もひとつ京都市電である。下鴨本通といっても京都以外の人にはピンとこないだろう。河原町通にも市電が走っていた。それで北大路通の洛北高校前から南下して京都駅に至る路線を一般に河原町線と呼んでいた。しかし実は洛北高校前から葵橋西詰までは河原町通ではなく下鴨本通とされていて両者はまっすぐ繋がっていない。本来この二つの通は繋がっていなかったのだが戦後市電を通すに当たって葵橋を掛けて初めて結ばれたのだ。葵橋は斜めに流れる賀茂川を渡るため道を曲げざるを得なかった。このように京都の道は決して碁盤の目ではない。上記のように葵橋は当初市電の専用橋だったのがいつからか併用化され、そしてやがて市電は廃止されるのである…