久保田成子における「ヴァギナ」の復讐と勝利について はじめに 久保田成子と聞くと一番初めに思い出すのは、『Vagina Painting』とそれに関する久保田のオーラル・ヒストリーである。ここで、『Vagina Painting』は久保田が自らの意思で行ったパフォーマンスではないことが久保田の口から語られた。このパフォーマンスの後、久保田は自らの作品やテキストでしばしば「ヴァギナ」についての言及をするようになった。そこから、久保田にとっての「ヴァギナ」の勝利とはなんなのか?また、復讐とは何への、または誰への復讐なのだろうか?という問いが浮上した。 本論では、東京都現代美術館で開催された《Viv…