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たかひろ的研究館・はてなダイアリー別館

2018-06-16 NEOGEOを語るなら今しかない。

kenkyukan2018-06-16

 先日、かつてのNEOGEOネオジオ)のゲームを多数収録した新しいゲーム機NEOGEO mini」の発売が告知され、かつてのファンを中心にひとしきり盛り上がる一幕がありました。わたしも、90年代に格闘ゲームを中心に数多くのゲームにはまった記憶があり、これには思わず膝を乗り出すことになりました。今でもあの当時の人気ゲームの存在感は健在で、今でも遊びたいという熱心なファンは多いと思います。

 「NEOGEOネオジオ)」は、SNKから発売された家庭用および業務ゲーム機アーケードゲームゲームセンターの設置筐体)で、双方でまったく同じソフトと仕様を実現しており、ゲームセンターのゲームがほぼそのままの形で家庭で遊べるという、当時としては画期的なシステムを採用していました。 その代わり、ソフトの価格は1本3万円以上(!)と極めて高額で、購入にはかなりの勇気のいる代物でした。のちにソフトの価格が安いCD版ハード「NEOGEO CD」も発売されたものの、こちらはその読み込みの時間が非常に長く、ひどくプレイに苦労させられるものとなっていました。ひとつのゲーム機としては、そうした多大な難点を抱えるものであったため、あまり多くは普及しませんでしたが、しかしそれでもこれを購入して熱心にプレイするプレイヤーは多かった。それだけ当時のNEOGEOアーケードゲームが魅力的だったということでしょう。

 NEOGEOを発売したSNKは、90年代において様々な名作ゲームを出してきましたが、やはり一番の中心は格闘ゲームでしょう。主に2D格闘ゲームにおいて、先行する先駆者であるカプコンのゲームと並んで、あるいは当時はカプコン以上の人気だったかもしれません。数ある人気シリーズで90年代のゲームセンターを席巻していました。

 迫力の演出とダイナミックなシステムで注目を集めた「龍虎の拳」、スタンダードなシステムでとりわけ対戦で盛り上がった「餓狼伝説」、武器で斬る斬新なシステムと和風の世界観・演出でプレイヤーを驚かせた「サムライスピリッツ」。これらすべてが人気シリーズとなり新作を重ねることになりました。

 そして、SNK格闘の人気を決定付けた「KOF」こと「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズ。94年に1作目が登場して以降、1年に1作のペースで新作が出るのが恒例となり、毎年これを心待ちにして待つのがゲーセン風物詩となりました。

 SNK格闘ゲームの特長は、過去のゲームをより進化発展させたダイナミックなシステムとキャラクターでしょうか。「画面のズームイン・ズームアウト」「超必殺技」「チーム制・チームエディット」などはその最たるもので、のちのゲームに引き継がれたシステムは数多い。そして何と言っても印象的なキャラクターの数々。ケレン味溢れる設定のキャラクターで見せる手法は、やはり先行するカプコンのゲームが起源だと思いますが、SNKはそれをさらに深化発展させた無数のキャラクターを次々と打ち出し、毎回のように多くのプレイヤーの目を引くことになりました。ひょっとすると、今に至るキャラクターで人気を得るゲーム、そのひとつの起源をアーケード方面から打ち出したと言えるのかもしれません。

 格闘ゲーム以外でもこれはという名作は数多い。2Dドットアクションの名作中の名作「メタルスラッグ」。「ラストリゾート」や「ティンクルスタースプライツ」 のような良作シューティングゲームエアホッケーをモチーフにした対戦スポーツゲーム「フライングパワーディスク」。格闘ゲーム全盛の時代において、他ジャンルでもこつこつと良作を発売し続けた功績は大きいと思います。

 筐体の設置が容易なシステムで、ゲームセンター以外でも筐体が置かれる環境を作ったのも多大な功績のひとつ。ゲームの入れ替えやメンテナンスまですべてスタッフ側が受け持ち、店舗側はただ置くだけでいいという容易さで、ゲーセン以外にスーパーや駄菓子屋のような場所の店頭でもNEOGEOのゲームをプレイすることが出来て、これは子供たちにとっても貴重な遊び場となりました。ビデオゲームにとって本当にいい時代だったと思います。

2018-06-13 あの「けいおん!」がまさかの新作始動!

kenkyukan2018-06-13

 先日、あの「けいおん!」の新作となる「shuffle」の連載開始が告知され、しかも来月発売のきららから連載とのことで、そのいきなりの話に驚いてしまいました。そもそもけいおん!」の原作の連載が最後に終了したのが2012年。その後6年の間まったく情報らしい情報はなく、原作者のかきふらい先生の消息もほとんど止まったままで、それが今になって新作告知とは驚いた人も多かったのではないでしょうか。

 かつての「けいおん!」については、あまりにも有名な大ヒット作品なので、もはや詳しい説明も不要かと思いますが、あえて概略だけ。原作は2007年にまんがタイムきららで始まった4コママンガで、人気を受けてのちに姉妹誌のキャラットでも長らく平行連載されました。内容は、タイトルどおり高校での軽音楽部の活動を描いたガールズバンド4コマ。時にかなり本格的に音楽へ取り組む描写も描かれる一方で、「放課後ティータイム」というバンド名が象徴するようなゆるい日常描写も魅力で、このあたりはいかにもきらら4コマらしい作風だったと思います。

 また、2009年から放送されたアニメの影響が非常に大きく、以前よりクオリティに定評のあった京都アニメーションによるアニメ化には大きな注目が集まり、実際に非常に優れた作品となっていたこともあって一気に人気は上昇。以後ブームと言えるほどの大人気となり、原作コミックスが爆発的に売れ、アニメも2期と劇場版まで制作される大盛況となりました。いまだにきらら4コマの中でも人気・知名度は抜き出たものがあるようで、他の作品以上に特別な思いを抱いている人は多いと思います。

 また、単なる人気の違いだけでなく、最近のきらら系作品と比較しても、その作風というか方向性に少し違いがあるような気もしています。今のきらら系作品の人気は、およそ2013年以降にアニメ化された作品、「ゆゆ式」「きんいろモザイク」「ご注文はうさぎですか?」などに拠るところが大きく、それ以前に作品とは少し違った雰囲気があるのではないかと。具体的には、最近のヒット作は、より日常コメディの要素が濃くなっているようで、それが大きな特徴であり魅力になっています。一方で「けいおん!」や「ひだまりスケッチ」「GA」など、一昔前の連載は、やや特定のテーマや活動(「けいおん!」ならば音楽活動)を描いたところが多かったのではないかと。そうした点で、昨今のきらら系作品とは少しだけ異なる印象を持っています。

 それゆえに、今の時代になって「けいおん!」がきららで新作というのは、非常に興味深いのではないかと思います。一昔前の大ヒット作品が今の誌面で復帰することで、面白い効果を生むのではないかと。加えて、原作者のかきふらい先生にとっても、まさかまさかのきらら復帰となる新作。これは今から早速来月の連載開始が楽しみになってきましたよ。

2018-06-08 これが異世界コミケ! 「魔法使いの印刷所」

kenkyukan2018-06-08

 夏コミの当落発表を間近に控えた昨今、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ここでひとつ、そのコミケをテーマにした新作をひとつ紹介したいと思います。電撃G'sコミックで連載中の「魔法使いの印刷所」です。

 そもそも以前から、作中にコミケが登場するマンガやアニメは枚挙に暇がありません。同人やイベントそのものをテーマにした作品もありますが、そうでなくともマンガやアニメを扱う作品で、それと関連が深いイベントである同人イベント、その代表であるコミケが出てくる作品は数多い。最近ではかなり詳しくリアルにコミケを描く作品も当たり前になりました。そんな時代において、異世界転生ものと組み合わせた「異世界コミケ」ものが出てくるのは、もはや必然とも言えるでしょう。

 作品の舞台は、まさにスタンダードな剣と魔法のファンタジー世界。そんな世界にコミケ帰りに飛ばされた少女が、異世界から帰る魔法の手がかりを求めて、そんな魔道書が集まるイベント「マジックマーケット」を開催する主催として奮闘するというストーリーです。

 作中で登場するイベントこそコミケならぬ「マジケ」ですが、やっていることはコミケそのもの。徹夜組の防止や開催後の列の整理、事前のカタログの製作などの作業に全力を尽くし、自身も精一杯楽しむ。そんなわたしたちがよく見るコミケの光景が、ファンタジーの世界でそのまま繰り広げられているところが非常に面白い。最初の開催を無事終了させた主人公は、さらに魔道書を求めて印刷所まで運営することになります。そんな印刷所の仕事ぶりも、何度もサークル参加している人たちにとってはよく知られた光景でしょう。

 1巻の範囲で気に入ったエピソードは、平和な世界に物足りなさを感じていた屈強の騎士が、イベントの列整理の仕事に駆り出され、そこで溢れる参加者たちを必死に導く作業を通じて充実感を覚えるというもの。身動きが取れないほどの会場内での大変な作業、しかしその最中に胸に満ち溢れる高揚感! 「わたしは・・・楽しんでいたのか?」と後になって振り返る彼は、今までにない充実感に満ちていたのです。

 元々はウェブ掲載のマンガだったようですが、商業化に当たって新たに作画担当が抜擢され、徹底的に描きこまれた濃い作画が味わえるのも魅力です。重厚な異世界ファンタジーの絵柄でやっていることはコミケというそのギャップも面白い。コミケを描くマンガにまたひとつ良作が加わった気がします。

2018-05-25 20年目の「終わらない放課後」

kenkyukan2018-05-25

 現在アニメ2期放送中の「あまんちゅ!」の最新エピソードで、文化祭前夜の話が出てきていつも以上に注目して観てしまいました。文化祭夜の学校にたくさんの生徒たちが残って、普段は見られない明るい校舎でみんなが活動するという活気と楽しさに溢れるシーン。これは、原作者の天野さんの以前の作品でも見られたコンセプトで、とりわけ最初の連載である「浪漫倶楽部」から一貫して提示してきたテーマでもあります。

 その「浪漫倶楽部」には、作者がコミックスのあとがきなどで明言しているテーマとして「終わらない放課後」というものがありました。学校の授業が終わった後の放課後。その自由で解放的な時間に生徒ひとりひとりが思い思いに活動する。その楽しさが存分に描かれているのです。

 とりわけ象徴的だったのが、主人公たち「浪漫倶楽部」のメンバーが、部室に集まってお菓子を食べながらのんびりゲームを楽しんでいるシーンです。真面目に(?)浪漫倶楽部としての活動を行うシーンもありますが、普段はそんな風にのんびり楽しく過ごしている様子も感じられ、これは本当に自分も過ごしてみたい魅力的な時間、活動だなと思ってしまいました。

 こうした日常的な放課後の活動に加えて、季節ごとの学校行事、イベントが積極的に描かれるのも「浪漫倶楽部」の特徴で、体育祭や文化祭はもちろん、時には七夕祭りやハロウィンなど、現実の学校ではあまり見られないだろう行事まで登場したのが印象的でした。そして、そんなイベントの中でも、とりわけ「終わらない放課後」の楽しさを描いているのが、この文化祭の前夜だと思うのです。

 そしてこの天野さんの最新作である「あまんちゅ!」でも、かつての「浪漫倶楽部」を彷彿とさせるイベントが次々と登場。ひとつ前の話で描かれたハロウィンに続いて、この文化祭の前夜祭を描くエピソードは、かつての「浪漫倶楽部」のコンセプトをそのまま受け継いでいるのではないかと思われるのです。

 もともと、天野さんは、自分の作品から取った要素を後発の作品に取り入れることはよくありました。あの「ARIA」でも、「浪漫倶楽部」の部長の子孫?と思われるキャラクターが登場したり、あるいは主人公とヒロインだった火鳥くんと月夜ちゃんもゲスト出演しています。しかし、この「あまんちゅ!」のそれは、単に以前から引き継いだキャラクターを登場させるだけでなく、かつてのエピソードそのものを引き継いでリメイクしたと思われるのです。

