前回、『ハムレット』の中にシンメトリー構成があるのではないかとしたキース・ブラウンの説を検討してみました。*1 私自身も『ハムレット』の中にシンメトリー構成を探してみたわけですが、その結果を記す前に、前回シンメトリーがルネサンス期の芸術において重視されていたと書きましたが、その事について簡単に見てみたいと思います。 シンメトリーに描かれた有名なルネサンス絵画としてレオナルド・ダ・ビンチの『最後の晩餐』とラファエロの『アテネの学堂』が思い浮かびます。ミケランジェロの『最後の審判』やボッティチェルリの『ビーナスの誕生』などもシンメトリーです。 ここで取り上げたいと思うのはラファエロの『アテネの学堂…