黄飛鴻

映画

黄飛鴻

うぉんふぇいほん

黄飛鴻ウォン・フェイホン〕。Wong Fei-hung。中国、清代末期の武術家。広東省南海県、1847〜1924(25?)。槍術の李書文や、八卦掌(・孫式太極拳)の孫禄堂と並ぶ、実在の神技つかい。

父親の黄麒英〔ウォン・ケイイン〕も飛鴻同様、「医者」で「武術家」だった。

南派少林系の洪家拳をベースに梅花拳や形意拳諸派を数多く習得し、武術研鑽に余念が無かった。「無影脚」と「十字拳」の使い手として知られ、これらによって無敵で、しかも志が高潔無比であったため敵対した相手にも感銘を与え、武術界では絶大な信望を集めていた。正しいと信ずる所を貫く所があり、李鴻章西太后孫文にも意見した(というのは後のフィクショナル部分だとしても、それに近い政治活動は実際おこなっていたようだ)。

10代末に父の死を迎え、漢方薬局&武術道場である「寶芝林」を継ぐ。この「宝芝林」がそこそこ成功していたので、地方のちょっとした素封家のようになっており、リーダーたるものとしての素養を身に着けていった。

中国香港人には絶大な人気で、1949年から続々製作された映画は勿論、新聞連載やパルプ・フィクション小説、ラジオ。ドラマ、テレビ・シリーズ…等々、何百と黄飛鴻を主人公としたドラマが製作されている。

リー・リンチェイ(=ジェット・リー)&ツイ・ハークによって作られた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』のシリーズが身体操術もワイヤーアクションも傑出しており、最も格調たかい(かと思われる)。

従姉妹程度の歳の叔母;十三姨(イーさん=周少君=シュークワン)と恋愛結婚するのは、シリーズの中だけの話らしく、実際には4人の妻をめとりながら、その内の3人に病死された。

弟子たちも自衛団(護勇)や日清戦争辛亥革命で活躍した。そこで喧伝されたため、今日の絶大な人気がある。

日清戦争の始まる直前は中国は世界にとって不明な脅威であり、「眠れる獅子」と称されたのに対し、獅子舞使いの黄飛鴻は「獅子王」と呼ばれ、史的感慨も催させる。