 文化祭の前夜。それは、普段誰もいない夜の学校に明かりがついて、当たり前のように生徒がいてみなが準備に勤しんでいる光景です。学校という日常の空間ながらそこに非日常の光景が広がっている。日常の中の非日常。それを象徴するのがまさに文化祭前夜だと思うのです。

 文化祭本番も楽しいですが、それを控える前夜のわくわく感、高揚感にはえも言われぬものがあり、ひょっとするとこちらの方が楽しいかもしれない。むしろこの瞬間がずっと終わらなければいい。「文化祭なんて始まらなければいいのに。このまま楽しい時間が終わらなければいいのに」というセリフが、まさにそれを象徴する名エピソードとなっていたと思います。

 「浪漫倶楽部」で主人公の姉だった火鳥くんの姉(真斗)が先生として登場したり、舞台となる学校が夢ヶ丘高校だったり(「浪漫倶楽部」の舞台は夢ヶ丘中学校)、夢のような不思議なファンタジー要素が織り込まれたりと、直接的に「浪漫倶楽部」から受け継いだ要素も多く、かつての連載のその後を描いたアフターストーリーとすら思われるこのエピソード。まさにかつての連載から約20年後に再現された「終わらない放課後」を象徴するエピソード。昔からの読者としては思わず感涙してしまいました。

2018-05-23 今回のルパンは面白いぞ!

kenkyukan2018-05-23

 先日より始まっているルパン三世の新作「PART5」。数年前に放送されたPART4に続く近年の新作ですが、これが予想以上に面白くて毎週楽しみに待つようになりました。過去のシリーズのファンに向けた回顧的な要素も盛り込みつつ、一方で最先端の時勢をも積極的に取り入れたストーリーで、最初に見たときにはかなり驚きました。

 1話から始まった最初のエピソードでは、ルパンがいきなり仮想通貨を盗み出そうというミッションに挑戦。侵入したサーバーの建物の奥底でハッカーの少女を救出、さらには敵対する相手から「ルパン・ゲーム」というSNSルパンを捕らえようというゲームを仕掛けられ、その対応を要求されるという、まさに今のインターネットを大きくフィーチャーした内容になっていました。仮想通貨などは先日の事件から間もないまさにタイムリーすぎるネタ。今のルパン仮想通貨まで盗むようになったようです(笑)。

次元「形のないものを盗むなんてどうもピンと来ないな」

ルパン「デジタルだろうが現金だろうがどちらも同じことだよ」

 この内容を見て少し思い出したのが、同じ日本テレビで数年前に放送された「ガッチャマンクラウズ」です。こちらもインターネット、とりわけSNSをメインテーマにしており、SNSを通じてユーザーたちが与えられたミッションに挑戦するという設定で、非常に通じるものがありました。救出されたハッカーの少女(アミ)が、いわゆるネット依存で、ネットで得られた情報や知識を優先しようとする在り方も、まさに現代的。「小さな頃からネットに依存してきた子供が最後にどうなるのか」 その結末が興味深くもありましたが、そのラストは思った以上に現実に溶け込んだ終わり方だったのも良い結末だったと思います。

 その最初のエピソードが5話で終わった後の次の6話では、一転して昔風の作画と演出でギャグ満載の幕間話を披露。こうした昔のシリーズをオマージュするような演出も、このPART5の大きな特徴で、かつてのルパンを見ていた視聴者へのサービス精神が感じられるのもうれしいところです。

 そしてその6話を挟んで7話から始まったセカンドエピソードは、さらに一転して絵画贋作に関わる人たちの姿を取り上げた叙情的なストーリーを披露贋作者やその絵画を売る画商たちが、ルパンと旧知の間柄という設定で、悪人同士の一物含んだかのような会話劇が面白い。賑やかな街並みを舞台に、敵対する諜報員相手に逃走劇を繰り広げるアクションシーンも見入るほどの出来でした。

 もうひとつ、今回のルパンで注目したポイントは、徹底的にこだわって描かれたと思われる背景美術です。ルパンたちがアジトにしているアパートの生活感溢れる描写や、細かく描かれた瀟洒で活発な雰囲気の街並み、一転して裏寂れた退廃的な雰囲気の田舎町など、極めて絵画的とも言える緻密な背景描写。この徹底的なまでの描き込みには思わず唸ってしまいました。

 5話(=トータル約2時間)で1エピソードが完結するなど、映画的な構成になっていると思われるのも今回のルパンの魅力。2クールは放送が続くようで、これから先のエピソードもまだまだ楽しみです。

2018-05-15 「やがて君になる」アニメ化決定!

kenkyukan2018-05-15

 このところ自分の好きな作品のアニメ化が相次いでいて、非常にうれしいかぎりなのですが、中でもこの電撃大王の連載「やがて君になる」(仲谷鳰)のアニメ化は、とりわけ特別なものがあるかもしれません。もともと以前よりずっと注目されていたマンガで、まず確実にアニメ化まで行くとは思っていましたが、連載3周年のここにきてついにアニメ化告知。ついにこの時が来たかと思うと同時に、もう連載が始まって3年も経っていたのかとも感じてしまいました。今でも電撃大王の連載としてはとても新鮮な感覚があります。

 肝心の内容ですが、とある高校(遠見東高校)の生徒会長・七海燈子(ななみとうこ)と、生徒会役員の1年生・小糸侑(こいとゆう)の特別な関係を中心に、ふたりを取り巻く周囲の人々の人間関係をも様々な視点で描く学園ストーリー、でしょうか。燈子と侑、ふたりの女の子の恋愛的な関係描写から、百合作品として大きな注目を集め、ここ最近では最大の期待作のひとつともなっているようです。

 しかし、単に百合的な関係のみならず、キャラクターごとにさまざまな恋愛の形が見られるのも、この「やが君」の大きな魅力だと思っています。例えば、主人公のひとり侑は、誰かを特別に思う気持ち、すなわち恋愛感情が理解できず、燈子と接点を持った今でも、いまだにそれで悩んでいる状態が続いています。また、彼女と同じ生徒会員の男子は、恋愛感情そのものを持っていないらしく(いわゆる無性愛)、しかしそれを寂しいとは思わず、むしろ他者の恋愛を眺めることを楽しみとしているという、こちらも興味深い設定のキャラクターとなっています。近年同性愛を始めとして様々な関係性がクローズアップされていますが、この作品もそうした点において現代性を持っているのかもしれません。

 加えて、主人公のひとりである七海燈子においては、恋愛とは別に大きなテーマが設定されているのも、注目すべきポイントと言えるかもしれません。かつて特別な存在として多くの人に慕われていた姉の存在を気にかけ、その代わりになろうと努力しつつも、しかし同時に大きな葛藤に悩まされている。そんな燈子が、姉の影に囚われた状態から自分らしさを取り戻すという物語が、もうひとつの大きな骨子になっている。こうして多層的に幾つものテーマを同時に織り込むことで、非常に奥深いストーリーにもなっていると思います。

 あるいは、そうした作りこまれたストーリーだけでなく、作者の仲谷さんの描くキャラクターや背景も素晴らしく、シンプルなビジュアル的な魅力も非常に大きいと思います。少女マンガ的な百合作品とはちょっと雰囲気の異なる、さらっとしたタッチのかわいらしいキャラクターと爽やかな背景描写。本編の作画のみならず、単体のイラストも非常に魅力的で思わず引き込まれるものがあります。個人的に特に好きなのはコミックス2巻の表紙で、春の鮮やかな新緑の小道をふたりが歩く光景です。ずっと遠くまで見通せる背景に吸い込まれるようで、緑の風が吹き渡るような爽やかな絵になっていると思います。

 今回のアニメ化告知に際して、早速キービジュアルが公開されていますが、こちらはより少女マンガ的な落ち着いた作画になっているようで、原作の仲谷さんの絵柄とは少々雰囲気の異なる点が、個人的にちょっと懸念しているところではあります。しかし、それでも楽しみなことに変わりはない。10月からと放送は少し先ですが、今から最大の楽しみです。夏からのハッピーシュガーライフと秋からのこれでまだ生きていける(笑)。

2018-05-10 「あなたを大人にする○つのこと」(あんねこ)

kenkyukan2018-05-10

 電撃だいおうじの連載「あなたを大人にする○(まる)つのこと」のコミックス1巻が、先月末に発売されました。このところ電撃から期待の新作が多くてあれこれ紹介していますが、これもまた注目すべき期待作かもしれません。

 コミックス表紙はかわいいイメージのキャラクターになっていますが、その内容はとんでもなくぶっ飛んだギャグマンガ。中学一年生の”先輩”先崎紗輝ちゃんと、小学6年生の”後輩”後路コウちゃんのふたりの女の子が、大人になるためになぜかひたすらエロを追求しようとする。「大人と言えば20歳」「20歳と言えば年齢確認」「年齢確認と言えばエロ」「つまり大人=エロ!」という無茶な論理を信じ込んだ先輩ちゃんが、真面目な後輩ちゃんを巻き込んで日々無茶なチャレンジをするストーリーとなっています。

 おっぱいの感触を追求しようとなぜか砂場で泥をこねこねしたり、背伸びをしてエロい下着を買おうとして店員さんに優しく止められたり、エロい青年誌の影響を受けて即売会で無茶な頒布物を出したり、なぜか同級生の男の子のパンツをずりおろしたり、やってることがずれてていちいち面白い。

 1巻で特に面白かったのが、場末の本屋でエロ本を買おうと試みる話で、そこの店主がいかにも適当なおっさんであると踏んで大人の本を買おうとするものの、そのやりとりを店主に全部聞かれており、大人の証明をかけたはちゃめちゃな駆け引きに発展していくところが最高に面白い。最後には店主の情けで本を買うことが出来たものの、実はそれは大してエロくない普通の青年誌であるというオチも最高でした。

 作者のあんねこさんは、この連載以前に芳文社きららラクで前後編の読み切りを掲載したことがあり、その作品「ハルベルンハルカ」は、ロボットの搭乗者になりたい女の子が主役のやはり切れたギャグ4コマになっていました。これはこれでとても面白いものがあったと思うのですが、残念ながらその後の掲載には繋がらなかったようで、のちに同人誌で再録される形になっています(先日のコミティア頒布)。ゆえに、電撃の方のギャグ・4コマ誌であるだいおうじで連載&コミックス発売まで達成したのはとてもうれしい。

 電撃系雑誌においては、以前からキッズコメディとも呼べる一連の作品の系譜があるようで、「よつばと!」「苺ましまろ」「三ツ星カラーズ」などの名作が現在も連載中です。その点で、この「あなたを大人にする○つのこと」は、その最先端の作品であるとも言えるのではないか。作者のあんねこさんとしても、より作風に合った良い場所に落ち着いて良かったと思えますし、この後の展開にも期待は高まりますね。

2018-05-02 「お兄ちゃんはおしまい!」

kenkyukan2018-05-02

 君たちは、ニコニコ静画で絶賛連載中の「お兄ちゃんはおしまい!」(ねことうふ)というマンガを知っているだろうか。一部で非常に話題となっている(らしい)このマンガ、ここ最近同人での展開も一気に盛り上がってきて、個人的にも非常におすすめ度が高まっています。

 どんなマンガか。「お兄ちゃんが朝起きてみると女の子の身体になっていた」というよくある出来事をきっかけに、女の子の身体に戸惑いつつも次第に順応していくお兄ちゃんの心情と、そんな姿を面白がりつつも親身になって世話をする妹の日常を描く、ほのぼの感満載のコメディとなっています。

 とにかく女の子になったお兄ちゃん・まひろの姿がめちゃくちゃかわいい。作者のねことうふさんの絵がかわいいというのもあるんですが、毎回の扉絵だけで満たされます。妹に女の子の服を着せられたり、ブラジャーを買いにいったり、しまいには自分から髪を三つ編みにしたりついには生理を体験したり、少しずつ本当に女の子になっていく日常が、ごく自然に明るく描かれるのがとても楽しい。お兄ちゃんに薬を盛って女の子にした妹・みはるも、茶目っ気があってとてもかわいいのもいいですね。

 こうした「女の子になる」ような作品、すなわち異なる性別になったり乗り移ったり入れ替わったりする作品、今ではTSFトランスセクシャルフィクションというジャンルで呼ばれているようです。あの「君の名は」も、このジャンルのひとつとも言える設定を持っているようで、幅広く一般に大ヒットしたその裏で、こうしたTSF好きのクラスタからも別の意味で注目を集めていたようで、この世界闇が深いと思ってしまいました。同じニコニコ静画でも、この作品に先んじて始まった「女子小学生はじめました」(牛乳のみお)という怪作が今でも絶賛連載中ですし、こちらはその性的にギリギリのラインを攻める楽しい設定とギャグが面白すぎる作品になっています。

 あるいはこの作品に限らず、その設定からか性的な要素が強い作品が、このジャンルには目立つような気もします。しかし、この「お兄ちゃんはおしまい!」に関しては、どこまでも明るいほのぼのコメディとなっていて、誰もが気軽に楽しめる作品になっていると思います。まさにTSF初心者にも最適!(笑)。ここに来て直近のイベントでも同人誌の新刊が多数出ていて、高野麻里佳石原夏織金元寿子ら豪華キャストによるドラマCDまで出るという盛り上がり。そしてついに6月には一迅社から商業コミックスも発売予定! これはもうビッグウェーブに乗るしかないですね!

