ただいま歌舞伎座で上演中の四月大歌舞伎! 昼夜ともに古典の名作と華やかな舞踊が並んだ狂言立てで、歌舞伎が初めての方にも見やすい内容なのではないかと思います。しかし昼夜で雰囲気はがらりと変わります。上方のドラマチックで濃厚な演目をじっくりとご覧になりたい方には昼の部を、江戸の軽やかな味わいを楽しみたい方には夜の部がおすすめです。 夜の部で上演されている「於染久松色読販 土手のお六・鬼門の喜兵衛」は、江戸の名作者・四世鶴屋南北の人気作品のワンシーンです。今月上演されるのは、土手のお六と鬼門の喜兵衛という小悪党の夫婦がゆすりかたりを画策して金を巻き上げようとする場面であります。 今月は歌舞伎界屈指の…