19世紀中葉から生じた地理学の一ジャンル。
古典的な立地論としては 農業立地論・・チューネン、ダン、アロンゾ 工業立地論・・ウェーバー、フーヴァー、グリーンハット 中心地理論・・クリスタラー、レッシュ、ベリー、ギャリソン 「空間独占の理論」・・ホテリング、チェンバレン 貿易論・・オリーン
などの研究が知られる。 現代においては例えばコンビニエンスストアやチェーン店の配置などで立地論が用いられる。
オリックス・バファローズvs東京ヤクルト・スワローズ。プロ野球のオープン戦を京セラドーム大阪で久しぶりに観戦した。今回は、プロ野球球団の立地論的なことを考えてみたい。球団の経営戦略を地理学的な観点から見てみるということだ。 オリックスとヤクルト、この両球団はそれぞれ、大阪と東京の球場を本拠地としている。大阪の球団と東京の球団である。しかしながら、大阪、東京それぞれの唯一の球団ではないし、大阪の代表的な球団、東京の代表的な球団とも言えない。大阪、東京を代表する球団と言えば、御存知、阪神タイガースと東京読売巨人軍である。これを否定する人は(オリックス、ヤクルトのファンを除いて)誰もいないだろう。 …
今回も前回紹介した『ウェブ立地論』の続きをもとに、競争戦略論?、についてのコラムを書きました。 『ウェブ立地論』については、内容を多く使うのではなく、ほとんど参考にせずに、マイケル・ポーター氏の競争戦略論?の詳細からブレストをするような感じになりました。 原著では、パン屋さんの匂いを嗅ぐとどうしてパンが食べたくなるのかについて、や、顧客のニーズを読んでページを作る方法についてなどが書いてありました。 交通発生源(顧客を作る場所)として、ニュース・サイトや、業界誌・業界団体の関係サイトへの広告、SNSなどとの連携についてが書いてあったり、ファインダビリティについて、サイト構成について、キーワード…
クラスターとは特定分野の企業、大学・研究機関、法律事務所、会計事務所などのビジネス組織が一定して集積して存在する状態のことを指します。 産業クラスターとは元々、経済地理学における「産業集積」という概念を発展させたもので、その起源はマーシャルという学者に見られると言われます。 ポーター氏は産業クラスターについて、企業と機関が地理的に近接した状態を定義されているようにみえます、「同業他社」だけでなく、供給業者・関連企業、金融機関、研究機関、大学までをもクラスターを構成する要素としています。 クラスターはある特定分野における突出した成功に必要な条件であり、各種の国、地域、都市圏での産業の成功の要因に…
立地論からサッカー・クラブの戦略を考えたんですけど、ぼちぼちの反応でした。でも自分自身にとって得るものが大きかったし、面白かったです。 立地論という学問があるということを、正直今回初めて知りました。 今回、このコラムを書こうと思ったのは『ウェブ立地論』石井研二さん著、技術評論社から、2022年出版という本を読んだからです。コラムの流れや、コラムの中で論じたことの多くはこの本によっています。 ただこの本自体はウェブでの立地論を扱っていて、ウェブサイト、ウェブの事業についてはなかなか色々なことが書いてありました。 面白かったです。 作者はウェブ・マーケティングの専門家さんのような感じで、非常に詳し…
他に立地として注目できる点には交通発生源というものがあります。 交通発生源はTGとも略されます。トラフィック・ジェネレーションの略になります。交通発生源とは、人々がそこに集中し、そこを中心に広がっていく場所であり、あたかもそこから人が生まれるように見える場所といわれます。交通発生源は人を集める求心力となるため、ウェブでも、実際のスタジアムへの呼び込みの戦略でも有効な手段となるでしょう。 立地のいい場所、人が集積し、クラスター化(周りの企業・支援とマッチしてイノベーションが生まれやすい状態)した場所が交通発生源とも言えるでしょうか。このような交通発生源、クラブのファンになってくれやすい層、場所、…
まずそれ以前に、歴史的な立地論と、サッカークラブの立地論をすり合わせてみましょう。 歴史上立地論に最初に取り組んだ人物としては、チューネンの立地論(『孤立国』という本で論じられた)があります。 チューネンはドイツにおける農業の発展について考察を行いました。そして農業の作物の栽培方式や農地の分布が、都市からの距離のみに依存するというモデルを作ったのです。農業における立地を検討し、チューネン圏という概念を考案しました。 チューネンの考え方によると、同心円状の形をつくって、対象都市からの距離により、顧客の行動が変わるとされます。サッカーなら例えばスタジアムを中心に同心円の近くの人は来やすく、同心円が…
サッカークラブの集客において、ウェブからの集客、スタジアムからの集客について、立地論を利用して、どのようにしてクラブの活性化が考えられるかを論じてみます。 ウェブでのマーケティングは担当者が変わった場合の引き継ぎが難しく、ベテランの勘が通じにくいこともあるともいわれています。 そもそもマーケティングは多くの人に行っても、効果に大きな開きが現れることがあるといわれます。5万人の人にマーケティングして500人が来場するか、5千人が来場するか、その開きによってのちに使える費用(予算)は様々に変化します。 だから効果をより高めるために、立地、来てくれる人がいる場所にマーケティングを行うことが必要である…