1962年長崎県生まれ 1990年京都で時空劇場結成 1997年解散まで作、演出 1994年、「坂の上の家」でOMS戯曲賞 1996年、「海と日傘」で岸田國士戯曲賞 1999年、「夏の砂の上」で読売文学賞
「神や宿業や他人に恐れ戦きながらも、誰かをしっかり愛したい。そのために台詞があるのだ。それゆえに私は台詞を書くのだろう」
instax mini Evo ・写真はゴーストがきれいに出ました。 ・映画『水いらずの星』監督:越川道夫、原作:松田正隆@新宿武蔵野館 19:35の回。 海から上がってきた男。雨漏りのするアパートに暮らしている女。ふりしきる雨。 河野知美さんと梅田誠弘さんのほぼ二人芝居です。 ファーストカットで心をつかまれて、あっという間の2時間40分。 これはぜひ劇場で観ていただきたい作品です。 新宿武蔵野館とシネマート心斎橋で11月30日(木)まで。 28日(火)には那覇のテンプスホールで上映があります。 ・読書:『水いらずの星』劇場用プログラム 1,200円とちょいお高めですが、とても充実した内容なの…
11/23(木・祝)〜 『首』[T]※全国公開 (監督:北野武 出演:ビートたけし,西島秀俊,加瀬亮/浅野忠信,大森南朋,小林薫,岸辺一徳,寛一郎) 『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』[T]※全国公開 (監督:武内英樹 原作:魔夜峰央 出演:二階堂ふみ,GACKT/杏,片岡愛之助,堀田真由,山村紅葉,益若つばさ) 『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』[T]※全国公開 (監督:小中和哉 声の出演:黒島結菜,水瀬いのり,日野聡/松岡茉優,DAIGO,蒼井優) 『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』[T]※新宿ピカデリー,他 (監督:神山健治,荒牧伸志 声の出演:田中敦…
関田育子「雁渡」@BASE THEATER 関田育子「雁渡」@シアターグリーンBASE THEATERを観劇。最近の若手作家の特徴としていわゆる現代口語演劇の形態を取らない作風の作家が上げられるが、その代表格が関田育子といえるだろう。 立教大学出身の関田育子は同大学教授でもある松田正隆率いるマレビトの会にも参加していたから、そこから受けた影響は強いと思うが、この作品などを見ると演出や演技でマレビトの会とは明確に異なる特徴が露わになってきており、松田の強力な引力圏を抜け出して、作家として演出家として、そして集団としていかなるスタイルを構築していくのかというのが楽しみだ。 関田の特長のひとつはそれ…
壮絶な男女の愛の映画が公開される。いや、愛という言葉は甘すぎるかもしれない。一組の男女の生き様を描く作品であり、愛がそこにあるのかは分からない。しかし確かにきっかけは愛だったはずだ。別れた2人はそれぞれの人生を生き、数年を経て再会する。2人の辿った過酷な運命が明らかになる。 社会の底辺を生きる男女の姿が突き刺さる『水いらずの星』(11月24日公開)は、俳優である河野知美さんがプロデューサーとして企画した作品である。プロデュースと俳優を兼ねる女性は日本ではまだ多いとは言えないなか、河野さんは外国との共同製作も視野に入れて映画作りに取り組む一方、本作のように人間の業や性(さが)を剥き出しにした迫真…
ぱぷりか「柔らかく搖れる」@こまばアゴラ劇場 2021年に第66回岸田國士戯曲賞受賞*1したぱぷりか「柔らかく搖れる」の再演をこまばアゴラ劇場で観劇した。福名理穂は無隣館*2出身で元青年団演出部の所属(演出部は今年6月に解散)。青年団演出部には有望な若手女性作家が多数在籍していたが、升味加耀、宮崎玲奈、山内晶ら同年代以降の若手の多くが現実に非現実が混入していくような作風となっている。 平田オリザ流の現代口語演劇とは言いがたいなかで、福名は平田の正統な後継者*3といえるのかもしれない。 とはいえ演劇様式としては地域言語の活用(福名理穂=ぱぷりかでは広島弁)、明示されずに隠された伏線として仕掛けら…
「坂の上の家」OMS戯曲賞・大賞を受賞した松田正隆の傑作戯曲。人は人と関わり合うことで、喪失の向こうの再生を手にしてゆく。 いい芝居しますんで是非来て下さい。
