「オデュッセイア」の登場人物の一人。オデュッセウスとペネロペの息子。
母親とともに父親の帰国を待っていたが、女神アテネの導きにより父を捜す旅に出る。 いろいろあってイタケーに戻ってきたオデュッセウスと再会、父子で計略を巡らして母に言い寄っていた連中を始末してハッピーエンドを迎える。
こんにちは。冨樫純です。 倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。 そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。 タイトル ゴドウィンの過激な主張 ゴドウィンは、のちに大きく考え方を改めることになるのだが、主著『政治的正義』を発表した当初は、ある人が自分の家族や友人であるという理由からその人を優先することは許されないと強く主張していた。 ゴドウィンが用いたフェヌロン大司教のケースを 紹 介しよう。 フェスロン大司教のケース 火事の建物に二名の人が閉じこめられており、いずれか一人しか助け出せない状況にある。そのうちの一人は、名著『テレマコスの冒険』 …
夜の一時半にCDで聴いた、キャロル・キングの『つづれおり』が良かった。あのジャケットに写っている猫の名前が「テレマコス」であることを、わたしは知っている。つぶグミがコンビニで売っていなくて困った。でかい川に沿ってゴルフをやっている人たちがいて、これじゃあ池ポチャどころか川ズボだ、と感じた。杖をついた老人が電車に乗ってきたため列車の端の手すりのある場所を譲ったら、怪訝な顔をされた。自らの老いを認めそれに対する他人の気遣いを受け入れる老人と、自らの老いを認めたくない老人がいるのかもしれない。けっきょくその老人は手すりのそばに来ることなくわたしの提案を断った形になったのだが、そのときに近くに座ってい…
日程:2024年2月12日(月) 配信:20:00-21:00 場所:図鑑カフェFumikura 今日は、年始よりLPTブログで大型特集を組んだ新作香水、ペルソンヌのご紹介をします。一つの作品にフォーカスしてご紹介するMeet LPTVは初めてですが、ブログでは書ききれなかった事を中心にお話します。 1. オリビアさん2023年12月来日 2. オリビアさんは何をしていた人か 3. Attache Moi 4作紹介 4. ペルソンヌ誕生 5. オデュッセイアあらすじ 6. オデュッセイアを読んだ感想 7. 8つのアコード 8. 香水・ペルソンヌ 9. ペルソンヌの調香師、アレクサンドル・ヘルワ…
You can also read this magnificent interview in English : スーレマントのオリビア・ブランズブールが主宰するアートプロジェクト、ICONOFLYの新コレクション、レジャルダンプロミ。その第一弾として登場した、オデュッセイアに登場する草木を香りという形で召喚した叙事香、ペルソンヌ。フランス文化庁から白羽の矢が立ったオリビアさんが依頼したのは、古代香に情熱を注ぎ、自らも香りの深堀りエンサイクロペディア、The Perfume Chroniclesを運営する独立系調香師、アレクサンドル・ヘルワニでした。ヨーロッパではニッチフレグランス最大の見本…
最近、どんどんドラマや映画を見られなくなっているように感じます。村上春樹の名言と認識している言葉で、「時のふるいにかけられていないものに目を通す暇はない」みたいな言葉があった気がしたのですが、そんな感覚で「出来の悪い造り物を摂取しても、何も心が動かないな」とすごい感じるのです。もっというとゲームはよりできなくなってしまっていて、けがで入院しているときにあんなにハマって好きだった『サクラ大戦』の新作がPS4で出た時も2話くらいでできなくなってしまたし、メンヘラ期に癒されていた『どうぶつの森』も、大学に行けなかった1年生の一年間ずっと引きこもってやっていた『風来のシレン』もできなくなってしまったの…
「キュプロクスよ、おぬしはわたしの名を知りたいというのだな…わたしの名は『誰もおらぬ』という。母も父も、仲間の誰もが、わたしのことを『誰もおらぬ』と呼び慣わしているのだ」 ―ホメロス「オデュッセイア」第9歌、353-370(松平千秋訳、岩波文庫) 三つ子の魂とギリシア神話と日本 ペルソンヌとは 8つのアコード 香水・ペルソンヌを知る 三つ子の魂とギリシア神話と日本 欧米と日本の「文化の違い」を最も感じるもののひとつ、ギリシア神話。八百万の神から生まれた日出処の民である日本人には、かなり遠い世界ですが、エンタメに咀嚼された形ではお茶の間でも頻出しており、マーベル映画の超人にしたって、武器ひとつと…
さて20世紀文学の金字塔に挑むことにしよう。 表層は「若い芸術家の肖像」の続き。アイルランドを出ることきめたディーダラスはその2年後にダブリンに戻っている。以後、1904年6月16日という凡庸な日(しかしジョイス自身には重大な日)を朝から深夜まで詳しく書いていく。この「現在」はどうやらホメロス「オデュッセイア」と対応しているうえ、学芸・色彩・象徴・技術・神話的対応などの厳密なプログラムがあるという。それはジョイスが「計画表」に記載している。なるほどそこから一言一句ごとの厳密な註解を研究者が作り、ジョイスのプランを明らかにしようとするわけだ。素人である俺は、表層をトレースするくらいの軽い気持ちで…
