本探索1478で、第一書房の長谷川巳之吉と『暮しの手帖』の花森安治がともに伊藤(伊東)胡蝶園と関係があり、また花森の大政翼賛会を通じて、長谷川と面識があったのではないかという推測を既述しておいた。そのような想像をたくましくさせるのは、前回の片山廣子の存在に他ならない。 私は河津一哉、北村正之『「暮しの手帖」と花森安治の素顔』(「出版人に聞く」20)において、片山に関して次のように言及している。 そこで気になるのは片山廣子の『燈火節』(一九五三年)です。これは第三回エッセイスト・クラブ賞を受け、近年月曜社から復刊されていますが、彼女は近代出版史、文学史上においてもかなり重要な人物で、長谷川巳之吉…