海猫

映画

海猫

うみねこ

主なスタッフ

  • 監督・・・・・・森田芳光
  • プロデューサー・・・・・・野村敏哉、小島吉弘、三沢和子
  • 原作・・・・・・谷村志穂
  • 脚本・・・・・・筒井ともみ
  • 撮影・・・・・・石川稔
  • 美術・・・・・・山崎秀満
  • 編集・・・・・・田中愼二
  • 音楽・・・・・・大島ミチル
  • 録音・・・・・・橋本文雄
  • 照明・・・・・・渡辺三雄

主なキャスト

解説

それは“切れっぱしの情熱”などではない、まるで魂に杭を打たれたように結ばれる、男と女の心の軋み。

海猫の鳴き声を身の奥深く響かせながら、<禁断の愛>の炎が燃える!

北の海辺を舞台に、純愛とは何かを問う、谷村志穂渾身の原作を映像化。

究極のラブストーリー『海猫』が、今秋、銀幕に舞いおりる ― 。

あらゆるものがデジタル化されていく現代。

この時代を生きる私たちは、いつのまにか愛の質や中身までも数値化して捉えようとしてしまっていないだろうか。

イマドキの愛は、“ステイタス”や“お金”“享楽”といった夾雑物をとり込み過ぎ、計算ずくになってしまったのでは?

“愛すること”“愛されること”の意味を、今一度問い直すために ― 。

映画『海猫』は、男と女の愛のトライアングルを軸に、人が根源的に持つ“情”と“愛”と“憎しみ”を織り込みながら、魂が求め合うような愛の「純粋さ」と「美しさ」を現代に投げかける。

函館に生まれ育った薫は、北の海で生きるその逞しい男に従いていくと決めたはずだった。「おまえに俺の海を見せてやりてぇな」そう言った邦一の言葉を心に響かせ、函館から峠を越え小さな漁村に嫁いだのだ。筋肉質で浅黒く日焼けした男の「俺に、何でも任せとけばいい」の囁きは、20歳をわずかに過ぎた女にとっては、確かな温もりとして心に根づいた。だからこそ母・タミの手紙に励まされながら、1日も早く漁師の嫁になりきろうと思ったのだ。夫婦で力を合わせる昆布漁の舟に乗り、女児を産み……平穏な日々が続くかに見えた。

そこに、薫の青みがかった瞳を「海猫にそっくりだ」と言った邦一の弟・広次が現れなければ……町育ちの細っこい薫の体も潮に洗われ、いつしか浜の女に同化していくはずだった。

が、神様は、時に悪戯としか思えないタクトを振り下ろす。

「兄貴にあんたは守れねぇ」薫の瞳をまっすぐ見てそう言った広次との世界が目の前に広がった。その声に呼応するように、薫は自らの心の声を聞き、選んだのだ。逆風に羽を打たせ、果敢に冬の海へと飛び出す海猫のように ― 。

「一度だけでいい。あなたに抱かれたかった……」

はたして薫の探していたものはそこにあったのだろうか。邦一と広次、薄氷を挟んだような2人の男たちと薫の関係は、もはや戻れないレールの上を走り抜けていく。その先に待ちうけていたのは、余りにも衝撃的な出来事……。

北の厳しい風土に複雑に絡み合う人間関係、この濃密な<禁断の愛>を物語に仕立てるのは、『それから』『失楽園』『阿修羅のごとく』を世に送り出した監督・森田芳光×脚本・筒井ともみの黄金コンビ。繊細でモダンな筆致と独得のスタイリッシュな映像感覚でスクリーンを彩る。原作者の谷村志穂は、結婚に戸惑うシングル女性の心模様をシャープに切り取ったルポルタージュ『結婚しないかもしれない症候群』(90)で注目を浴び、『アクアリウムの鯨』『レッスンズ』などを発表。03年、郷里・北海道を舞台に自らの原風景を織り込んだ本作『海猫』(新潮社刊)で、第10回島清恋愛文学賞を受賞。新生・谷村志穂を印象づけた。