2018-05-01 「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。」アニメ化決定!

kenkyukan2018-05-01

 このところ、スクエニ原作のコミックから、久しぶりに色々アニメ化の話が発表されていますが、次にガンガン連載から「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。」(matoba)のアニメ化も発表されました。落ち込んでから久しいガンガンですが、久しぶりにオリジナル作品のアニメ化。中でもこの作品のアニメ化はちょっと予想外でした。

 「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。」は、魔界を舞台にしたファンタジーコメディ。悪魔を統べる万魔殿の主、大悪魔ベルゼブブは、実はもふもふしたものが大好きなゆるふわ少女だったという設定で、彼女に仕えることになった近侍・ミュリンとふたりのコンビを中心に、個性的な悪魔たちが繰り広げる「魔界日常コメディ」とも言える作品となっています。魔界とはいえ広大で美しい宮殿を中心に明るく華やかな雰囲気が、matobaさんの整った作画で描かれるのも魅力だと思います。

 作者のmatobaさんは、2010年にガンガンONLINEで始まった「ほしのこ!」というコメディでデビュー。この当時から少女マンガ的な作風が特徴的で注目していました。その後、芳文社まんがホームで連載された異文化交流4コマ「さえずり少女、しんしん鎌倉」でもその魅力を存分に発揮。そして2012年より、再びガンガンONLINEで代表作となる「魔女の心臓」の連載を開始。重い境遇を抱えて旅を続ける不老不死の少女と、彼女に付き従うランタンに変えられた青年・ルミエールのふたり旅を描いたシリアスファンタジーで、その切ないエピソードの数々と繊細な世界の描写に強く惹かれるものがありました。

 この大作こそがアニメ化されるかと長い間待ち望んでいたのですが、しかし長い連載を終えても結局最後までそのような話は聞かれませんでした。ゆえに、その後の連載で大きく雰囲気の変わったこの「ベルゼブブ嬢」がアニメ化されたのをちょっと意外に思ったのです。

 とはいえ、スクエニ的に見れば、今回の作品も、もはやお得意のジャンルとも言える少女マンガ的なコメディだと思います。過去のアニメ化作品の「月刊少女野崎くん」や「繰繰れ!コックリさん」「田中くんはいつもけだるげ」のように、一見して少女マンガ的で女性読者向けにも見えて、女の子がかわいかったり平易なギャグやコメディで楽しませてくれたりと、幅広いユーザーに楽しまれる作品になると今回も期待しています。

2018-04-27 あの「TWIN SIGNAL」がついに新作始動!(2)

kenkyukan2018-04-27

 前回の日記では「TWIN SIGNAL」の連載の概略を記しました。今回は、より具体的な内容、とりわけ特徴的な設定やテーマについて少し突っ込んで書いてみたいと思います。

 もともとコメディ要素強めの作品として始まったシグナルでしたが、のちに本格的なSFへとシフトすることで、改めて詳しい設定が書き加えられる形になりました。最新鋭ロボット・シグナルのボディが「MIRA」という可変金属で出来ているという設定は、確か当初からあったと思うのですが、中盤以降ここにも極めて具体的な設定が追加されることになっています。「ロボットの排熱は髪を通して行う(ゆえにみな髪が一様に長い)」など、人間型ロボットの身体構造に関わる設定はとりわけ具体的で、作者が非常にこだわっていたことが窺えます。

 また、シグナルのロボットたちは、現実でロボットのボディを持つだけでなく、電脳空間でもプログラムとして活動できるという設定で、その空間で普段から活動したり侵入者とバトルを行うといったストーリーにも惹かれるものがありました。中には、そもそも現実空間で身体を持たず、電脳空間プログラムとしてのみ存在するロボット(エモーション)や、電脳空間では人型だが現実では鳥型のボディといった、現実と仮想空間で異なる外見を持つロボット(コード)も登場し、90年代半ばにしてこうした設定も実に先進的なものがありました。

 さらに、最も取り上げたい要素として、ロボット存在意義に関わる一貫したテーマがあります。それは、主人公たちに敵対する冷酷なロボット工学博士・クエーサーの思想として登場するもので、「ロボットは、人間には出来ない人間を超える能力を求めて作られる。しかし、いざ本当に人間を超える存在が出来上がってしまうと、人間はそれに恐怖を感じるようになり、人間にとって大きな脅威となる(ゆえに破壊しなければならない)」というもの。これも90年代半ばの作品にしては、非常に鋭く先進的な思想だったと思います。

 折りしも、近年はAIの進化が大きくクローズアップされ、AIの超越的な計算能力によって人間には想像できないような決定が下され、将棋などのゲームにおいても人間では到底敵わないような強さをまざまざと見せ付けられるようになりました。ここにおいて、AIに対して何か漠然とした不安感を抱く人も、少なからずいるのではないでしょうか。そんな今の時代において、改めて90年代の「TWIN SIGNAL」の長い連載において、最後まで一貫して打ち出されたこのテーマを思い出してしまうのです。

 今回の続編企画に際しての「近年のAIロボットの進化を見て触発された」という作者の大清水さんのコメントを見ても、この「TWIN SIGNAL」には、まさに今ならではの現代性があると思うのです。このテーマが現代においてどんな風に描かれるのか、今回の続編ではそれも楽しみに待ちたいと思います。

2018-04-26 あの「TWIN SIGNAL」がついに新作始動!(1)

kenkyukan2018-04-26

 先日、あの「TWIN SIGNAL」(大清水さち)の続編の企画が告知され、まさかあの作品がと驚いてしまいました。先日よりすでに続編の連載を開始している「刻の大地」に続いて、かつてのガンガンの人気連載のまさかの新作告知。今回もクラウドファンディング資金を集める告知がされ、1日で目標金額に到達するなど、その根強い人気ぶりを改めて実感することになりました。

 「TWIN SIGNAL(ツインシグナル)」は、少年ガンガンで1992年から始まった連載で、ガンガンでも最初期からの連載になります。内容はロボットアンドロイド)を主役にしたロボットSFと言える作品として知られていますが、当初はギャグ・コメディ要素の強い作品としてスタートしました。主役である最新鋭ロボットのシグナルが、普段は青年の姿ながら男の子のくしゃみでちびキャラに変身してしまうという設定で、デフォルメされたかわいい姿が特徴的なほのぼのコメディだったと思います。

 しかし、連載開始から数年が過ぎた1994年。物語は最先端の未来都市でのロボット博覧会へと舞台を移し、そこでロボット存在意義にかかわる陰謀に巻き込まれるエピソードへと発展、本格的なSFへとシフトすることになります。これ以降、より詳細なSF設定が追加され、さらにはシグナルの兄弟姉妹に当たるロボットたちが多数登場したことが決定的でした。この本格SFとしての奥深い設定・テーマと、個性的なロボットたちのキャラクター人気によって、一気にガンガンでもトップクラスの人気作品になったのです。

 その後も連載を続けるにつれてさらにSFとして発展、「ツインシグナル進化論」なる設定解説の本まで出るくらいで、さらには小説やドラマCDなども多数発売され、98年に創刊されたガンガンの姉妹誌・WINGでも外伝「呪われし電脳神」の連載を開始。ガンガンの本編もこの頃が全盛期で、「まもって守護月天!」や「刻の大地」「スターオーシャンセカンドストーリー」と並ぶガンガンの看板作品のひとつだったことは間違いありません。

 しかし、連載が佳境に差し掛かった2000年、突然姉妹誌のGファンタジーへと移籍することになり、これはガンガンの読者に大きな衝撃を与えました。同じくGファンタジーへの移籍となった「刻の大地」と同様、のちのお家騒動へと続くガンガンの路線変更がその理由でしたが、読者の多くはこの決定についていくことが出来ず、ガンガンを離れるきっかけとなってしまいました。

 連載自体は移籍約1年後に無事完結を迎えますが、最後にこうした騒動に巻き込まれる形となり、連載の盛り上がりに水を差したのは、今考えても残念だったと思います。終了後に作者の大清水さんは、しばらく同誌で新しい作品を掲載していましたが、この「TWIN SIGNAL」に関しては、「続編は書かない」と明言しており、長い間そのような話はありませんでした。それが、今になってまさかの続編告知。作者のコメントで、「近年のAIロボットの進化に触発され、シグナルたちの未来が見えた気がした」ことが続編を描くきっかけになったとありますが、だとすれば今の時代こそ楽しみな連載になりそうです。

2018-04-19 「百合展2018」大阪会場のちょっとしたレポート。

kenkyukan2018-04-19

 先日、「百合展2018」の大阪会場に行くことが出来たので、今になってちょっとしたレポートを上げたいと思います。東京での開催がとある事態で急遽中止・延期になったことで一時話題となりましたが、大阪での開催はそのままの日程で行われたようで、運よく行くことができました。

 大阪も自分にとっては遠い場所だったのですが、開催期間の4月1日にたまたまMTGプロツアー地域予選が日本橋の店舗であり、百合展の会場のなんばからほど近い場所という幸運に恵まれ、なんとかわずかな時間も出来て会場まで足を運ぶことが出来たのです。

 会場だったのはなんばパークスという商業施設(ビル)の7F。なんばは下の方は雑多な雰囲気の繁華街でもありますが、ここまで上ってくると人も少なめで静かで綺麗なフロアとなっていました。会場はその一角のイベントスペースで雰囲気は良かったです。

 入場する前は、東京での中止を受けてどんな内容なのかと構えていたところもあったのですが、いざ見てみるとごく普通のマンガの原画展&グッズ販売のイベントでした。規模も小さめでほんとによくある原画展という感じ。ただ、その内容は中々興味深いものがありました。全部撮影OKだったので、撮影して記録してこうしてレポートを書けたのは幸いでした。

 実写の写真集なども一部にありましたが、実際にはほとんどがマンガ作品。それも、最近話題になっている作品やアニメ化された作品が多く、今のトレンドをストレートに打ち出していこうというコンセプトが感じられてよかったです。

