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中河与一

読書

中河与一

なかがわよいち

作家。明治30年、香川県に生れる。

早大英文科に学び、初め北原白秋の「朱欒」に短歌を投じて歌人として出立、その業は昭和9年に刊行の「秘帖」に一達成をみるが、他方で大正13年の「文芸時代」の創刊に参加し、川端康成横光利一らと新感覚派文学運動を展開する一端を担う。初期の「氷る舞踏場」「鏡に這入る女」等、新奇、変異を扱いながら、そこに醇平たるものを示しているところに小説家としての本領が存するのは、評論において「偶然の美学」の提唱となって現れた。

戦争下の恋愛小説「天の夕顔」は代表作として知られたが、戦後は毀誉褒貶のはげしいなかを執筆活動の衰えることなく、九十八歳の長命を保って平成6年に歿。