アイルランドはケルト人の国です。イングランドのヘンリー2世の時にイギリスに併合されて、それからイギリスの支配を受けることになりました。キリスト教は5世紀に、聖パトリキウスによってもたらされました。英語では聖パトリックと言いますね。聖パトリキウスは布教にあたり、在地のドルイド教を排斥するのではなく、ドルイド教とキリスト教が融和するように務めました。その際ドルイド教の神々は「妖精」ということになりました。こうしてアイルランドは現代まで続くファンタジーの源流のひとつになりました。アイルランドで有名なのはアイルランド文学ですね。アイルランド文学の最初はジョナサン・スウィフトでしょう。『ガリバー旅行記』…
2023/10/23 ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ I」(集英社文庫)7.8 文体パロディの始まり。内面描写よりも言葉遊びに関心が移る。 1922年の続き 「II」で訳者の一人、永川玲二(この人はグレアム・グリーンの訳者(「情事の終わり」)として名前を知っていた)が「ダブリン気質」という解説を書いている。とてもコンパクトなアイルランド史。有史以前の歴史は、 田中仁彦「ケルト神話と中世騎士物語」(中公新書) 1995年が参考になる。島国だったので、ローマもなかなか入り込めず、そのためにケルト文化が残された。侵略ではなく布教でヨーロッパとつながった(これは日本もそうだと解説者が言っている)のだ…
オデュッセイア (西洋古典叢書) 作者:ホメロス 京都大学学術出版会 Amazon 2023/4/17~5/24(計21日) 23/4/17月 第1歌 山本直樹『ありがとう』の序盤みたいな設定。父が長らく家を空けているうちに、女を狙って男どもが我が物顔で家を占領し、子供は困り果てている。オデュッセイアが元ネタだったのか。 4/18火 中務訳が言うほど読みやすくなかったので、岩波文庫の松平訳の第1歌序盤を少し読んでみた。うーん……文章に限っていえば、これら2つの訳は、現代性も、古めかしさ(格調高さ)もさほど違いがない気がする。ただし、中務訳は注が巻末ではなくすぐ下にあるため参照し易いのは大きな利…
言語というものは面白いもので、細胞に膨大な遺伝子の記録が詰まっているように、言語にも人の記憶が詰まっているようである。 たとえば山本七平はヘブライ語で聖書を研究することで、日本人とユダヤ人の違いを深く知り、日本人についての多数の論考を残した。 アイルランドの作家ジョイスは故郷のゲール語を用いず、英語で小説を書いた。それが『ユリシーズ』で、ヨーロッパの古典中の古典『オデュッセイア』を下敷きに、オデュッセウスの10数年の地中海の旅をダブリンでの一日の徘徊に、英雄オデュッセウスをしがない広告取りのレオポルド・ブルームに、オデュッセウスの息子テレマコスを作家志望の青年スティーブン・ディーダラスに、貞淑…
オデュッセイア 下(ホメロス) (岩波文庫)作者:ホメロス岩波書店Amazon 後半はオデュッセウスが故郷イタケへ帰ってからの話。 屋敷では、妻ペネロペイアへの求婚者たちが好き勝手に飲み食いをして、財産を食い潰している。 オデュッセウスはひとまず乞食に身をやつし、彼らに近づき機会を窺うとともに、使用人たちの素行を調査する。 ペネロペイアを賭けた弓競べが行われたとき、オデュッセウスと息子テレマコス、さらに忠僕の豚飼いと牛飼いは、無勢ながら女神アテネの助勢もあって、求婚者たちを皆殺しにする。 不忠の女中たちは、死骸の後片付けの手伝いをさせられた後、きれいな死に方では死なせたくないというテレマコスの…
オデュッセイア 上(ホメロス) (岩波文庫)作者:ホメロス岩波書店Amazon トロイア戦争後のオデュッセウスの帰国譚である。 戦争でたおれた者もあり(アキレウス)、帰国を待たずに自殺した者もあり(大アイアス)、帰国途中に海で神にうたれた者もあり(小アイアス)、帰国後に妻の不倫相手に殺された者もある(アガメムノン)が、オデュッセウスの場合にはポセイドンの怒りを買ったために、イタケに帰り着くまで10年の歳月を要した。 主人公はオデュッセウスであるが、彼が登場するのは第5歌(全24歌)からである。物語は、彼が不在のイタケから語り起こされる。 彼の屋敷には、妻のペネロペイアに求婚する男たちが集まり、…
20230505@楕円堂 『パンソリ群唱』(演出・作・音楽監督:パク・インへ) 済州島に伝わる神々についての民話を題材にした創作劇と言っていいのだろう。「家の神々の起源譚」とのことだが、それはいわば種明かし的なオチであって、メインとなるのは家族の離散と再生の物語。 それが、「一人の歌い手が、太鼓プクのリズムに乗せ、独特の節回しで喜怒哀楽を語る朝鮮の民俗芸能」であるパンソリを発展的に拡大した形式で提示される。ここでは歌い手は6人に、楽器奏者は2人に拡大されている。使用楽器も太鼓以外の打楽器があり、撥弦楽器がある。歌い手たちはユニゾンで歌うだけではなく、ハモりを効かせた合唱を披露する。 モーツァル…
美なるもののすこぶる厄介な特質として、その鑑賞の対象が鑑賞者にとってあたかも自分の事のように感じられてしまうという点があると思う。美しいものは、あくまで主観に、観る/聴く…人の内部に火焔を生じる。簡単に言えば、憧れを生むのだ。そして、憧れはいつも身の程知らずで、尊敬と軽蔑を同時に自覚する。破廉恥な放埓漢が、不釣り合いにも極上の女を望むように。或いは、14歳の少年がヴァン=ヘイレンに憧れてギターを手に取るように。ギターに限らずとも、本当に優れた演奏者は精緻な技巧をいとも簡単に演じてみせることで聴衆の情欲を掻き立てる。美人に限らずとも、何かしらの美徳を兼ね備えた人物はその像を原型とする表象を多くの…