注目のキャストは、その清楚な雰囲気と眩しいほどの輝きでドラマやCMを席巻し、若い女性たちから熱い支持を集める伊東美咲が薫を演じる。これは今後“映画女優”としての彼女を期待する森田監督のラブコールで実現したキャスティングである。そして夫・邦一役は、人気、実力ともに常に高い評価を得る技巧派・佐藤浩市が森田組に初参加。広次役には、近年アジア映画界はもとより、舞台にも精力的に活躍の場を広げる仲村トオル。薫の母・タミには、作品ごとに女優としての深みで魅せるベテラン三田佳子。さらに、物語を現在に引き寄せて見せる薫の娘・美輝役には、月9ドラマ『ビギナー』でヒロインに大抜擢された個性派・ミムラ

スクリーンに焼きつけられるのは、息をのむ<極限の愛>。吹きすさぶ雪道の逃避行で起こりくる悲しいアクシデントが観る者の胸を揺さぶり、貫き通した愛の強さを教えてくれる ― 。

公式サイトより

ストーリー

時は、1980年代半ばの函館ロシア人の父を持つ、透き通るような白い肌の美しい娘・野田薫が、峠ひとつ隔てた漁村・南茅部(みなみかやべ)の漁師・赤木邦一に嫁ぐところから、この物語は始まる。混血の弟とともに気丈な母の元で育てられた薫は、その生い立ちと人目を引かずにはいない美貌ゆえに、函館での生活にいつも違和感と息苦しさを感じていた。ある日、薫は勤め先の信用金庫で出会った邦一の武骨でまっすぐな人柄と、街の人間にはない逞しさに惹かれ、その胸に飛び込んだのだった。そして潮の匂いに満ちた浜の暮らしが始まった。夫婦2人で小さな舟に乗り、赤木家慣わしの"昆布漁"にいそしむ日々。薫は実母のタミや弟・孝志の心配をよそに、邦一の力強く抱きすくめるような愛に包まれながら、懸命に漁師の生活に溶け込もうとし、同時に女としての性の喜びにも目覚めていく……。一方、そんな薫と邦一の祝言のあった日、どこか犯しがたい気品と海猫のような深い瞳に光を宿らせた花嫁の姿を、身じろぎもせず見つめていたのが邦一の弟・広次であった。

やがて邦一夫婦には美輝という娘も生まれ、はた目には順風の暮らしが続くかに見えたが、2人の間を少しずつ目に見えぬ何かが滑り落ちていく。呼吸を合わせて一艘の舟を操る昆布漁のような夫婦の絆に静かに亀裂が拡がっていったのは、邦一が怪我で入院した函館の病院の看護師・啓子に心を揺らせた時と微妙に重なっていた。いつからか邦一は、柔らかな薫の体の奥に壊せない"何か"を感じ取り、どこか噛み合わなくなった夫婦生活の鬱憤を仕事と函館通いで晴らすようになっていく。そんな夫との齟齬を感じつつ、慣れない漁村のコミュニティーで次第に孤独感を募らせる薫の心に寄り添うように存在したのは、美輝の出生時に偶然故郷に帰っていた広次だった。函館の工場で働くかたわら、時に教会で絵筆をとる広次は、出会いの日からずっと薫の瞳に似たマリアのイコンを描き続けていたのだ。そしてある日、ハリストス正教会のほのかな光の中で、薫と広次、2人の想いが深く交錯する ― 。

数カ月後、運命ともいえる一夜をともにした広次に、薫はひっそりとこう告げた。

「私は、一度だけ、あなたに抱かれにきたの」

たった一度きりの禁断の夜から1年後、2人目の子供・美哉が誕生したのをきっかけに、後戻りのできない運命の歯車がうねりをもって大きく回り始める。邦一の想いの痛さと迸るような広次の想いを乗せて、薫と3人の愛は、海猫の舞う太平洋を臨む崖の上で、激しくも切ない結末に向かうのだった……。

公式サイトより

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