1962年長崎県生まれ 1990年京都で時空劇場結成 1997年解散まで作、演出 1994年、「坂の上の家」でOMS戯曲賞 1996年、「海と日傘」で岸田國士戯曲賞 1999年、「夏の砂の上」で読売文学賞
「神や宿業や他人に恐れ戦きながらも、誰かをしっかり愛したい。そのために台詞があるのだ。それゆえに私は台詞を書くのだろう」
ムニ『つかの間の道』『赤と黄色の夢』二本立て公演・作・演出:宮崎玲奈(『つかの間の道』)@アトリエ春風舎 ムニ『つかの間の道』@アトリエ春風舎を観劇。4年前に青年団若手自主企画vol.81 宮﨑企画『つかの間の道』@アトリエ春風舎*1*2として上演された作品の再演だが、今回の上演では演技の様式や方法論、演出を大きく変更したものとなっていた。前回上演では平田オリザの現代口語演劇に準じたようなスタイルでの演技で作品を構築していたが、今回の上演ではセリフの調子やニュアンスの込め方には現代口語的なものが残されてはいたものの全体の印象はまったく違う。松田正隆のマレビトの会がそうであるようにニュアンスなど…
「東京トワイライト ー強盗団と新しい家ー」@座・高円寺1 松田正隆による新作。松田正隆による最近の作品の中でもこの「東京トワイライト」は演技、演出の面で実験性の高い作品といえるかもしれない。そのため、終演後、客席のあちらこちらで「意味がわからない」との声が上がっていたのも現実だし、可能性は感じるものの現時点で新たな「演劇表現の完成形」などと無批判の称揚を呈する気にはならないのも確かだ。 とはいえ、公演が刺激的かどうかという観点からすれば極めて刺激的な公演であったと思う。 作・演出:松田正隆出演:大木実奈、河原舞、久世直樹、清水詩央璃、牧凌平、三谷亮太郎、吉田彰文 期間 2024年02月22日(…
藤家と南風盛と中條「蝶のやうな私の郷愁」@アトリエ春風舎 藤家と南風盛と中條「蝶のやうな私の郷愁」@アトリエ春風舎を観劇。松田正隆の初期作品を青年団の藤家矢麻刀、南風盛もえ、中條玲らが上演。この作品は内田淳子、土田英生出演、松田演出の上演を見たことがあり、そのラストシーンを今でも鮮やかに思い出すことができるのだが、過去レビューを検索してみるとまだ最近と言えなくもない2021年にひなた旅行舎*1による上演を見たことが分かったが、こちらの方はどうしたわけかすっかり記憶から抜け落ちていた。 青年団周辺の若手作家らによる松田作品の上演では玉田企画「夏の砂の上」*2などがあり、これも年間ベストに選んだ好…
一年という時間は、その体感があっという間であったとしても、いざ思い返してみれば気後れするほどの膨大な出来事の積み重なりである。昨年、乃木坂46(以下、乃木坂)の1期生全員がグループでの活動を終え、その直後に早川の騒動があり、私は夏に新体制のライブを見に行った。時系列は前後するが、ハロプロの25周年ライブや、中森明菜の映画にも足を運び、乃木坂に限らず、「アイドル」について縦軸と横軸に多少の広がりを持って考えることがしばしばあった。 その意味では、2023年は特別な年という感じはなくとも、ぐるぐると頭の中にうずまくものが多かった一年のように思う。今回のブログでは、いくつかのトピックについて自分なり…
本日より1月3日の24:00(1月4日の0時)まで、「O,1、2人(外島貴幸+吉田正幸)」のコント作品『何屋か?(繰り返し)』をyoutubeにて全編無料公開してます。ぜひごらんください。”このコントは、「店主と客」という、いわばベタベタなシチュエーションから始まるが、台詞や行動の反復、ズレとともに違う展開へと開かれていく。ちなみに開催時はお盆の季節だったのだが、期せずして内容も微妙にお盆感の漂うものとなっている。” www.youtube.comまた、1月4日の座談会では、この作品は特に扱わないと思いますがそちらも是非お越しください。↓---------------------座談会「予兆へ…
ランキング参加中映画 ランキング参加中邦画 ランキング参加中【公式】2022年開設ブログ 半ドンの仕事を終わり、シネ・リーブル梅田まで。JR大阪駅から少し距離があり、「どうしようか」と迷った。「鵞足炎」のリハビリにもなるだろうと考えて決行(?!)。傘を杖代わりにして。うめきた地下口を通ってみた。新しくきれい、まだ人も少ない。地下に飾りが。 地下口を出て、うめきた広場に。 そして、梅田スカイビルまで頑張って歩く。地下道ではなく地上に通りができていた。スカイビルでは、ツリーが飾られていた。 シネ・リーブル梅田で、13時50分からの部を鑑賞。こじんまりした会場、ほぼ満席だった。 映画.COMから 「…
1月4日の座談会に、謎のコメント役として参加させていただきます。私はこんな感じの、舞台装置だか衣装だか仮装だかわからないモノとして語ったり動いたりすると思います。*画像は現段階でのイメージなので、変わる可能性有です。メインスピーカーは松田正隆さん、宮崎玲奈さんなので、私はそこまででしゃばりませんが、演劇、表象、出来事を巡って重要な対話になるかとおもいますので、是非お越しください! --------------------------座談会「予兆へ 出来事の明るさ、主体の重さ」スピーカー:松田正隆、宮崎玲奈コメント:外島貴幸司会:飛田ニケ(キューピー) 日時:2024年1月4日(木)15:00-…
