※ネタバレあり 【あらすじ】 ウィーンで女優の妻とともに優雅に暮らす公証人バルトーク。自信にあふれ、誇り高い男。音楽と文学をたしなみ、美食と舞踏を楽しむ毎日を送っている。 1938年、ナチスがオーストリアに進軍する。高を括っていたバルトークだが、ホテルの一室に監禁されてしまう。ナチスの狙いはバルトークが管理する貴族の莫大な財産だった。銀行口座の預金番号は、バルトークの頭の中に仕舞われていたのだ。 ナチスの将校ベームのやり方は、洗練されたもの。直接には手を出さず、何もない部屋に閉じ込め、じわじわ心理的に追い詰めていく。 しかし、バルトークは、口を割らない。 ひょんなことで、バルトークは、一冊の本…