積分される関数のこと.不定積分 であれば, が被積分関数である. 原始関数を求める際,被積分関数の形のわずかな変化で方針が大きく異なることがある.
被積分関数の分母が 2 次式であるような場合を考える.このとき,分母の式が 1 だけ違うだけで,積分の方針が大きく変わることがある.
分母は簡単な形に因数分解ができる.そこでこれを部分分数に分解して,個々に積分する.
分母は の平方である.
分母が実数の根をもたない. ここで とおく. であり,
2024年も大学入試のシーズンがやってきました。 今回は、東京医科歯科大学の数学に挑戦します。 今年の秋に東工大と合併し「東京科学大学」となるため、「東京医科歯科大学」としては最後の入試になります。
2024年も大学入試のシーズンがやってきました。 今回は、東京工業大学の数学に挑戦します。 今年の秋に医科歯科大と合併し「東京科学大学」となるため、「東京工業大学」としては最後の入試になります。
2024年も大学入試のシーズンがやってきました。 今回は、九州大学の理系数学に挑戦します。
2024年も大学入試のシーズンがやってきました。 今回は、早稲田大学理工学部の数学に挑戦します。
とおく。は三次以下の偶関数なのでとおくと、 であるから示された。 存在を示せばいいので求める必要はないが、計算して等号でつないでしまうのが手っ取り早い。試験場だと、線形性からの場合だけ考えれば十分として()を解くのが素直か。 問題の元ネタはGauss–Legendre公式。 参考: manabitimes.jp [元ネタに忠実な別解] とおく。 は二次式なのでとおける。ただし、は一次の多項式、は定数である。 ここで、が成り立つのでとなる。 さて、はで極小となり、その間で極大となるので中間値の定理よりは実根を二つ持つ。それらをそれぞれとおくと、はに関して対称なのでとなる。また、、同様に、これらよ…
モチベがあるうちにどんどんやります。第1問 この手のやつはまず、どっちがどういう変数なのかがわからなくなるので混乱するというのが大きなハードルです。これはまだいいですが、微分して解くタイプの積分方程式とかだとtとxどっちがどうなるんだ??? となりパニックになるのは慣れないうちはよくあること。この問題に戻りますが、これは絶対値の正負が0~1で変わる場合がややこしそうなのでそこで分けましょうっていう基本的な問題です。絶対値さえ外してしまえば被積分関数は簡単なので問題ないでしょう。 ただ作業するだけです。第2問 やってることのイメージはこんな感じ。0<a<1だといづれある点に収束するのでその点を求…
本記事は 日曜数学 Advent Calendar 2023 の4日目の記事です。 特に書きたい内容があったわけではないのですが、ノリで登録してしまいました。 その結果、書く内容を中々思いつくことができずにいたのですが、渡邉究先生の以下の投稿を見て、これで何か書こうと思い立ちました。 2003年の東大の入試問題「円周率は3.05より大きいことを示せ」は超有名問題だけど、以下の積分を計算すると、より良い近似値が得られる。皆さんご存知でしょうけど。初めて知った時は驚いた。 pic.twitter.com/CzpH7xNyYL— 渡邉究/数学科准教授/YouTube (@Kiwamu_Watanab…
メモ書き 「」
今日は$t$分布の期待値と分散を求めます。 期待値 分散 積分項を求める 分散を求める 自由度が$m$である$t$分布の確率密度関数は次の式でした。 $$ f _{m} (t) = \frac{\Gamma \left( \frac{m+1}{2} \right)}{\sqrt{\pi m} \cdot \Gamma \left( \frac{m}{2} \right)} \left( 1 + \frac{t ^{2}}{m} \right) ^{- \frac{m+1}{2}} $$ 結論から言えば、期待値、分散はそれぞれ次のようになります。ただし、分散は$m > 2$の場合にのみ存在します…
自由度$n$のカイ二乗分布の期待値と分散を求めてみましょう。 前提として、自由度$n$のカイ二乗分布の確率密度関数は次の式で表せました。 $$ f _{n}(x) = \frac{1}{2 ^{\frac{n}{2}}\Gamma \left(\frac{n}{2}\right)} x ^{\frac{n}{2}-1} e ^{-\frac{x}{2}} $$ 期待値 期待値の定義に基づいて計算します。 $$ \begin{align} E(X) &= \int _{0} ^{\infty} x \frac{1}{2 ^{\frac{n}{2}}\Gamma \left(\frac{n}{2}…
ガンマ関数は階乗の一般化で数学のあちらこちらで登場する関数です。階乗は自然数$n$に対して$n!=n\cdot(n-1)\cdot(n-2)\cdots 2\cdot 1$のように定義されます。例えば$3!=3\cdot 2\cdot 1=6$です。 これを正の実数に対して拡張したのがガンマ関数で下記の広義積分によって定義されます。$s\gt 0$として $$\Gamma(s)=\int_0^{\infty}e^{-t} t^{s-1}dt$$ この広義積分の収束は次のように分かります。$0\lt a \lt 1 \lt b$として $$\int_0^{\infty} e^{-t} t^{s-…
復習 幅$h_k$はコーシー列か? 幅の極限? 変数変換 位相の進み方と振幅の減衰 とどめ! おまけ:変数変換した後の被積分関数のグラフ 復習 さて、設問[1]-(1)の結論を出すときがやってきた。まずは問題を見直しておこう。 数学入試問題 I-(1)(東京大学2023) それから$f(x)=|\sin(x^2)|$のグラフも見返しておこう。 $f(x)=\sin(x^2)$のグラフ 色分けした部分の面積が積分$A_k$に対応している。灰色の部分が$A_0$に対応するが、問題文では$A_1$(濃い水色の部分)から定義されている。 $A_k$は単純減少列で、最後は同じような値に収束していく(コー…
前回の続き
[:contents] 五輪書:二天一流の理由 一命を捨すつる時は、道具を残さず役にたてたきもの也。道具を役にたてず腰に納めて死する事、本意に有べからず。 最初の試み:東京大学2023入試問題(数学[1]) 被積分関数のグラフ(数値計算) グラフ描画ツール"Gnuplot" 五輪書:二天一流の理由 宮本武蔵は江戸時代の剣術の達人であり、二天一流の創始者である(現代の剣道にも引き継がれている)。大小二本の刀を使って攻めるその極意は五輪書に書かれている。 「なぜ二本の刀を使うのか?」という疑問に対しては次のような説明がある。 一命を捨すつる時は、道具を残さず役にたてたきもの也。道具を役にたてず腰に…
前回記事で紹介した留数の定義を復習してから留数定理を述べます。 留数の定義:関数$f$のローラン展開を $$f(z)=\sum_{n=0}^{\infty}a_n(z-c)^n + \sum_{n=1}^{\infty}\frac{a_{-n}}{(z-c)^n},\, z\in A(c;R_1,R_2)$$ $$ a_n=\frac1{2\pi\,i}\int_{|z-c|=r}\frac{f(z)}{(z-c)^{n+1}}dz\,,(n\in \mathbb{Z})$$ として、$a_{-1}$を$f$の$c$における留数とよび$Res(f;c)$で表す。 留数定理:領域$K$において1…