「宗像大島」を出たのは8時15分、雨の降りしきる中であった。これから目指すのは「対馬(厳原港)」である。対馬海峡(東水道)を横断して65マイルをほぼ一直線に走るコースを取った。中間地点に有名な「沖ノ島」があるのでせめて遠望だけでもと思ったが、雨降りしきる灰色一色の景色の中にあっては諦めざるを得なかった。「厳原港」へのアプローチは目視なら切り立った崖の様な外観の中に溶け込んで難しかった。搭載されている電子海図もなぜか「対馬」についてはアバウトでグーグルマップを別途立ち上げて再確認しながら接近した。 しかし、港の入り口付近まで来れば堤防の端に立つ大きな赤い灯標があり、赤灯標を右にして港内に入った。…