防御陣形による分類*1

  • スプレッド
  • バンチ
  • デディケート
  • スタック


ブロックを構える3人の位置取りによる分類。

スプレッドは、散開防御陣形。
バンチは、中央密集陣形
デディケートは、重点防御陣形。
スタックは、極点防御陣形。


スプレッドとバンチが基本の対語となる。

スプレッドはサイドからの速い攻撃に対処することを重視した陣形で、サイドのブロッカーは広く散開した位置取りで待ち受ける。
これに対し中央からの速い攻撃に対処することを重視した陣形がバンチとなり、3人のブロッカーが中央に寄った位置取りで待ち受ける。


デディケートは相手セッター前衛時のように攻撃に参加する可能性が低い相手選手のマークを外して片翼に寄った陣形。*2


スタックは主に中央からの速い攻撃や、それに連動したクイックやパイプなどに対処するためにブロッカーが重なり合う位置取りで待ち構える。
前方のブロッカーが予測される最も速い攻撃に対してコミットブロックで対応し、連動する次のテンポの攻撃に対して後方のブロッカーがリードブロックで対応するのが一般的である。

*1:陣形に関する用語なので『○○ブロック』という表記はしない。

*2:『リリース』という中央に2枚寄り、サイドに1枚離れた形を示す用語もあるが、現状この用語があまり一般的ではない事と、ブロックマークを解除する意味での「リリース」という単語の使用法との混乱を避けるため、当ブログでは便宜上この陣形をデディケートの一種として分類しておく。

守備範囲による分類

  • ゾーンブロック
  • マンツーマンブロック


ブロック時の守備の責任範囲による分類。

ゾーンブロックは、ブロッカー同士が左右の位置関係を保ったまま、それぞれがどのエリアを担当するのかを決めておき、その範囲の攻撃に対して対応するもの。

マンツーマンブロックは、各ブロッカーがマークする相手アタッカーを決めて、そのアタッカーの動きに合わせて動いていくもの。
マークする相手アタッカーが横方向に大きく移動する攻撃を見せた場合は、それに合わせて味方ブロッカーを追い越して追いかけることもある。

バックアタックを含め、常に攻撃者が4〜5人いる事が当たり前となった現代のバレーボールにおいて、連携された攻撃に対応するにはマンツーマンブロックではブロック枚数が3枚だと足りない。しかしブロック枚数は3枚以上増やせない。*1
また、味方ブロッカーを追い越していった結果、その直後のカウンター攻撃の場面で味方の理想的な攻撃フォーメーションを準備できなくなる場合も多くなる。*2
よって、基本のブロックはゾーンブロックで行われる。

マンツーマンブロックは、複雑な移動攻撃を行う相手アタッカーに味方の最もブロックの強いブロッカーを当てようというような、相手の特定のアタッカーを阻止する目的で行われることが多い。*3 

*1:後衛選手をブロックに跳ばせるような極端な作戦は思いつくけれども現実的ではない。

*2:最近自分が見たマンツーマンブロックを用いた最も印象的な試合は2008年1月の皇后杯 NECレッドロケッツvs,武富士バンブー戦。相手センタープレイヤーを追い続けた内藤香菜子によるレフトからの二段攻撃が飛び出した。

*3:ブロックスイッチは全日本女子でよく見かけるが、これは相手アタッカーというよりも、最弱のブロッカーをなんとかしようという消極的な目的で行われている。

跳び方による分類

  • コミットブロック
  • リードブロック


ブロック時の飛ぶタイミングによる分類。

コミットブロックは、相手のトスの予測を元に、アタッカーのジャンプのタイミングあるいはそれよりも前のタイミングでジャンプをするもの。
主に相手セッターのツーアタックやセンターのクイック攻撃に対して選択する。
ブロッカーの視点はマークするセッターやアタッカーの動きが中心となる。

