歌舞伎座2024年3月公演昼の部『御浜御殿綱豊卿』 好きだったところ印象的だったところの覚書。 冒頭、水辺の風景を後ろにお女中たちが楽しく遊ぶ様子に春の真昼の光が溢れている 手紙を見せろと迫る浦尾の意地悪っぷり。とりわけお喜世の立ち話の相手が兄だと返されてそれ以上突っ込めないと悟るや間髪入れずに手紙に話を戻すあたりの執拗さがすてき 「ぜぜというものを持ってみたことがない」 一言で殿様の立ち位置が現れる。この殿、好きにならずにいられようか お喜世の手を握る殿。老人ではなく«男盛りの»姿。なんであれを上品にやれちゃうのか 江島の級長っぽさ。場面場面から伝わってくるのは、有能で権威があるというより忠…