スペインの首都マドリードの南約48km、マドリード州南部の都市アランフエスにあるスペイン王室の宮殿(離宮)。ホアキン・ロドリーゴ作曲の「アランフエス協奏曲」で知られるこの宮殿は、1561年、当時のサンティアゴ騎士団長が所有していた宮殿の跡地に、フェリペ2世によって建設が命じられ南塔と礼拝堂の建設が行われたが、王宮の建設が始まったのは17世紀半ばで、その完成は18世紀に入ってからだった。その後、拡張が行われたが、たび重なる火事に見舞われ、何度も修復を繰り返しながら今日に至った。現在の王宮の建物は1778年に修復されたもので、バロック様式とルネサンス様式が調和した美しい建物で、タホ川に沿って、彫像のあるバルテレ庭園、噴水が配置されたイスラム庭園、英国式のプリンシペ庭園(王子の庭園)など、多彩な庭園がある。