司馬法は、中国の代表的兵法書で、武経七書のひとつ。 斉の将軍・司馬穰苴(しばじょうしょ)によって書かれたとされる。司馬は軍政を司る官職であり、姓にもなっている。この書は、古くから伝わる兵法をまとめた「司馬の兵法」に司馬穰苴の論説を追加して「司馬穰苴の兵法」としたものと考えられている。 全部で百五十五篇あったとされるが、現存しているのは下記の五篇のみである。
【概説】 ここでは軍事思想の歴史について、特に代表的な人物とその著作、そしてその背景について簡単に説明していく。 (※著作については書籍、論文を問わず『二重鉤括弧』を使って表記する) 【古代】 まず初めに、古代における軍事思想の古典を東洋と西洋からそれぞれ一つ挙げるとすれば、東洋からは中国の孫子(孫武)の『兵法』が、西洋からはローマのウェゲティウスの『軍事論』がそれに該当するだろう。 孫子の『兵法』は紀元前の作品でありながら、古代のみならず現代に至るまでその内容が通用するとされる屈指の名著である。たとえ軍事にさほど詳しくない人であっても「敵を知り己を知れば百戦あやうからず」という言葉には見覚え…
二万人を収容する南京の貢院に各地の秀才が官吏登用を夢みて集まってくる.老人も少なくない.完備しきった制度の裏の悲しみと喜びを描きながら,凄惨な試験地獄を生み出す社会の本質をさぐる――. およそ70万余字「四書・五経」.その暗記から始まる“科挙”対策は,この世に生れ落ちる前から始まっていた.母親が使用する銅鏡の裏に刻まれた「五子登科」は,男児五人の官吏登用を祈願する霊符のシンボルであった.県試,府試,院試という3つの学校試験を経て,科試,郷試,挙人覆試,会試,会試覆試,殿試,朝考の7つの科挙試験に合格し,ようやく正式な進士となる.隋朝の文帝時代に発足した科挙制度の目的は,世襲的な貴族政治を制圧し…
論語について新たに思うことあり、考えながら書き、書きながら考え、まとめてみたい。 子罕第九に曰く 私的な解釈 なぜ礼を執らぬ 六芸ではなく技を執る なぜひとつだけ選ぶか なぜ御を選ぶのか 射の意義 古の射 射て諸侯と為る 射の廃れ 君子仁人の射ではない 戦を慎む 御の意義 御するとは 車馬を御すれば家事も御す 御で導く まとめ 子罕第九に曰く 論語子罕第九にこうある。 達巷党の人曰く、大なる哉孔子。博く学びて名を成す所無しと。子之を聞き、門弟子に謂ひて曰く、吾何をか執らん。御を執らんか、射を執らんか。吾は御を執らん。 ある村の人が言う。 「孔子は本当に偉い人だ。学問が非常に博く、名のつけようが…
<テーマ> 天武王権 <日時> 2023年9月3日(日)午後1時~4時 <会場> さいたま市宇宙劇場5階 <最初に> 「友の会」の斉藤さんから、今回の講演は日本の国の基礎をつくった天武天皇の父(天武王権)についての話であることが説明された。『日本書紀』はこの天武天皇の父を消して記述し、天武天皇の後に天皇になった高市天皇を天皇ではなく、皇子にしていることが述べられた。 次に、次回以降の講演会の予定などについて話された。次回は11月18日(土)午後1時~4時に開かれ、テーマは「天武王権とその業績」である。会場はリニューアルされた埼玉県立歴史と民俗の博物館にもどる。 今回も、13ページの資料と3枚綴…
「分不相応」という言葉がある。 その人物の役職や、立ち位置に振る舞いが合っていないということである。 分不相応というのを、僕は現在行われている仙台市議選でよく見た。 ある候補者である。 昼間は自転車に乗り、いかにも市民目線に立っているかのようにアピールしながら その夕方には、駅前で街宣車の上から有権者を見下ろしていた。 いかにも表裏比興の者といったところだ。 政治家というのは、有権者に媚びてはいけない。 もちろん、踏ん反りかえって「センセイ、センセイ」などと言われる 偉い存在でもない。国民には政治家として戦っている姿を見せることが最も 有効な戦術になるはずである。残念ながら、政治家に発信力がな…
先日、海外同門から面白い質問を受けました。「『虎の巻』はどこで見つけることができますか?」おかしみを感じつつもなかなかに味のある質問であるとも思った次第です。 『虎の巻』とは古代から中国にて代表される兵法書、すなわち「孫子」「呉子」「尉繚子」「三略」「六韜」「司馬法」「李衛公問対」の中の「六韜」第3巻目に収められている章が「虎の巻」の出典です。六韜の名の如く全部で6章ありますが、軍隊を動かすための基本的な方法論がこの「虎の巻」に書かれています。そこから転じて秘伝や奥義などが書かれた巻物を「虎の巻」と言うようになりました。私は高校の時から中国史が好きだったので、もちろん兵法七書はその頃から読んで…