 具合的には、『やがて君になる』(仲谷鳰)・『ふたりべや』(雪子)・『このはな綺譚』(天乃咲哉)・『ご主人様と獣耳の少女メル』『月が綺麗ですね』(伊藤ハチ)・『citrus』(サブロウタ)・『籠の少女は恋をする』(川浪いずみ)・『終電にはかえします』(雨隠ギド)・『あの娘にキスと白百合を』(缶乃)・『私の百合はお仕事です!』(未幡)など。一方で、『青い花』(志村貴子)や玄鉄絢吉富昭仁など比較的以前から活動している作家の作品も見られ、よく分かっている感のバランスの良さを感じました。

 ついでにもうひとつ、原画が並んでいるギャラリーの途中に、『あさがおと加瀬さん。』(高嶋ひろみ)の劇場版を告知するちょっとしたスペースが設けられていて、これにもちょっと注目してしまいました。公開は6月9日。これは見逃せない作品なのでみんな行きましょう(笑)。

 比較的わずかな時間しか取れなかったので急ぎ足での訪問でしたが、中々いい体験になりました。なお、帰りになんばから日本橋への道が分からなくなって、めちゃくちゃ焦ってなんとか大会の決勝までに店舗に辿り着いたというのはどうでもいい余談です。

2018-04-17 「稲川さんの恋と怪談」

kenkyukan2018-04-17

 少し前の話ですが、2月にコミックス1巻が発売された「稲川さんの恋と怪談」(ヨゲンメ)を紹介したいと思います。電撃マオウで先日より始まった新連載ですが、始まった当初から目立つ迫力ある作画で注目していました。コミックスでまとめて読んで、改めてその面白さを実感した次第です。

 「稲川さんの恋と怪談」は、ホラーマンガ家として活動する稲川さん(稲川マツ)と、彼女の元でアシスタントをすることになったマンガ家志望の高校生・内未(うつみ)くんの日々の創作活動を描いたホラー&コメディ作品。マンガ家をテーマにした作品は、ずっと以前から枚挙に暇がありませんが、このマンガの場合、実際のホラー体験(怪奇現象への遭遇)が、そのままマンガの執筆に繋がっているところが面白いと感じました。

 高校生にして初めて編集部にマンガの持ち込みに来た内未くんは、初めての完成原稿を編集者に徹底的にけなされ、意気消沈してしまいます。しかし、その直後に別の雑誌の編集者に声をかけられ、ホラー誌で連載するマンガ家・稲川さんのアシスタントをやってみないかと勧められます。そのマンガを目にして圧倒的な完成度に驚く内未くんですが、実際に作者である稲川さんに会ってからの活動は、さらに意外な驚きに満ちたものだったのです。

 具体的には、「実際に怪奇現象が起こるとされる場所に2人で取材に行く」→「怪異に遭遇、もしくは怪異に苦しむ依頼人の頼みを解決」→「その体験をヒントに稲川さんがマンガを執筆する」というストーリーになっています。登場する怪奇現象は、不気味な歌が流れるというトンネル・一軒屋の仏間で起こる恐怖現象・「神隠しの森」と呼ばれる山中で起こるとされる失踪事件など、ホラーのシチュエーションとして本格的なもの。しかもそれが単なる噂話ではなく、毎回実際に怪奇現象に遭遇し、人並みに霊感のある内未くんだけがそれを直に体験、まったく霊感がない稲川さんにその様子を伝え、それからインスピレーションを得た彼女が新しい話のアイデアを思いつくといった構成が面白い。

 1巻の範囲では、マンガ家のアシスタントの仮眠室に現れ、原稿の執筆を要求する霊の話が特に面白いと思いました。実際に霊が現れるという部屋に待機して、現れた怪異に向けて「あなたが描いてください」と繰り返し呼びかけた結果、朝起きると本当に原稿が完成していた。マンガの執筆というテーマとホラー要素が直接結び付いたこの話が、現時点で一番の印象に残っています。この時の内未くんと稲川さんの会話が、さらに彼がこの世界へと足を踏み入れるきっかけになるくだりもいいですね。

 作画に迫力があり、とりわけ要所要所で使われた黒の表現が、ホラーの暗い雰囲気を醸し出しているのもいいですね。マンガ家マンガとしてだけでなく、ホラーマンガとしてもかなり面白いものがあると思います。電撃の次の有力候補として期待したいですね。

2018-04-12 「狼少年は今日も嘘を重ねる」最終5巻発売。

kenkyukan2018-04-12

 先日、namoさんの「狼少年は今日も嘘を重ねる」の最終5巻が発売され、ついにこの作品も完結を迎えたのかと思ってしまいました。エンターブレインウェブコミックサイト・ファミ通コミッククリアで連載されていた作品で、連載開始は2014年。随分前から追いかけていたなと思っていたのですが、ここでついに完結でした。

 肝心の内容ですが、女装男子の主人公・啓太郎と、ある事情で男性嫌い(恐怖症)となった女の子・外鯨さんのちょっと変わった交流を描く恋愛ラブコメディでしょうか。目つきの悪さにコンプレックスを持ち、好きだった外鯨さんへの告白も断られた啓太郎ですが、茶目っ気ある姉のいたずら心からいきなり女装させられ、それをきっかけに(女装したまま)外鯨さんと付き合うことになる。見た目かわいい女装男子と女の子が付き合うというシチュエーションの楽しさ、いつかばれるかもしれないという緊張感と罪悪感、やがて登場する外鯨さんの後輩の牡丹(ぼたん)の3人で織り成される微妙な関係と、非常に面白い作品となっていました。一方で外鯨さんの過去のコンプレックスからの克服というシリアスなテーマもあり、様々な点で読ませる作品だったと思います。

 それともうひとつ、ヒロインの外鯨さんや牡丹が本好きという設定で、読書やあるいは本そのものへの愛着が、随所で描かれていたのも魅力でした。あるいは書店や図書室など本のある空間の心地良さ。作者のnamoさんのさらっとした気持ちのいい作画もあって、そうした雰囲気の良さも大きく惹かれるポイントだったと思います。個人的には、最終5巻でラストの掲載された過去のエピソードで、外鯨さんと牡丹が子供の頃に本を通じた親友になるきっかけが描かれた話も印象に残りました。

 namoさんの過去作にも触れておきましょう。最初の連載は、「バカとテストと召喚獣」のスピンオフ作品だったようですが、最初にわたしが触れたのは、2012年にスクエニJOKERで連載されたあのアイドルマスターシンデレラガールズモバマス)のコミカライズ・「アイドルマスター シンデレラガールズ ニュージェネレーションズ」です。当時のスクエニは、シンデレラガールズコミカライズを各雑誌で積極的に開始していましたが、島村卯月渋谷凛本田未央の3人をメインに描くこの作品が、最も安定して面白かったと思います。

 翌2013年からは、メディアワークス電撃萌王の方で、こちらはオリジナルの連載「まどろみちゃんが行く。」を開始。なぜか角が生えている女の子・まどろみちゃんと、彼女の保護者として日々かまってやるタイチくんの日常を描くコメディでした。とてつもなくほのぼのした作風で、まどとみちゃんのかわいさに和むこと間違いなしの良作でした。ゆっくりと連載が続き、そのままのペースで終わってほしくなかったのですが、残念ながらコミックス2巻で一足先に終了しています。

 それぞれ方向性や雰囲気はやや異なりますが、いずれも非常に面白い良作だったと思います。いずれも作画が非常に安定して心地よい雰囲気を出していたのもポイントです。いずれまた新作の連載を期待したいと思います。

2018-04-10 そろそろ「賭ケグルイ」の公共財ゲームについて語ろうか。

kenkyukan2018-04-10

 ちょっと前に発売された「賭ケグルイ」の最新9巻。先日のテレビアニメも好評で2期が決定、テレビドラマも放送された本作ですが、原作の方もいまだ面白さはまったく衰えず、9巻で行われた「公共財ゲーム」も非常に面白かったので、それを改めて紹介したいと思います。

 今回の公共財ゲームに参加したキャラクターは5名。意気消沈した豆生田の復活や彼を必死に支援する皇(すめらぎ)の奮戦など、キャラクターの活躍も大きな見所ですが、「公共財ゲーム」というギャンブルの題材自体も非常に面白いものがありました。もともと同名の社会実験のためのゲームが存在しており、以前「ライアーゲーム」でも同じようなゲームが登場したとのことですが、こちらも同じゲームを題材にしているのではないかと思います。

 その内容は、元の公共財ゲームと基本はほとんど同じで、参加者が手元に配布された資金(コイン)を、公共税金として投資するか、それとも私財として自分の手元に置いて投資しないか、それを選べるというもの。ただし、私財とした者を推測して糾弾出来るというギャンブルゲームらしい趣向が追加されています。

 具体的に説明します。この「賭ケグルイ」の場合、参加者5名で1人に配られるコインは5枚。そして、そのコインを公共投資した場合は2倍になって帰ってくるという仕組みです。5枚全額払えば10枚になる。税金を払うとそれ以上のサービスが見返りとして受けられるというわけです。

 しかし、投資したコインは参加者すべてに均等に還元され、「1枚も税金を払わなかったものにも支払われる」というのが、このゲームの大きなポイントです。この場合、払わなかった参加者の方が得をする可能性が出てきます。

 まず、参加者全員が5枚すべてを真面目に税金として払った場合。この場合合計25枚が2倍されて50枚。1人あたり2倍の10枚になって帰ってきます。逆に、参加者全員が税金を1枚も払わずすべて私財として残した場合。この場合は1人5枚のままです。

 次に、1人だけ税金を払わず、残り4人が5枚全額払った場合。この場合20枚が倍になって40枚。それが均等に五等分されて1人あたり帰ってくるのは8枚。ただし税金を払わなかったものだけは手元に5枚残しているので、この者だけが5+8枚=合計13枚となり1人だけ得をする形になります。

 最後に、4人が税金を払わず、1人だけが税金5枚を払った場合。この場合5枚が10枚になって1人あたり帰ってくるのは2枚。ただし私財を残した4人は手元に5枚あるので、2+5=7枚になります。この場合税金を真面目に払った1人だけが2枚しかもらえず、損をする形になります。

 つまり、税金を払うものと税金を払わないものがいた場合、税金を真面目に払った方が損をする形となり、ここに不公平感が生まれることになります。これは実際の社会生活でもそのまま当てはまることで、例えば生活保護の不正受給や年金の不正受給、あるいは社会保険医療費に対する不公平感は、すべてこれに該当するのではないかと思われます。このマンガの中でも、一見して乱暴者に見えた尾喰という参加者が、この不公平感を前にして急に真面目になって怒り出すシーンがあり、これには思わず笑ってしまいました。

 ついにはこの後全員が言い争いをする展開にもなってしまうのですが、こうしたギャンブルにしろあるいは社会生活にしろ、本来なら冷静に合理的に考えて対処するのが最善の方法のはずです。しかし、こうした不公平感を一度目の前にしまうと、冷静ではいられなくなり、そうした人に向けていきなり攻撃的になってしまう人が多いのも事実。こうしたことまで深く考えさせるという点で、「賭ケグルイ」9巻のこのギャンブルは、今まで以上に面白いものがあると思ったのです。

2018-04-06 「こみっくがーるず」ついにアニメ放送開始!

kenkyukan2018-04-06

 冬からは「ゆるキャン△」と「スロウスタート」、2つのきらら原作アニメがいずれも大好評のうちに幕を閉じましたが、春からはまた別のきららアニメが始まります。きららMAXの連載「こみっくがーるず」(はんざわかおり)です。連載開始間もない頃から大きな人気を集め、次期きらら最有力候補とも呼ばれていましたが、ついにアニメ放送まで来ました。

 「こみっくがーるず」は、2014年からきららMAXで始まった連載で、作者ははんざわかおり。タイトルから連想されるとおり、マンガ家の女の子たちの日々の活動を描く日常もの(あるいはお仕事もの?)となっています。

