(独:Sturm und Drang)
18世紀後半にドイツで見られた革新的な文学運動。ドイツの劇作家であるフリードリヒ・マクシミリアン・クリンガーが1776年に書いた同名の戯曲に由来している。古典主義や啓蒙主義に異議を唱え、理性に対する感情の優越を主張し、後のロマン主義へとつながっていった。代表的な作品として、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの史劇『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』(1773年)や小説『若きウェルテルの悩み』(1774年)、フリードリヒ・フォン・シラーの戯曲『群盗』(1781年)や悲劇『たくらみと恋』(1784年)など。
ドイツ語由来の言葉で、英語では「Storm and Stress(Storm and Urge)」。日本語では直訳すると「嵐と衝動」となるが、ドイツ文学者、高橋健二が「疾風怒濤」という和訳を考案して日本に紹介した。