朝起きて、ひとまず朝食を食べてから、洗濯をする。不安定な天気なので、外に干すのは避けるとして、明日が台風で天候大荒れということで、なんとなく今日のうちに洗濯。それから掃除機をかけて、家を出る。 今日は断固休むと決めて、ふらふらと東京都写真美術館へ。 「風景論以後」というタイトルが実に興味深い展示を観にいく。といって、内容はあまり把握せず、ただただ、タイトルに心惹かれて出かける。行ってみて気付いたけれど、写真展示半分、映像半分といった展示だった。中平卓馬さんの写真の圧倒的な迫力はいわずもがな、笹岡啓子さんの「PARK CITY」という一連の写真を見て、はてどこかで見覚えがと思い返してみた。そもそ…
チェルフィッチュ「宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓」@吉祥寺シアター チェルフィッチュ「宇宙船イン・ビトゥイーン号の窓」@吉祥寺シアターを観劇。チェルフィッチュが最初に有名になったモノローグによる「超現代口語演劇」でもなく、最近力を入れていた「NO THEATRE」でもない新しい試み。ただ、その意図が十全な形で具現化されているのかというとそうは思えないし、現時点ではまだよく分からないというのが観劇しての正直な感想であった。 コンセプトとして日本語が母語ではない外国人の俳優に会話劇をやらせるというのがあるようなのだが、とりあえずそれで何が起こるかというとセリフから日常的なディティールやニュアンスが…
「罵倒の作法」03 司辻󠄀󠄀有香 新作上演@三鷹SCOOL 京都造形芸術大学出身の劇作家・演出家、司辻有香*1。若くしてOMS戯曲賞、京都芸術センターの演劇計画で立て続けに佳作を受賞。新進気鋭の劇作家として注目されていたが、その後活動を中断していた鬼才のひさしぶりの新作「うぶごえ」がやはり同大学出身の木村悠介*2の演出、三鬼春奈の出演により上演された。作家を性差によってのみ区別したりするのは批評としてあまり適切なこととは言えないと思ってはいるのだが、こと司辻に関して言えば彼女の作品は女性作家であることも含めて彼女の固有性と切り離しがたい。それゆえ、彼女自身のことに触れずに作品についてどうこうい…
というわけで、2023年7月以降に公開される邦画一覧です(2023年上半期(1〜6月)に公開された映画はこちらでどうぞ)。映画館業界のトピックといえば、6月1日よりTOHOシネマズが100円値上げで一般料金2000円の大台に突入したのを皮切りに、6月16日より東映・Tジョイ、6月30日より松竹(MOVIX・ピカデリー)、7月7日より109シネマズ・チネチッタ・テアトル系列が値上げとなります。7月14日よりユナイテッドシネマ・シネプレックス、7月21日よりシネマシティも一般料金の値上げに踏み切りますが会員観賞料金は据え置きとなるようです。4月10日より休館中の「Bunkamuraル・シネマ」は、…
毎週日曜日は、この一週間に週刊誌などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPをご覧ください。 今週の書評本 表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者 出版社 税込価格 書評掲載回数(2回以上のもの) ◆週刊朝日「週刊図書館」: 1/6・1/13 号 冊(特集『2022年「私の3点」』のため書評はお休み) ◆サンデー毎日「遠回りの読書」: 1/15・1/22 号 2 冊世界と私のAtоZ 竹田ダニエル 講談社 1,650記者がひもとく「少年」事件史 少年がナイフを握るたび大人たちは理由を探す 川名壮志 岩波新書 946 ③ ◆女性自身「今…
2022年演劇ベストアクト (年間回顧) 年末恒例の2022年演劇ベストアクト を掲載することにする。さて、皆さんの今年のベストアクトはどうでしたか。今回もコメントなどを書いてもらえると嬉しい。 コロナ感染による日常生活への影響が出始めてから3年が経過。演劇への影響ではほとんどの公演ができない状況に追い込まれた時期とは違い十分な感染対策を実施すれば、公演自体は徐々に通常の客席数で可能になったが、演劇作品の中身を考えるとコロナ禍は現代演劇の流れに大きな影を落としたことは間違いなさそうだ。 今年に入ってからが特に顕著だが、生きていくことの辛さをモチーフにした演劇が若手演劇作家の作品で増えてきている…