 マンガ家を描くマンガというと、過去作でも枚挙に暇がありませんが、これはきらら4コマらしくとても楽しい内容になっています。主人公は4コママンガ家の萌田薫子(ペンネーム:かおす先生)で、高校生でプロデビューしたものの人気は振るわず、思い悩んでいたところを編集者からマンガ家が集まる寮に入ることをおすすめされ、そこで出会った個性的なマンガ家たちとともに活動していくことになります。

 かおすのルームメイトで、夢見がちで乙女な性格の少女マンガ家・小夢。ふたりの先輩となる大人っぽい女性で、TL(ティーンズラブ)マンガを手掛ける琉姫(るき)。彼女と同室でボーイッシュな外見と熱い性格の少年マンガ家の翼。性格や外見などキャラクターの個性が、そのまま描いているマンガの作風に反映されているような設定で、そんなキャラクターたちが日々賑やかにあたふたと過ごしつつ執筆に取り組んでいく楽しいマンガになっています。きらら4コマだけあって、マンガ家マンガとはいえ苦労に苦労を重ねるようなしんどい描写ではないのでそこは安心してほしい(笑)。

 一方で、プロのマンガ家として創作や人気に苦戦しつつ取り組んでいく真面目な側面もあります。個人的に好きなのは、少年マンガ家の翼絡みのエピソードで、性格とマンガの内容を反映してとにかく熱い。幼馴染の琉姫とふたりの子供の頃を描いた過去のエピソードは、最初はマンガ家を目指す翼を手助けしていた琉姫の方まで触発され、やがてふたりでマンガ家への道を歩む熱いストーリーとなっています。

 それともうひとつ、きらら4コマの中では、ストレートに少女マンガ的な作風となっているのも大きな特徴です。作者のはんざわかおりさんは、かつてはりぼんでデビューした作家で、2000年のデビューと活動履歴はかなり長く、「いちごオムレツ」「キルミンずぅ」といった連載を残しています。対して芳文社きららでの活動は、2014年からと比較的新しい。そこでの初連載となったこの「こみっくがーるず」も、作画面でも内容面でも少女マンガ的なかわいらしさの残る作風となっていて、アニメでもそうした雰囲気が再現されることに期待したいですね。

2018-04-05 「キャタピラー」がついに連載終了。

kenkyukan2018-04-05

 先日、ヤングガンガンであの「キャタピラー」が、次号で連載終了を迎えるとの予告があり、ついにこの時が来たかと思ってしまいました。2012年からの長期連載で、さらにはスピンオフの本編である「アラクニド」の開始から数えるとさらに長い連載となっていました。本編の「アラクニド」は一足先に終了を迎えており、スピンオフの「キャタピラー」が単独で連載を続けている状態でしたが、こちらもついに終了。これでシリーズは完全に幕を閉じることになったのでしょうか。

 本編の「アラクニド」は、2009年にガンガンJOKERの方で始まった連載で、「虫」の能力を持つ殺し屋たちが集まる組織に入った女子高生・藤井アリスの苦闘を描くバトルものとなっていました。暴力的過激な表現も多い尖った作風でしたが、それ以上に特徴的だったのは、原作者である村田真哉さんの「虫」に対する強烈なこだわりです(笑)。昆虫を始めとする小さな虫たちの驚くべき能力、それがいちいち詳細に説明され、個性的なキャラクターたちの能力に的確に反映されていました。個人的には、およそ「虫マンガ」としては、あの「テラフォーマーズ」さえ凌ぐところもあったと思っています。個人的には「リオック」(巨大コオロギ)や「パラポネラ」(巨大針蟻)の能力を持つキャラクターが特に印象に残っています。

 スピンオフの「キャタピラー」も、基本的な設定はほとんど同じで、こちらは「アラクニド」よりも前の時期を描く話となっています。両方の作品に登場するキャラクターも多く、それもひとつの楽しみでした。こちらの主人公は、タイトルどおり「芋虫キャタピラー)」の能力を持つ女性。引くことを知らないストロングスタイルの強引な戦い方に強烈な魅力を感じる設定となっていました。青年誌ヤングガンガンの連載だからか、さらに設定は過激で性的な要素も多くなっていますが、基本は「アラクニド」と共通した作風で、本編に負けず劣らずの面白さで作品世界を広げる名スピンオフになっていたと思います。

 また、こちらの作品は、連載途中の2013年に作画担当の匣咲いすかさんが休止、連載が一時中断するという大きな事件がありました。これは大きなニュースにもなり、一時期は連載の継続も危ぶまれましたが、幸いにも翌年に新しく速水時貞さんが作画担当に抜擢され、前担当の作風をそのまま受け継いだ巧みな作画を披露、そのまま連載が再開される運びとなったのです。

 そのまま連載はずっと長く続き、本編の「アラクニド」が続いてもなおそのまま続いていて、最後までアニメ化など新展開もあるのかなと期待していたのですが、残念ながらここで連載終了。「アラクニド」も「キャタピラー」も、いつアニメ化してもおかしくない作品だと思いましたが、結局その話はなし。むしろ原作者の村田さんの後発の作品である「キリングバイツ」が、先行する「アラクニド」「キャタピラー」を差し置いてアニメ化されてしまいました(笑)。

 もちろん「キリングバイツ」もいい作品だと思いますが、やはり虫マンガの名作である「アラクニド」「キャタピラー」にも、もっと日の目を見る機会があってもよかったと思うのです。作画担当の急死という大きな壁を乗り越えて、ここまで長く楽しんできた作品だけに、それだけが心残りでした。

2018-03-30 「となりの吸血鬼さん」アニメ化決定!

kenkyukan2018-03-30

 先月のコミックキューンで「次号重大発表!!」とあったので、まず間違いないだろうとは思っていましたが、ついに「となりの吸血鬼さん」(甘党)のアニメ化が告知されました。コミックキューンの連載の中でも、最初期からずっと本命として追いかけていた作品だったので、ここに来てのアニメ化達成は本当にうれしい。ここ最近、キューンでは初期からの連載が相次いで終了し、寂しく思っていましたが、最後に残ったこの作品がアニメ化することで、大いに救われた気がします。

 「となりの吸血鬼さん」は、コミックキューンがまだコミックアライブの雑誌内雑誌だった時からの連載。2014年10月号(創刊号)からの連載ですから、かれこれ4年半の長期連載になっていました。コミックキューンは、当初から「かわいい」をまず第一のコンセプトに連載ラインナップを揃えてきましたが、その中でも最も絵柄的にも好きな作品のひとつでした。

 内容的には、タイトルどおり吸血鬼の女の子が主役で、それも現代に生きる身近で親しみやすい吸血鬼の日常を描く楽しいコメディになっています。主人公の吸血鬼ソフィーは、吸血鬼として長く生き、血を飲まないと生きていけず日光にも弱い身体であるにもかかわらず、人間を襲うとか闇に潜むような暗いところは一切なく、謙虚で真面目な性格で、かつ今の人間の文化を満喫して生きている(血は輸血パックを通販)。とりわけオタク的な趣味には積極的で、毎夜深夜アニメを見て日々PCとスマートフォンインターネットを利用し、ときには日傘を指して昼間のイベントに行ったりするほど。その吸血鬼としてはあまりに俗っぽい姿に思わず笑える作品になっています。

 初めは一人でちょっと寂しく生きてきたソフィーの周囲に、次々と個性的な人間たちが集まり、賑やかな日常を送ることになる展開もほのぼのしてて楽しい。かわいいもの、とりわけソフィー大好きでちょっと変な女の子・灯(あかり)・灯の友達で明るい性格のひなた。そして同族の吸血鬼で唯一ソフィーの年長ながらさらに俗っぽく女の子好きのエリー。周囲に暮らすおばさんやおじいさんとも完全に打ち解けて、ナチュラルに近所付き合いをしているところも笑えます。全体的にキャラクターやコメディの雰囲気であの「きんいろモザイク」に近いところもあるかもしれません。こうした作品が好きなら文句なく楽しめると思います。

 作者の甘党さんは、ずっと以前から東方projectを中心に同人活動を続けていて、先にそちらでよく知っていました。また、かつて2013年のきららキャラットで「ふわふわパティスリー」というオリジナルの読み切りを掲載したこともあります。ケーキ屋でお菓子作りに励む女の子たちの日常を描いた作品で、自分はこれも面白いと評価していたのですが、残念ながら連載化には至らなかったのです。この「となりの吸血鬼さん」は、その後に他社のコミックキューンで始まった連載で、こちらでついに大きな人気を獲得することになったのです。そうした経緯からも今回のアニメ化はとてもうれしい。

 キューンからのアニメ化では、5分のショートアニメが多く、今のところ30分枠のアニメは「ひなこのーと」だけですが、この「となりの吸血鬼さん」だけは、なんとしてもまた30分のアニメでやってほしい。それだけの期待作だと思っています。

2018-03-28 「ハイスコアガール」ついにアニメ放送決定。

kenkyukan2018-03-28

 先日、ビッグガンガンの人気連載「ハイスコアガール」(押切蓮介)の7月からのアニメ放送の告知が行われ、ついにこの時が来たかと一瞬感慨にふけってしまいました。他の作品のアニメ化告知と違い、本作品はもう随分と前にアニメ化の告知自体は行われていて、しかしとある事情で長い間延期となり、放送時期も未定となっていたのです。

 「ハイスコアガール」は、2010年より増刊ヤングガンガン、およびその後継誌であるビッグガンガンで始まった連載です。作者の押切先生の趣味である90年代のアーケードや家庭用ゲームの詳細な描写や、小学生・中学生・高校生と成長していく主人公ハルオとヒロインたちによる恋愛ストーリーの面白さから、開始間もない頃から一気に話題となりました。

 2013年には『このマンガがすごい!』オトコ編で2位を受賞。同年12月にはアニメ化の告知も早い時期に行われ、翌年には放送が始まる予定でした。また、作者の押切先生の評価も、この「ハイスコアガール」の話題を筆頭にこの時期大きく高まり、同じくゲームへの思い入れに満ちた本作の姉妹編とも言える「ピコピコ少年」や、あるいはもうひとつの得意ジャンルであるホラーマンガでも「でろでろ」「ゆうやみ特攻隊」「ミスミソウ」などの代表作が一気に注目されていました。そうした作品のひとつ「プピポー!」は、「ハイスコアガール」に先駆けてアニメ化されて好評を博し、あとは本命の「ハイスコアガール」の放送を待つばかりといった状態だったのです。

 しかし、翌年の2014年になって、本作に関わる著作権侵害問題が表面化し、原作の連載は一時中断、コミックスも自主回収という大きな事件に発展してしまいます。アニメの放送も完全に未定となってしまい、一時期は絶望的な状態となりました。その後、何とか事件は解決に向かい、原作の連載とコミックスの刊行は2016年に再開されましたが、しかしアニメに関する続報はないままで、放送未定の状態が続いていたのです。

 それが、この2018年になってついにアニメ放送決定の告知。待ちに待ったという感じでうれしいことに違いはないのですが、しかし最初に原作の人気が沸騰し、アニメ化が決まった頃の盛り上がりを思い出すと、あれからもう5年も経ってしまったのかと複雑な心境にもなってしまいました。しかし、それでも楽しみなことに変わりはない。告知とともに公開されたPVを見ると、「ファイナルファイト」や「ストリートファイターII」など実際のゲーム画面がアニメの中で使われるようで、かつてゲームセンターに通ってそうしたゲームに散々はまった自分としては、7月からの放送がとにかく楽しみですね。

2018-03-24 「ガーデンスフィア」コミックス1巻発売!

kenkyukan2018-03-24

 先日、ガンガンONLINEの連載「ガーデンスフィア」のコミックス1巻が発売されました。以前より作者の紺野賢護さんの活動を知っていて、その商業初連載ということでずっと注目して見ていましたが、ついにコミックス発売達成。同時発売のコミックスでは「ハッピーシュガーライフ」のアニメ化告知もされましたが、こちらもまたうれしいニュースでした。

