古代の吉備国の聖域は、吉備の穴海にそって築かれていた。 古代のことを考えるためには地理のことを踏まえる必要があり、吉備もまた例外ではない。 古代の吉備において早くから高度な文化が栄えた場所は、現在の岡山市から総社市や倉敷市にかけての一帯だが、現在、沖積平野のこの場所は、古代、吉備の穴海と呼ばれる内海で覆われていた。そして、現在は内陸部であるが古代は海のすぐ傍だったところに全国第4位の大きさを誇る造山古墳(350m)や第10位の作山古墳(282m)など、主要な聖域が築かれていた。 吉備の地理において、もう一つ重要なポイントが吉備の穴海に注ぎ込んでいる三大河川であり、東から吉井川、旭川、高梁川とな…