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酸素魚雷

(一般)
さんそぎょらい

酸素魚雷とは、魚雷(魚形水雷)のうち、動力機関を運転するための吸気(酸化剤)に空気でなく酸素を用いた魚雷。

概説

今の魚雷は概ね電気魚雷(電池で動く魚雷)だが、昔は内燃機関を用いていた。内燃機関は燃料と酸化剤を混合燃焼させる。大気中であれば吸気してやれば済むが、魚雷の場合は自前で酸化剤を搭載しておく必要がある。
周知のように空気というのは酸素と窒素が概ね1:4の比率で混合した気体なので、本来必要な酸素が20%しか含まれていない。そこで窒素を除いた純粋酸素を酸化剤として用いることができれば、容積は5分の1で済む計算になる。空いた容積に酸化剤(と燃料)を追加すれば航続距離が伸ばせることになるし、あるいは威力を高めるために炸薬量を増やすために用いてもよい。
加えて、排気される二酸化炭素が海水によく溶けるため、魚雷の航跡が残りにくいというメリットもあった。
このため各国の海軍で研究が行われていたが、誤爆を防ぐために充分なメンテナンスを要し、また、雷速が速すぎるため船底爆破用の磁気式の信管が使用できないどのデメリットもあり、結局実用化に成功したのは日本海軍(九三式魚雷、九四式魚雷、九五式魚雷)のみであった。

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