 「ガーデンスフィア」は、ファンタジー世界を舞台にしたコメディ。政略結婚をさせられた幼い王子と王女が、和平を目指す国のために、本当に仲の良い夫婦のふりをして過ごすというもの。すでに夫婦なのに夫婦のふりをする、それも夫婦と言うよりはまだ慣れない恋人のような関係で、そんな初々しいふたりの姿がたまらなくかわいいコメディとなっていると思います。

 加えて、繊細で緻密に描かれた絵がとても美しい。特にカラーイラストが非常に美しく、青や赤を貴重にした緻密な描き込みの1枚絵に強く惹かれます。流麗なファンタジー物語のイメージが強く出ていて、一方でキャラクターが男の子・女の子ともに少女マンガ的でかわいいのもポイントでしょう。

 作者の紺野賢護さんは、今回が商業初連載で初コミックスだと思いますが、活動自体はずっと前から知っていました。2005年頃にサイトでイラストを見て知ったのがおそらく最初で、その当時からすでに同人活動は行っていたような気がします。その後長らくオリジナルの創作を手掛け、商業でもライトノベルのイラストの仕事はいくつかあったようですが、マンガ連載には長い間恵まれなかったと思います。しかし、2017年になって、ついにスクエニガンガンONLINEでこの「ガーデンスフィア」の連載を開始。やっとこの時が来たかとひどく喜んだことを思い出します。

 今回の「ガーデンスフィア」は、内容面では少女マンガ的な作風とも言えますし、ガンガンONLINE自体が女性読者向けの作品に力を入れているところもあるので、こうした作品の掲載に至ったのかもしれません。しかし、これまでの活動ではシリアスなファンタジーものの創作も多かった。いつかそうした作品も見てみたいですね。

2018-03-23 「ハッピーシュガーライフ」ついにアニメ化決定!

kenkyukan2018-03-23

 先日、JOKERの最新号発売とコミックス最新7巻発売と同時に、あの「ハッピーシュガーライフ」のアニメ化が告知され、これは本当に驚きました。スクエニのコミックのアニメ化の場合、大抵雑誌の次号告知で「次号重大発表!」などと書かれることがほとんどなのですが、今回はそれがなかったのでまさに晴天の霹靂。最近、スクエニからのアニメ化が少々減っているところですが、これだけは絶対にアニメ化してほしいと前々から思っていただけに、これは本当にうれしい朗報でした。

 「ハッピーシュガーライフ」は、ガンガンJOKER2015年より連載されている鍵空とみやきさんの連載。2014年9月号に掲載された読み切り「ホワイトシュガーガーデン、ブラックソルトケージ。」が原点となっていて、基本的な設定はそのままに約9カ月後の2016年6月号より本連載が始まりました。

 アニメ化に際して「純愛サイコホラー」なる紹介のされ方をされていますが、実際の内容は「さとうさんという女子高生が、しおちゃんという小さな女の子を拉致監禁して、幸せな毎日を送ろうと日々努力を続ける」というものです。「ハッピーシュガーライフ」というタイトルどおり、掛け値なく純粋で幸せな愛を語る側面と、それを達成するために犯罪も辞さない恐ろしくダークな側面と、その2面性が極めて特徴的な尖った作品になっていると思います。かなり人を選ぶ作品だと自分は思っていましたが、幸いにも連載開始直後から大きな反響が得られたようで、とりわけ新しい百合作品の期待作としても評価されているようです。

 作者の鍵空さんは、これ以前にもJOKERを中心にいくつかの連載や読み切りを手掛けています。JOKERでは、2011年に1年ほど連載された「カミヨメ」が初連載で、これはかわいらしい作風の和風ラブコメディだったと思います。その後、2012年にはアニメTARI TARI」のコミカライズを担当したこともありました。一方でメディアファクトリーコミックアライブであの「ファンタジスタドール」のコミカライズを手掛けたこともあり、これが2013年。それ以外にも短期連載やアンソロジーの仕事はいくつもありました。

 また、それ以前まで遡れば、ずっと以前よりオリジナル創作での同人活動を続けていて、そちらではSFやファンタジー作品を多数手掛けていました。魅力溢れる多くのキャラクターとかわいいイラストはこの当時から健在で、今でもこちらでの活動も続いているようです。

 しかし、最新の連載であるこの「ハッピーシュガーライフ」は、これらすべての過去作品とは大きく作風が異なっていて、最初に読んだ時は「あの鍵空さんがこんな引き出しを持っていたのか」と非常に驚きました。それも、JOKERでの過去の連載からしばらく経っていて、原点となる読み切りから本連載までにもかなりの時間がかかっていることから、相当な準備期間というか試行錯誤もあったのかなと思っています。

 その点において、これを「百合作品」として見ると、今まで作者がこうした作品をほとんど手掛けていなかった点が特徴的だと思います。ずっと以前より作品を追いかけていた自分としても驚きで、この作品が認められてアニメ化まで到達したのは本当にうれしい。今から放送を期待してやまないですね。

2018-03-15 「ハクメイとミコチ」

kenkyukan2018-03-15

 今季のアニメから「ゆるキャン△」に「スロウスタート」、「三ツ星カラーズ」と自分の好きな作品をあれこれ紹介してきましたが、この「ハクメイとミコチ」も忘れるわけにはいきません。原作はKADOKAWAの『ハルタ』で連載中のマンガで、作者は樫木祐人。以前から一部の人にはその良さが知られた作品でしたが、アニメでその良さが大きく広まった感があります。

 「ハクメイとミコチ」は、多数の「こびと」たちの日々の生活を描いたファンタジーストーリー。主人公の「ハクメイ」と「ミコチ」を初めとして、すべてのキャラクターがミニチュアサイズのこびとで、そんな小さな存在の目線で描かれているところが最大の特徴です。普通のサイズの人間が出てこないので、本当のところはよく分からないとも言えますが、しかし周囲の草木や動物たちがみな巨大なサイズなので、やはり彼女たちはこびとなのでしょう。

 そんな小さな彼女たちが、日々あちこち出かけていく姿が、我々の目線からするとかわいらしくもちょっとした怖さもあってとても楽しい。小さなサイズなので木や石を乗り越えるだけで難作業で、時に巨大な動物や鳥に出くわしてピンチに陥ったりもする。彼女たちからするとそれも当たり前の日常なのでしょうが、わたしたちからすればちょっとした冒険に見える。そんな日々のこびとたちの活動を眺めるのがまず楽しいのです。

 ひとつひとつのエピソードもいい。何気ない日常のちょっとした楽しさ、面白さ。それを丹念に切り取ってくれて、時に本当に泣ける話も多い。アニメでもひとつひとつじわっと来るエピソードが多く、極めて丁寧に作られていると感じます。

 さらには、細かく描かれた背景から来る世界観が素晴らしい。小さなものから大きなものまで多数の道具が登場しますが、それが小さな部屋にごちゃごちゃぎっしりと描かれているとか、そうしたガジェット(小物)が好きな人ならたまらない作品になっていると思います。

 建築物や街並みの描写もいいですね。ハクメイとミコチが住む森の大楠の根元の家も情緒があって惹かれますが、何よりもこれはと思ったのが、彼女たちが頻繁に訪れる港町アラビの「積み木市場」。縦に縦に無数の家屋が連なったかのような巨大な建築物で、その雑多な賑わいに満ちた街並みの魅力に思わず見入ってしまいました。その街の一角にあるマスターの喫茶店の落ち着いた雰囲気も最高です。

 こうした雰囲気の世界観を持つ作品としては、少し前にアニメ化された「メイドインアビス」や「少女終末旅行」とも共通感があり、好きな読者も共通したところがあるような気がします。こうした作品が気に入った人なら特におすすめ。さらには、この2作品と違い、暗いところはほとんどなくほのぼのした話で満たされているので、心から安心して視聴することが出来ますね(笑)。小さなファンタジーの大きな魅力を味わってほしいと思います。

2018-03-14 百合姫でしろしさんとひそなさんの新連載。

kenkyukan2018-03-14

 先日より一迅社コミック百合姫で、かねてより注目していた作家の新連載が始まっていて、改めて注目しているところです。今までとはまた一味違う個性的な世界観や雰囲気の連載になっているのではないかと。

 まず、2月発売の4月号より始まった「Roid-ロイド-」(しろし)。アンドロイド百合SFと告知に銘打たれているこの作品、近未来でヒトとロボット共存している世界での話となっています。かねてより同人でこうした未来世界のSF、あるいはディストピア的な設定を押し出した作品をよく出していたので、いかにもこの作者らしい新連載だと思いました。

 あるいは、ここ最近Twitter上で面白い短編マンガをいくつも公開していたので、それが目に留まった可能性もあります。こちらでは、一時期Twitterで流行った石油王ネタに着想を得たと思われる「石油王JK」など、尖った作風の短編で多くの反応を得ていました。このところ、一迅社だけでなく、Twitterでの投稿マンガが商業化されるケースが増えているので、これもそのひとつではないかと思いました。

 そしてもうひとつ、今月発売の5月号より、巻頭カラーで始まる予定となっているのが「グッバイ・ディストピア」(ひそな)。こちらは、「廃墟を巡る女二人の逃避行」と告知イラストに書かれていて、廃墟という退廃的で魅力的な設定と美しいビジュアルのカラーイラストで一気に期待感が高まりました。  また、この作品の雰囲気や方向性が、かねて同人でもよく手掛けている「秘封倶楽部」の設定を彷彿とさせるところもあり、そうしたタイプの作品の商業進出なのではないかと期待しているところもあります。これは、先月のしろしさんの新連載もそうで、SF的な設定で共通したところがあります。ここに来て秘封の同人作家を続けて起用するとは百合姫ついに始まったかと大いに期待してしまいました。

 折りしも電撃大王の方では、仲谷さんの「やがて君になる」やくま(川浪いずみ)さんの「籠の少女は恋をする」も好評連載中で、こちらも秘封の同人で知られた作家陣。電撃というこれまで百合作品があまり見られなかった雑誌で、こうした作家が起用されて人気を博している点でも、大きな変化を感じていたのですが、本家である百合姫もこれに続く流れが見えるようで楽しみなところ。

 また、先月より少年ガンガンコミカライズが始まった「裏世界ピクニック」も、ふたりの大学生が怪異を探索するというSFオカルト的な物語で、こちらもまた極めて秘封的な作品となっているようで、以前から注目していました。実際に読んでみると、ふたりの赴く「裏世界」や怪異の描写が本格的で、水野英多さんの作画も実に安定していて、期待通りの作品になっているようです。こうした作品が、各所で人気を得て広く知られるようになると面白いですね。

2018-03-09 スロウスタートというエロアニメを改めて語る。

kenkyukan2018-03-09

 以前アニメ放送の開始時に語った「スロウスタート」。実際にアニメが始まってみると、その内容は期待以上でした。原作の内容を忠実に再現するのみならず、さらに魅力的な多数の演出で、非常に楽しいアニメになっています。そして最初からやたらくっつきたがるアニメかと思っていたのですが、回を重ねるごとにこのアニメの本質が見えてきた気がします。

 まず5話。メインキャラクターのひとり千石冠(かむり)が、スカートを穿き忘れて学校に来るというぶっ飛んだ展開。ちょっとどういう意味か分からない話ですが(城下町のダンデライオンにもあったとか言わない)、原作にもそのままあるエピソードで、アニメでは主人公の花名の戸惑いぶりがえらくはまっていて、より笑えるエピソードになっていました。

 そして7話。「ぐるぐるのてくび」というサブタイトルどおり、キャラクターのひとり栄依子が手首を縛られた状態で、先生の部屋に転がっているという驚きのエピソードを展開。先生(榎並先生)とのその後の会話劇も非常に面白く、高度な百合関係を存分に見せてくれました。これもまた原作で非常に印象的だった話なのですが、アニメでは声と間の面白さが加わって非常に濃いものになっていたと思います。栄依子さんはとりわけ登場が多くみなに愛されるキャラクターなのですが、これでその魅力が存分に出ていたと思います。

