1960年発表の本書は、これまで「黒海奇襲作戦」など4冊を紹介した英国冒険作家ダグラス・リーマンが、今話題の東シナ海を舞台に描いた活劇。作者の本領は、小型もしくは老朽の戦闘艦が、より強大な敵と戦う姿。本書では、本来河川で運用される旧式の河川砲艦が、孤島から英国民を救出する作戦に登場する。 第二次世界大戦後、中国は共産党が支配した。いわゆる西側に残されたのは香港・マカオと、台湾である。しかしもっと細かく言うと、東シナ海の島々は共産党支配エリアに隣接して国民党支配のサンツ島があった。 ここには国民党の将軍が3,000弱の兵力で立てこもり、旧日本軍の兵器も活用して共産党軍の上陸に備えていた。島には農…