<香取神宮の拝殿と御神木> 今回は、出雲の国譲りの際、高天原から派遣された武神タケミカヅチとフツヌシの来歴と、二神を主祭神として祀る鹿島・香取の両神宮の謎について言及します。 まずは、古文献に記された祭神について確認してみます。 『記・紀』『常陸国風土記』における描写 『古事記』では、 イザナキが、イザナミから生まれた火の神カグツチを十拳剣で殺した時、その剣から滴る血が固まって「タケミカヅチ亦の名フツヌシ」が生まれたとしています。つまり、タケミカヅチとフツヌシは同一神として描かれています。 また、葦原中国平定時に最後の切り札として、アメノトリフネをそえてタケミカヅチが遣わされ、オオクニヌシから…