 さらに9話。いわゆる「水着回」とも呼ばれる回で、みんなが集まって水着になって楽しむというエピソード。原作では実際には泳ぎに行かず、部屋で水着になって和気あいあいとするエピソードなのですが、アニメではさらにシーンとキャラクターを追加。近くの室内プールへと泳ぎに行くシーンが追加され、さらにはなぜかやたらえろいエステシーンまで追加され、さらに素晴らしい内容になっていたのです(笑)。ひとつひとつのシーンやセリフもいちいちエロいものばかりで、制作者の異様な意気込みを感じることが出来ました。

 こう書くとどうかと思ってしまいますが、実際に本当に制作者のこの作品への愛、思い入れを感じる作りになっていて感心してしまいました。クラスメイトたちが多数登場する8話もそうで、数多くのサブキャラクターたちをひとりひとり丹念に魅力的に描いている。このアニメの特集記事で、「ひとつひとつの検証の積み重ねが、『スロウスタート』のあたたかみを形成する」というタイトルの記事があったのですが、まさに全力を込めてこのあたたかく優しい世界を描いている。きらら4コマの中でも、原作者の篤見さんの感性は極めて個性的なものがあると思っていますが、それを実によく再現しつつさらに魅力を高めていると思いました。とても恵まれた幸せなアニメ化だったと思います。

2018-03-08 エニックスアニメ企画大賞の話。

kenkyukan2018-03-08

 今回はかなり古い話ですが、かつて90年代のエニックスが、一瞬だけアニメの事業を始めようとしたことがあった話をしようと思います。98年に開催された「エニックスアニメ企画大賞」です。

 これは、そのタイトルどおり、アニメに関する企画の投稿を一般から募集しようというもの。そもそもエニックスは、何か新しい事業を始めるときに、こうした形で優秀な人材を公募し、それで大きな成果を挙げてきました。

 もともとのエニックスは、他の事業をマルチに運営する会社だったようですが、1982年に開催した「ゲーム・ホビープログラムコンテスト」で、当時としては(あるいは今でも?)破格の賞金総額300万円・最優秀賞100万円を掲げてゲームのプログラム作品を大々的に一般募集。これを機にゲームの制作に本格的に参入することになります。この時に多くの受賞作が出て、いくつかはそのまま商業化されて発売されました。この時に発掘されたのがあの中村光一堀井雄二で(中村光一の受賞作「ドアドア」もそのままの形で発売されています)、のちにドラゴンクエストを制作する中核メンバーとなりました。

 次いで90年には、当時すでにドラクエ4コマなどで参入していた出版事業で「エニックスファンタジーコミック大賞」を開催。幅広くマンガ作品を募集し、この時にも数多くの応募作が集まりました。この賞を受賞したのが渡辺道明西川秀明柴田亜美といった作家陣で、のちに創刊される少年ガンガンを支える優秀な連載陣となったのです。

 そんな風に、新規事業に参入する際にまず賞を開催して一般から優秀な才能を集め、それで事業を立ち上げるというのが、エニックスがやってきた優秀な方針だったと言えます。そんなエニックスが、アニメ事業に参入しようとした時に行ったのが「エニックスアニメ企画大賞」。98年に開催が告知され、翌99年に結果が発表されました。

 肝心の賞の内容ですが、「アニメ企画部門」「アニメシナリオ部門」「アニメ声優部門」「メカデザイン部門」の4部門で応募を募る大々的なもの。審査員には出崎統藤川桂介野沢雅子らが担当しました。最優秀賞の賞金も企画部門で300万円と非常に高額だったことを今でも覚えています。実際に企画部門で大賞受賞者も出て、他にも多数の受賞作品が大々的に発表されました。

 そんな風にかなり大規模な形で始まったエニックスアニメ事業参入計画ですが、しかしこれ以降の動きらしい動きはほとんどなく、事実上このアニメ企画大賞だけで終わってしまいました。実際に社内でどういう決定が下されたのか知る由もありませんが、少なくとも早期にアニメ事業参入をあきらめたことは間違いない。アニメ事業が想像以上に厳しいと判断したのか、あるいは優秀な人材が思ったほどには集まらなかったのか。もしこの時点でアニメ事業に本格参入していれば、のちのスクエニ作品のアニメ化を自社でやっていたことも十分考えられるわけで、それはそれでもしかしたら楽しかったかもしれないな・・・とちょっと想像してしまいました。

 ただ、唯一「アニメ声優部門」において、のちに活躍する新人声優を何人か発掘したのが、わずかな成果だったと思います。この時に賞を受賞した声優志望の方では、まず野川さくらさんがいました。声優部門での大賞受賞で、最も大きく取り上げられていたことを今でも覚えています。

 もうひとり挙げるとすれば今井麻美さんでしょうか。のちにアイドルマスター千早役で一気に人気を得ることになりますが、実はこのエニックスアニメ企画大賞の出身。アイドルマスターでの活動を始めたのが2005年と随分と後のことだったので、あれこんなところで・・・とその名前を聞いて驚いた記憶がありました。ちなみに受賞直後のデビュー作は、あの「刻の大地」のドラマCDだったりします。

2018-03-02 架空の地方都市から実在の舞台へ。アニメ・マンガ・ゲームにおける舞

kenkyukan2018-03-02

 前回の日記でも最後で少し語りましたが、昔のアニメでも実在の場所を舞台にした作品はありました。しかし、それ以上に、日本を舞台にしたアニメでは、架空のありふれた場所を描く作品も多かったと思うのです。それも、どこか平均的な地方都市の街並みを描く作品は多く、それがひとつの主流だったかもしれません。これは、アニメだけでなくマンガやゲームでも共通していました。

 これについては、かつてあの押井守が次のような発言をしたことがありました。

 「アニメーションというのは不思議なもので、「ここはどこだ」とはっきり言わないと、大体「そこは東京である」と思っちゃうんです。」

 これは、すなわち東京という街が、日本の首都で最大の都市というだけでなく、それが日本の平均的な街の姿でもあって、そうした街をアニメやゲームで描こうとすると、必然的に東京(的な光景)になってしまうと、そう言いたいのだと思います。つまり、マンガやゲームに登場する「架空の地方都市」というのは、「東京的な現代日本の象徴」とも言える舞台であった。だから、架空の都市でなければならない。かつては、そうした作品の方が一般的で、どこかその地方の住人にしか分からない場所を描くよりも、日本全国どこの視聴者にも伝わりやすい場所を描く方が、無難な制作方針という判断があったのかもしれません。

 (なお、これは何もコンテンツに限らず社会全般に関する問題でもあり、すなわちかつて多くの地方都市が、活性化のために東京をモデルにした街づくりを行った結果、「東京の縮小版のような個性に乏しいありふれた地方都市」にしかならなかったという失敗をも含んでいるような気がします。これはこれで色々語りたいところですが、今回のテーマからは外れますのでいずれまた書きたいところです。)

 ただ、そんな中で、その東京だけは実在の場所として作中の舞台として設定されることは多かったと思います。すなわち、日本の平均的な街並みを代表する存在で、かつ全国の視聴者に知られた圧倒的に知名度の高い場所として、東京だけは舞台になることを許されたということでしょう。

 加えて、東京という街が、現実でありながらどこか非現実的な未来都市のようなイメージを有していることも、SFやファンタジー作品の多いアニメやマンガ、ゲームで舞台に採用されるひとつの理由になっていたかもしれません。「女神転生」シリーズなどはその代表で、東京の幻想的なイメージをそのままゲームの世界観に採用した好例だと思います。

 しかし、時代は変わりました。特定の舞台をクローズアップして取り上げるタイプのアニメがヒットしたことをきっかけに、いわゆる「聖地巡礼」という楽しみ方が広まり、今となってはすっかり定着した感があります。「らき☆すた」から「たまゆら」「ガルパン」、そして「君の名は。」「この世界の片隅に」。「らき☆すた」の頃はまだマニアックなオタク向けの趣味だったかもしれないが、今となっては一般にまで幅広く浸透しテレビで取り上げられるまでになりました。それによって、制作側でも特定の場所を舞台に設定し、実在の場所を詳細に描く作品がもはや当たり前になりました。

 この変化は、基本的には非常にいい方向への変化であり、「必ず東京になってしまう」ような個性に乏しい架空の地方都市を描くよりも、その地域ならではの特色に満ちた場所を積極的に描く方が、ずっと面白くなったと思うのです。これが地方の魅力の再発見に繋がり、地方の活性化に貢献するきっかけになるなら幸いですね。

2018-03-01 今季のアニメの舞台を振り返る!

kenkyukan2018-03-01

 ここ最近、聖地巡礼が広く浸透したからか、アニメ制作の側でも、意識して作中で特定の舞台を描く作品が増えているような気がします。明らかに以前より舞台を設定するアニメが増えているという調査結果もありますし、今季のアニメだけを見ても、「ゆるキャン△」(山梨静岡長野各所)・「宇宙よりも遠い場所」(館林)・「りゅうおうのおしごと!」(大阪)・「博多豚骨ラーメンズ」(博多)・「三ツ星カラーズ」(上野)・「citrus」(豊洲他都内各所)と、目立つものだけでも枚挙に暇がありません。

 まず、舞台の描写という点では、「ゆるキャン△」は真っ先に挙げるべきでしょう。もともと、原作の時点で、実在する場所が多数登場することに感動し、アニメでもその描写に期待していたのですが、実際に放送が始まると期待以上でした。キャンプ地に広がる美しい光景が、徹底的に緻密に描かれていて本当に素晴らしい。舞台の中心となる身延町を初めとする街並みや駅の描写にも余念がないですね。

 「宇宙よりも遠い場所」も、舞台の描写にかなり力を入れています。主な舞台は群馬館林で、館林駅や最寄りの茂林寺前駅、駅周辺の各所が幾度も登場。さらには主人公たちが序盤に赴く新宿歌舞伎町や、南極へ向かう途中の寄港地であるシンガポールフリーマントルなど、現実の舞台の魅力をダイナミックに描いていこうという姿勢が強く感じられます。

 「りゅうおうのおしごと!」は、将棋がテーマの作品ですが、舞台は大阪棋士たちの本拠地となる関西将棋会館を初めとする大阪の各所が、やはり極めて積極的に描かれています。地元密着というか各所で大阪下町の庶民的な雰囲気が出ているのもいいですね。

 さらに意識的に地方の舞台を描いているのが「博多豚骨ラーメンズ」。タイトルどおり博多天神中洲博多駅前などの有名どころのカットが次々と登場。現実の場所をそのまま詳細に描こうというコンセプトが強く感じられ、極めて直接的な舞台描写になっていると感じます。

 「三ツ星カラーズ」の舞台となる上野描写も素晴らしい。雑多で賑やかな活気に満ちたアメヤ横丁の商店街や、四季折々の自然の姿を見せる上野公園の緻密な描き込みに目を奪われます。「子供たちが上野の街を守る」という作品のテーマもあって、この作品の舞台描写への力の入れ方もすごい。これを見て思わず上野に行きたくなりました(笑)。

 「citrus」も舞台は都内でこちらは豊洲近辺が中心。主人公が豊洲のマンションに住んでいるという設定で、有楽町線豊洲駅の入り口の他、ショッピングセンターららぽーと内部の様子が頻繁に登場。また6話においては、靖国近辺から京成上野駅まで主人公2人が自転車の二人乗りで爆走するという超展開を披露(笑)。奇しくも三ツ星カラーズと舞台が一瞬かぶってしまいました。

