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2009-06-24 『骨太の方針09』に関する新聞社説について

『骨太の方針09』に関する新聞社説について

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異彩を放つ読売の社説

 社会保障費抑制撤回を唯一評価したのが読売新聞であった。もっとも「大きな政府」的なスタンスをはっきりと表明しており。経済政策では読売新聞が最左派なのかも知れない。ただし、財源としての消費税アップの必用を声高に叫ぶだけで、社会保障費以外の歳出削減についいての言及はなし。読売新聞は政府同様、「財政赤字や必要な社会保障費の増加を考えると、とても税金の無駄遣いの削減では足りない」という主張を繰り返しており、消費税アップの先送りを担保させるような「税金の無駄遣いを止めろ」的な主張を封印しているのが特徴だ。


 朝日新聞は、自民党内での調整プロセスに対する批判に重点を置いており、ピントが定まっていない。歳出削減頼りで負担増を先送りしたツケだとして、やはり消費税アップを是としている点は読売と変わらない。むしろ社会保障抑制の問題点に言及していない部分では読売以下の社説だ。

 日経は歳出削減路線を棚上げした今回の自民党の方針に批判的。なお社会保障費の抑制は必要だとし、ジャネリック薬品の利用などで質を下げないで社会保障費を抑制する方法はあるという主張だが、その程度のことで社会保障費を削減になるのか疑問を感じた。経済記者ばかりで、医療、福祉分野の専門家の少ない日経の限界を感じた。

 日経同様。歳出削減至上主義の産経。

 「社会保障で削減できないのであれば、他分野の削減幅を拡大するなど工程表を改定して歳出全体を抑制するのが筋」という主張は理解できる。

東京新聞の社説は酷い

 「社会保障をアリの一穴にしてはならない。」という主張は論外。「公共事業や特殊法人などで厳しい削減を課すためには、社会保障分野も聖域にしないで一律にシーリングを掛けなければダメなのだ。」という小泉時代のロジックを追認している。確かに自民党や官僚の理論では「すべての予算を減らすか増やす」という二択しか選べないのは事実だが、そこを本来厳しく糾すべきだ。

 「増税の思惑が先行して、歳出削減の議論がなおざりになった。」という言及は唯一評価できる。財務省景気対策での大盤振る舞いにアグリーを出したのは、増税を担保する意味が強かった。

 小泉郵政選挙の時代は、今まで自民党に批判的だった左派紙が小泉路線に親和的になり迎合記事を書きまくっていたのだけれど、なんかその呪縛は未だ解けずと実感。読売新聞は霞ヶ関の理論に洗脳された増税至上主義だが、まだスジが通っていてわかりやすい。

 朝日新聞、東京新聞の社説には失望を禁じえない。毎日新聞なんて今頃、「西川社長続投は納得いかない」とか言う社説を載せているので論外だ。

一番しっくりきた北海道新聞の社説

地方紙でも、今日の社説は「骨太の方針09」に関するものが多い。全部チェックできた訳ではないが、北海道新聞の社説がすっきりしたのでご紹介したい。

「予算編成で何より大事なのは事業ごとのバランスだ。 不要不急な支出を減らして、国民の健康や福祉にかかわる緊急かつ必要性の高い分野に重点配分する。」

 小泉時代の「聖域なき歳出削減」は強い意気込みに飲み込まれて拍手喝采していたけど、政策的にはクレバーではない。いつまで我慢すればいいのか期限が明記されていない痛みに耐えられる国民などいる訳がないので、破綻するのは目に見えていたはずだ。本来政治がクレバーであれば「必要性が薄くなった予算を削減して、その部分を必要性の高まった部分に付け替える」という作業が最も重要になるはず。必要性の薄くなった予算が既得権益化させている官僚と、そこに切り込めない自民党政治が限界が今の支持率に顕れているのではないか。そういった民意を一番読めている社説だと思う。

一言一言 2009/06/30 17:11 冷静な分析に敬意を表します。歴史認識だの特定アジアの問題だのでしか語らないブログが増えている中、こういった様々な角度から事象を読み解こうとする筆者様を応援していきたいです。

ところで、日本の財政論議についてですが、基本的には霞ケ関(中心は財務省)が唱える前提を元に議論されるので、1つの方向にしか話が進まない点に苛立ちを感じています。

国全体で800兆円の借金があるという話をまず前提として持ってきて、次に展開される議論は霞ケ関とその代弁者的なマスコミによる財政再建のための消費税増税が必要だと煽るだけの議論しかありません。

もちろん借金が増え続けるのは良くないことは自明のことですが、今ある借金をいつまでにどれくらい減らすと言う話は聞いたことがありません。というより、今の枠組みを維持したままでは借金など絶対に減らせないでしょう。

そもそも、ここまで膨らんだ借金を本当に返せるのかということです。そして財務省はその気が本当にあるのかということです。

財務省は国内向けには「借金漬け」を煽りますが、対外的には「日本は世界最大の債権国だ」として国債の格付けを引き下げた米の格付け会社に抗議しています。二枚舌を使い分けているわけです。

家庭レベルで考えても、家を購入する際は基本的に長期ローンを組みますが、それは資産にもなります。何の担保もなく借金を続けるのは破綻への道を早めるだけですが、日本にも膨大な資産、余剰金があります。それとの比較で借金を語らないとフェアでないと思います。

kechackkechack 2009/06/30 19:00 >一言さん

 歴史認識だの特定アジアの問題は敵味方がはっきりしているので誰でも簡単に発
言できるんですが、答えが見えているのでつまらないのですよ。
 
 「財政再建のための消費税増税が必要」というコンセンサスは財務省のプロパガ
ンダでかなり浸透してますね。
 マスコミでも論説委員クラスのエリート記者はどっぷりこの考えに使ってますが
、下っ端の政治部記者や社会部の記者はそうとも限りませんね。

 財務省は有権者などには、借金を罪悪視する日本人的な価値観をうまく利用した
プロパガンダをします。
彼らはエリートにはエリート向けの、バカにはバカ向けの工作をしますから性質が
悪いですな。

一言一言 2009/06/30 21:07 >kechackさま

一部による本当に歴史認識だの特定アジアの問題での煽りには辟易します。この考えに凝り固まった人には何を言っても議論が成り立たないですからね。

Yahoo知恵袋でも、政治問題での質問には、「反日」「売国奴」で誹謗中傷するか、いかに麻生氏は凄いかを真偽不明のサイトの転載ばっかり張り付けるだけで、自民党の失政を改めさせようという支持者がいないのが現状で、もう馬鹿らしくというか、哀れにさえなってきて見るのを止めました。

いつから、こんな排外主義がはびこるようになったのだろう。というより、戦後、表立ってはそういう話はできなかったけど、ネットというツールによって個々の意見が出やすい環境になったんでしょうか。元々、鎖国してた国だから、そういう感性が染み込んでるのかもしれない。

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