名鉄小牧線は今でこそ名古屋市交との乗り入れで都心への連絡がスムーズになったが、3年前までは上飯田という名古屋市の北のはずれで終点だった。かつて市電がここから中心部に伸びていたのだがそれが廃止になってからは他の路線とは孤立した存在だった。そのような不便さもあってせっかく名古屋市まで来ていながら都市間輸送の機能を果たしえずローカル線の地位に甘んじていた。車両も今は300系や市交7000系といった新鋭のものになって近代化されたが、それまでは旧型車の巣窟で吊り掛けモーターの音が最近まで聞かれた。かつての小牧線の状況を評して親しかった鉄仲間が言った。 「名鉄飯田線やな。」 言い得て妙である。 その終点の…