 他にも変り種として「スロウスタート」の軽井沢、「刀使の巫女」の岐阜羽島鎌倉などもあります。とにかく実在の舞台を見せる作品が一気に増えた印象が強いですね。

 これまでも、どこか現実の場所をモデルにする作品はいくつもありました。しかし、ここ最近は、単に背景のモデルにするだけでなく、特定の舞台を設定してその場所を詳細に描くタイプの作品が、ひとつのトレンドになっているような気がします。「たまゆら」や「ガールズ&パンツァー」のような舞台探訪ブームを起こしたアニメのヒット、さらには「君の名は。」や「この世界の片隅に」など一般にも広く聖地巡礼が浸透した作品の影響は、かなり大きいものがあったと見ています。

 個人的には、昔はよく見られた個性に乏しいどこにでもあるような架空の地方都市よりも、こうして各地域の特色を積極的に描く作品が増えたことは、非常にいい傾向だと思っています。これが地方の活性化にも貢献する一助となれば幸いですね。

2018-02-23 「ハナヤマタ」がここに来て最終回・・・?

kenkyukan2018-02-23

 先日、きららフォワード公式からあの「ハナヤマタ」の連載終了が告知され、これには大いに驚いてしまいました。かつてのアニメ化からはもう随分と時間が過ぎてしまいましたが、しかし原作の連載はいまだ堅調で、まだまだ続くかと思っていただけに意外としか思えませんでした。

 「ハナヤマタ」は、2011年きららフォワードで始まった連載で、”よさこい”に挑戦する部活動を立ち上げた女子中学生たちの日々の活動と楽しい日常を描く作品です。スポーツや文化活動に取り組む女の子たちの活動を描く作品は、ここ最近のフォワードでひとつのトレンドになっているようですが、それはこの作品のヒットもひとつのきっかけとなっているかもしれません。主人公のなるや金髪少女のハナを始めとする個性的で魅力的なキャラクターの数々、制服に着物を羽織って踊る女子中学生ならではの華やかさ、ひとつひとつ課題を乗り越えて仲間を増やして活動を進めていく展開など、非常に面白い作品だったと思います。浜弓場双さんの描く女の子のかわいさ、絵の巧みさも大きなポイントでした。

 さらに、2014年に放送されたアニメの内容が秀逸でした。原作の双さんの絵柄をかなり忠実に再現し、やや駆け足ながら当時の原作5巻までひとつひとつのエピソードを丁寧に描いてくれました。舞台となる鎌倉湘南を描いた背景の美しさも素晴らしいところで、あるいは印象的な歌詞のOP/EDも非常に心に残りました。

 個人的な好みでは、きらら作品では日常コメディの方が好きなのですが、この作品はどういうわけかそれ以上にひどくはまりました。活動を進めるに際してシリアスな重いエピソードも通過するものの、あまり重くなりすぎずに解決して前に進むスタイルが気に入ったのかもしれません。部活動ものではありますが、決して厳しすぎる活動ではなく、楽しい日常的な活動を丁寧に綴っていくコンセプト。このあたりはきららならではだと思います。(あと、単に双さんの女の子がエロかわいいというただそれだけの理由もあるかもしれない。)

 それと、アニメ放送に際して聖地巡礼まで行ったのも、自分にとって心に残る思い出でした。鎌倉湘南を舞台にした作品は、他にも数多くあるのですが、このハナヤマタアニメはとりわけ印象的で、放送中に番組で描かれた場所の多くを1日で回ったのです。暑い夏の日だったけどとにかく楽しかった。とりわけ、アニメOPカットの遠くに海を見下ろす七里ヶ浜の坂の上に辿り着いた時には、ひときわ感動してしまいました。あの有名な鎌倉高校前駅の踏み切りも、この巡礼で訪れた時が一番印象深いです。

 もうひとつ、アニメよりはるか以前の連載初期、当時とらのあなで刊行されていた無料誌「とらだよ。」で連載されていたキャラクターのコスプレイラスト企画「はなやまた」も思い出深いところです。様々なコスチュームや世界各地の民族衣装のピンナップ写真といったコンセプトで、この頃からカラーイラストが非常に美しかった(のちに画集「華画数多」にも収録されています)。今となっては「とらだよ。」も休刊して久しく、かつての懐かしい思い出となっていますね。

 現在では、双さんはきららキャラットでも「おちこぼれフルーツタルト」を好評連載中で、「ハナヤマタ」終了後はこちらの方に力を入れるつもりなのかもしれません。しかしやはりこの名作が終了するのは非常に残念。ストーリー的にはまだまだ続けられると思いましたし、願わくばもう一度アニメも見たかったと思いますね。

2018-02-22 博多豚骨ラーメンズ!

kenkyukan2018-02-22

 このサイトは一応スクエニのマンガが中心のはずなのですが、最近は他社の作品に半ば興味が移っており、またスクエニも一時期の盛り上がりからは少し遠ざかった印象があり、アニメ化作品も一時期に比べれば減っていて少々寂しいところです。今季もスクエニ純正の原作アニメはないのですが、ただ他社のコミカライズスクエニ雑誌で連載している作品がふたつあります。ヤングガンガンで連載中の「りゅうおうのおしごと!」とGファンタジーで連載中の「博多豚骨ラーメンズ」です。

 「博多豚骨ラーメンズ」は、KADOKAWAメディアワークス文庫2014年から刊行されている小説。現在8巻まで巻を重ねています。Gファンタジーでのコミカライズ2016年から始まり、最初のエピソードは全2巻で終了。現在はその後の2番目のエピソードを「第2幕」と称して連載中となっています。エピソードごとに巻数がリセットされる形式は、以前に同誌でコミカライズされた「デュラララ!!」のスタイルを踏襲しているのかもしれません。

 タイトルからするとまるでグルメ小説のようにも思ってしまいますが、実際には博多の裏社会で活動する殺し屋たちの活躍を描いた物語で、多くのキャラクターたちの動向が同時進行で進むいわゆる「群像劇」のスタイルを呈しています。これらの要素は、先ほどタイトルを挙げた「デュラララ!!」とも共通したところがあり、同じメディアワークスの作品ということで、過去にはコラボレーション企画が組まれたこともありました。

 アニメでもそのスタイルをうまく構成しており、各キャラクターたちの動向を見ているだけで楽しい。中心となっているのは博多で表向きは探偵を営んでいる殺し屋の馬場と、妹を殺された復讐のために活動する殺し屋・林のふたりですが、そこに東京の殺人請負会社から左遷された気弱な元高校野球投手・斉藤、ネットカフェ本拠地に情報屋を営む榎田、復讐を請け負う稼業を営む「復讐屋」のジローとその助手ミサキ、彼の知人である「拷問師」のホセ、美容クリニックの院長だが裏稼業は死体の処理を行う「死体屋」の佐伯、中州のクラブのホストだが本業はスリの大和(やまと)、さらには刑事でありながら殺し屋とも通じている重松、ラーメン屋(屋台)の店主ながら殺し屋の仲介役を務める剛田と、まさに個性派揃い。そんな彼らの独自の活動がやがて結び付いていき、ついにはみなが馬場と林に協力する形となりひとつの事件の解決へとつながる。この最初のエピソードの構成の巧みさには思わず引き込まれてしまいました。

 加えて、現実の博多の街を詳細に描いているのも大きなポイントで、アニメでは天神中洲、福岡駅前など博多の有名どころのカットが頻繁に登場、その街並みの詳細な再現に大きく力を入れていて、これも大きな魅力になっています。最近では聖地巡礼の定着からか、具体的な現実の舞台を設定してその背景を意識して描くアニメが増えているようですが、この「博多豚骨ラーメンズ」の力の入れ方は特にすごいと思いました。

 また、グルメ作品ではありませんが、「豚骨ラーメンズ」のタイトルどおり、要所でラーメンを食べるシーンも登場。上で述べた中州の屋台は多くのキャラクターたちが訪れる場所でもあり、彼らにとって情報の収集場所であると同時にひとときの憩いの場にもなっているようです。

 殺し屋たちの活動ということで頻繁に人が殺され、あるいは直接的な暴力シーンや犯罪の描写も幾度も登場するなど、そこで人を選ぶところはあるかもしれませんが、しかしストーリー自体は非常に面白いと思います。また、裏社会の暗い部分だけでなく、博多の明るい街並みやグルメ、野球などの娯楽要素もバランスよく加味され、そこにも大きな魅力を感じました。アニメで興味を持ったら原作やコミカライズにも触れてみてはどうでしょうか。

2018-02-17 「ゆるキャン△」のヒットで「あんハピ♪」再評価の流れが・・・?

kenkyukan2018-02-17

 このところ、一部のファンの間で、なぜか「あんハピ♪」のアニメがえらい盛り上がっていて、なんだか再評価の流れでもあるのかなと思いました。もともと非常にいいアニメだと思っていましたが、ここに来ての話題は、今放送中で大きな反響を集めている「ゆるキャン△」のヒットの影響もあるのかなと思っています。どうもこのふたつの作品、様々な点でちょっとした共通感があるようなのです。

 「あんハピ♪」は、きららフォワードで2013年より始まった連載で、約2年前の2016年の春にアニメ化されました。対して、「ゆるキャン△」もきららフォワード2015年より開始された連載で、まず掲載誌が同じと言うだけでも共通性があります。

 「あんハピ♪」のストーリーは、数々の不幸の業を背負ったとされる少女たちが、天之御船学園という学校の1クラスで、幸福になるためのカリキュラムを受けるというもの。こんな風に説明するとなんとも怪しいイメージも受けるかもしれませんが、実際には学校で行われる特別授業は、大抵はぶっとんだ内容で、ときにテーマパークのアトラクションを思わせるような面白さもあり、まず明るいギャグコメディとして存分に楽しめる内容になっています。これは、アニメ化に際して大幅に強化され、原作の持ち味を生かしつつもより大胆になった数々の仕掛けで大いに盛り上がりました。

 さらに、それに加えて、不幸や不運だとされるキャラクターたちが、明るく前向きに数々の難関カリキュラムに挑戦する姿から、幸福な生き方の指針を読者に提示するようなテーマもあります。特に、主人公だとされる生徒・はなこ(花小泉杏)は、日々不運の連続で、傍から見るとひどい目に遭っているように見えて、しかし彼女自身は決して不幸だとは思ってはいないようなのです。あくまで前向きにポジティブに捉え、「わたしは幸せだよ」と言い切る明るさを持っている。アニメで彼女の姿に感銘を受けた視聴者は、とても多かったと思います。

 そして、このような明るく幸せを追求するテーマが、今放送している「ゆるキャン△」と共通しているような気がします。こちらはアウトドアでのキャンプ活動を描いた作品で、「あんハピ♪」のような屈折した設定ではありませんが、ゆるく過ごすキャンプならではの楽しさをストレートに描いており、やはり屈託なく楽しさを追求するキャラクターの日々の姿が、幸福感に満ちています。とりわけ、主人公のひとりだと思われるなでしこ各務原なでしこ)は、普段の行動が「あんハピ♪」のはなこを彷彿とさせるところがあり、どちらも天使のような人の良さを見せています。

 また、このはなことなでしこ、どちらもキャラクターボイスを担当する声優花守ゆみりで、そこで共通感を覚えた人も多かったようです。「あんハピ♪」のはなこの声は、その良く通る澄んだ明るいかわいい声で、強烈な印象を残していたのですが、それが「ゆるキャン△」のなでしこでもまた再現されているかのようです。まさに天使の声!

 そんなわけで、今大きな話題となっている「ゆるキャン△」を観てはまってる方には、是非とも「あんハピ♪」も観てほしいとおすすめしておきます。なお、「あんハピ♪」と作風で共通感のあるのは「ゆるキャン△」ですが、制作スタッフ的には、どちらもSILVER LINK.でこちらも今放送中の「三ツ星カラーズ」とも共通していたりします。SILVER LINK.は、こうした日常系というかコメディの作り込みに強烈なこだわりを感じますね。