大河ドラマ『光る君へ』に引用されることになるであろう『源氏物語』。この機会に『源氏』を読んでみようという方もおられるかと思います。私は『源氏物語』を読むのはちょっと面倒なので、『源氏』のネタ元のひとつ、『伊勢物語』を通読してみることにしました。『源氏』の光る君は、源氏を賜って臣籍に降下した賜姓皇族です。帝の地位を争うことなく、いち政治家として生きていく立場です。このモデルのひとりであろうと言われているのが在原業平で、父は平城天皇の皇子、母は桓武天皇の皇女という生まれでありながら、在原朝臣姓を賜って臣籍に降りました。臣籍に下った直後は政治の主流とはすこし距離があったようで、官職についた記録がない…