リードブロックは、相手のトスを見てから反応してジャンプするもの。
バックアタックも前衛の攻撃と連動する現代バレーでは、ブロック3枚に対し攻撃者が4〜5枚いる状況でマンツーマンマークでは対応できなくなっているため、このリードブロックが主流となっている。
ブロッカーの視点はセッターの手元とボールの軌道が中心となる。

リードブロックでは相手のトスを見てから反応(ポジショニング・ジャンプ)するので、無駄な動きは即相手をノーブロックの状態にしてしまう事を意味する。*1

*1:素早い反応ができないために結局相手アタッカーの動きなどを元に予測で反応してしまう見た目だけのリードブロックをゲス(guess=当てずっぽうの予測)ブロックと呼ぶ。参考:"えせリードブロック"改め"ゲスブロック"suis annex weBLOG

目的による分類

  • ソフトブロック
  • キルブロック


ブロック時の空中でのフォームによる分類。
ブロックは主に相手のスパイクを阻止する事を目的で行われるが、ボールを相手コートに落とすことを目的で行うか、味方レシーバーの援護を目的で行うかによって腕と手の出し方が異なる。

ソフトブロックはワンタッチによって相手スパイクの威力を減じてレシーバーがボールを拾えるチャンスを増やそうとするもの。
レシーバーの援護としてスパイクコースを限定することをメインで考える。
腕をネットから前に突き出すことはあまりせず、当たったボールが上に跳ね返るように手首も反らした形にする。

キルブロックは相手のスパイクしたボールを相手コートに突き刺そう(kill)とするもの。
相手の攻撃を得点にしてしまおうと考える。
腕はネットの白帯から大きく前に突き出し、当たったボールが真下に突き刺さるように手の平を真下に向けて硬く固定する。

バレーボールのブロック用語についての分類。*1

実際にプレイをする上で、相手攻撃パターンに合ったブロック戦術を発揮できるようになれば、これは相当高いレベルにある。なかなかそのレベルまで到達するのは難しいこと。

しかし実際にプレイはしなくても、ブロック用語を理解しておくことは高レベルのバレーボールを見る楽しみをより深くしてくれるものである。チームが今何をしようとしているのか。ブロックから見えてくる情報はとても多いのだ。

用語の説明に入る前にまずブロック用語を目的に合わせて4つに分類する。

目的による分類

  • ソフト
  • キル


跳び方による分類

  • コミット
  • リード


守備範囲による分類

  • ゾーン
  • マンツーマン


防御陣形による分類

  • スプレッド
  • バンチ
  • デディケート
  • スタック

*1:6人制インドアバレーボールで話を進めていきます。

バレーボールとはどのようなスポーツであるか。
よく言われる言葉をここに記していきます*1

バレーボールはメンタルなスポーツである。
バレーボールはリズムのスポーツである。

*1:思い出したら追記していきます。

バレーボールは老若男女関係なく楽しめるリクリエーションとして考案されたスポーツである。

プレイヤーの人数の変遷を見てもわかるように、バレーボールはルール変更の自由度が高く、目的に合わせてさまざまなバレーボールが派生している。

例えば
シッティングバレーボール*1
ソフトバレーボール*2
など。

日本国内では9人制バレーボールはママさんバレーを裾野として多くのプレイヤーに親しまれている。
ビーチバレーも砂上で行われる2人制のバレーボールである。
韓国のトップリーグではバックアタック2ポイント制を採用していたり、日本の小学生6人制バレーではフリーポジション制を採用していたりと、ルールは競技によってさまざまである。
もちろんネットの高さもさまざま。

共通しているのは、
・自陣営と相手陣営との間にネットが横たわっている事
・サーブを除くとボールは一瞬たりとも止まらない事
・その中で複数のプレイヤーが連携をして得点をすることを目的とする事
である。

*1:6人制バレーボールをベースに、お尻の一部が常に床についていなくてはいけないバレーボール。パラリンピック種目となっている。

*2:バレーボールを生涯スポーツとしてより親しみやすくすることを目的に、柔らかいゴムボールを使用して行う4人制バレーボール。