時代とともに価値観は変化し、時代が芸術を生み出していく。大吉原展の開催に合わせて、主催者である東京藝術大の日比野克彦学長と大吉原展学術顧問の田中優子法政大名誉教授が対談。日比野氏は「アートは人が持つ情緒をもとにしながら、社会とともに浮かび上がる」と説き、田中氏は「負の歴史も、そこで生まれたアートも現実だ」と語る。 「大吉原展」について対談する田中優子さん(左)と東京藝術大の日比野克彦学長 ◆「アートとは、人間が常に自然と関わろうとする何か」 田中 芸術やアート全般をどう捉えているか。 日比野 アートとは、人間が持っている情緒がもとになっている。一人一人の感情が社会の中にあり、その時代折々の環境…