土曜。ゆっくりできる一日。快晴だったので、新宿御苑へ行き、ゴロゴロしながら本を読む。穏やか。寒さもなく、心地いい。 それから、夜に東中野へ。久しぶりのポレポレ東中野。草野なつか監督の「王国(あるいはその家について)」を観る。ポスターに一目ぼれして、予備知識なしで、観に行った。観てよかった。強烈な刺激を受けた。 映画制作のゴールがどこなのか。脚本を忠実に映像にすることなのか。脚本の核になると思われる部分に、的を絞り、そこを描くために、監督にとっての最善の、唯一の方法を模索することなのかもしれない。 あくまで私見だけれど、この映画におけるゴールは、映画の中では冒頭に配されていた取調室での主人公の女…
instax mini Evo ・写真はゴーストがきれいに出ました。 ・映画『水いらずの星』監督:越川道夫、原作:松田正隆@新宿武蔵野館 19:35の回。 海から上がってきた男。雨漏りのするアパートに暮らしている女。ふりしきる雨。 河野知美さんと梅田誠弘さんのほぼ二人芝居です。 ファーストカットで心をつかまれて、あっという間の2時間40分。 これはぜひ劇場で観ていただきたい作品です。 新宿武蔵野館とシネマート心斎橋で11月30日(木)まで。 28日(火)には那覇のテンプスホールで上映があります。 ・読書:『水いらずの星』劇場用プログラム 1,200円とちょいお高めですが、とても充実した内容なの…
11/23(木・祝)〜 『首』[T]※全国公開 (監督:北野武 出演:ビートたけし,西島秀俊,加瀬亮/浅野忠信,大森南朋,小林薫,岸辺一徳,寛一郎) 『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』[T]※全国公開 (監督:武内英樹 原作:魔夜峰央 出演:二階堂ふみ,GACKT/杏,片岡愛之助,堀田真由,山村紅葉,益若つばさ) 『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』[T]※全国公開 (監督:小中和哉 声の出演:黒島結菜,水瀬いのり,日野聡/松岡茉優,DAIGO,蒼井優) 『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』[T]※新宿ピカデリー,他 (監督:神山健治,荒牧伸志 声の出演:田中敦…
関田育子「雁渡」@BASE THEATER 関田育子「雁渡」@シアターグリーンBASE THEATERを観劇。最近の若手作家の特徴としていわゆる現代口語演劇の形態を取らない作風の作家が上げられるが、その代表格が関田育子といえるだろう。 立教大学出身の関田育子は同大学教授でもある松田正隆率いるマレビトの会にも参加していたから、そこから受けた影響は強いと思うが、この作品などを見ると演出や演技でマレビトの会とは明確に異なる特徴が露わになってきており、松田の強力な引力圏を抜け出して、作家として演出家として、そして集団としていかなるスタイルを構築していくのかというのが楽しみだ。 関田の特長のひとつはそれ…
壮絶な男女の愛の映画が公開される。いや、愛という言葉は甘すぎるかもしれない。一組の男女の生き様を描く作品であり、愛がそこにあるのかは分からない。しかし確かにきっかけは愛だったはずだ。別れた2人はそれぞれの人生を生き、数年を経て再会する。2人の辿った過酷な運命が明らかになる。 社会の底辺を生きる男女の姿が突き刺さる『水いらずの星』(11月24日公開)は、俳優である河野知美さんがプロデューサーとして企画した作品である。プロデュースと俳優を兼ねる女性は日本ではまだ多いとは言えないなか、河野さんは外国との共同製作も視野に入れて映画作りに取り組む一方、本作のように人間の業や性(さが)を剥き出しにした迫真…
ぱぷりか「柔らかく搖れる」@こまばアゴラ劇場 2021年に第66回岸田國士戯曲賞受賞*1したぱぷりか「柔らかく搖れる」の再演をこまばアゴラ劇場で観劇した。福名理穂は無隣館*2出身で元青年団演出部の所属(演出部は今年6月に解散)。青年団演出部には有望な若手女性作家が多数在籍していたが、升味加耀、宮崎玲奈、山内晶ら同年代以降の若手の多くが現実に非現実が混入していくような作風となっている。 平田オリザ流の現代口語演劇とは言いがたいなかで、福名は平田の正統な後継者*3といえるのかもしれない。 とはいえ演劇様式としては地域言語の活用(福名理穂=ぱぷりかでは広島弁)、明示されずに隠された伏線として仕掛けら…
「坂の上の家」OMS戯曲賞・大賞を受賞した松田正隆の傑作戯曲。人は人と関わり合うことで、喪失の向こうの再生を手にしてゆく。 いい芝居しますんで是非来て下さい。
朝起きて、ひとまず朝食を食べてから、洗濯をする。不安定な天気なので、外に干すのは避けるとして、明日が台風で天候大荒れということで、なんとなく今日のうちに洗濯。それから掃除機をかけて、家を出る。 今日は断固休むと決めて、ふらふらと東京都写真美術館へ。 「風景論以後」というタイトルが実に興味深い展示を観にいく。といって、内容はあまり把握せず、ただただ、タイトルに心惹かれて出かける。行ってみて気付いたけれど、写真展示半分、映像半分といった展示だった。中平卓馬さんの写真の圧倒的な迫力はいわずもがな、笹岡啓子さんの「PARK CITY」という一連の写真を見て、はてどこかで見覚えがと思い返してみた。そもそ…