々に控えています。こうした状況下で家計の負担は大幅に増えて来ているようです。
 内閣府の報道に因りますと、消費税率が5%から8%に引き上がりますと、14年度の家計は年6.3兆円の負担増になります。また、年金支給額が物価スライドで年8千億円減る一方、年金保険料などの負担が年5千億円増えることになります。その他、高校授業料無償化に所得制限を課したり、70〜74歳高齢者の医療費窓口負担が1割から2割に上がります。巷間伝えられる”負担増”は、以上の事例からも一般国民には実感として受け止められているところかと思われます。
 さらに厄介なのは、急激に進む円安です。輸入している穀物や燃料の価格が上がっていて、家計の圧迫要因になります。学者の言に因りますと、上記の消費税増税分よりも円安による家計負担の方が大きく、両者を合わせますと消費者にとりましてダブルパンチということになります。因みに円安ですが、第2次安倍内閣発足前の為替レートの平均値が1ドル=79円台だったようですから、この2年間で、1ドル110円、今日のように120円ともなりますと、負担増はますます進行することになります。
 年収別に家計負担額から割り出す”負担率”を診ますと、年収が多くなるほど負担額も増えますが、年収に対する負担率は、年収の高い層ほど低く、より低い層の方が高くなる理屈にあります。

 ここで「国民負担率」を併せて考えてみたいと思います。国民負担率は、租税負担率と社会保障負担率を合計したものを謂い、毎年財務省から発表されます。これまでの過去34年間の推移は下表の通りです。
           表をクリックしてみてください
 
 平成26年度(2014)の推計見通しが2月に公表され、平成25年度(2013)より1.0%増加し、41.6%(過去最高)となる見通しです。背景として、「厚生年金等の保険料率の引上げや高齢化に伴い社会保障負担率が若干増加することや、景気回復、消費税率引上げ等に伴い租税負担率が増加することが挙げられる」とコメントしています。
 参考までに、国民負担率の内訳の国際比較(日米英独仏瑞)を下図に示します。
           図をクリックしてみてください