赤朽葉家の伝説（桜庭一樹）

赤朽葉家の伝説

鳥取の旧家に生きた女性三代の、戦後史。
旧家と言うから、横溝みたいな、因縁で伝説でアレなのかなぁ、と思ったら、別にそう言うわけでもなく。
三人の女性の、生きる姿を通して、生きると言うこと、それを描いているような、そんな気がします。
そう、すべては、この一言のために。

せかいは、そう、すこしでも美しくなければ。

美しいでも、美しかった、でもなく、美しくなければ。
そこには、ただ目の前にあるものを受け入れるだけではなく、自ら能動的に、生きて、探し求めていく姿勢のようなものが見えます。
ああ、この一言のために、この物語はあったのだろう。
たぶん、ボクはこの物語を語るのに、うまい言葉を見つけることができないだろう。
だから、あなたに読んでほしいと思う。

今年のまとめ その５ ラノベ以外の本

というわけで、最後の最後。ラノベ以外の本いくよー。

• 夏期限定トロピカルパフェ事件（米澤穂信）

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

小佐内スイーツセレクションっ！

• 怪盗グリフィン、絶体絶命（法月綸太郎）

怪盗グリフィン、絶体絶命 (ミステリーランド)

ほんと、面白かった。

• 銃とチョコレート（乙一）

銃とチョコレート (ミステリーランド)

ちょっぴりビターなチョコレートのような味わいです。
……ちょっと、遠子先輩っぽいかな？　かな？

• 少女七竈と七人の可愛そうな大人（桜庭一樹）

少女七竈と七人の可愛そうな大人

吹け、滅びの風！

• カオスコープ（山田正紀）

カオスコープ (創元クライム・クラブ)

深い、酩酊感。幻覚。幻想。論理。

• 乱鴉の島（有栖川有栖）

乱鴉の島

ミステリ。ロジック。狂気。

• アークエンジェル・プロトコル（ライダ・モアハウス）

アークエンジェル・プロトコル (ハヤカワ文庫SF)

疾走。ネットワーク。アイデンティティ。

• マルドゥック・ヴェロシティ（冲方丁）

マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

限界。終焉。生誕。渇望。絶望。希望。悲しみ。圧倒。


と、そんなわけでした。
あとは、

• カー生誕100年。さほど盛り上がらず。
• 島荘がすごかった！
• アキバ系文学？　とか謎なものが登場。
• というより、もう、ライトノベルと普通のと、分ける必要なくない？
• ユヤタンの1000の小説とバックベアードがすごかった。

と言うくらいかな？


それでは、今年一年、ありがとうございました。
来年も、宜しくお願いします。

[Today's tune]The Clock/Thom Yorke