1962年長崎県生まれ 1990年京都で時空劇場結成 1997年解散まで作、演出 1994年、「坂の上の家」でOMS戯曲賞 1996年、「海と日傘」で岸田國士戯曲賞 1999年、「夏の砂の上」で読売文学賞
「神や宿業や他人に恐れ戦きながらも、誰かをしっかり愛したい。そのために台詞があるのだ。それゆえに私は台詞を書くのだろう」
出逢った、影響を受けた、記憶に残る劇団というものがある。 文学座、民藝、俳優座を観に出かけるときには、どういうわけかフルコース料理を注文する気分がした。しかし料理店を選ぶさいには、あそこは魚料理が自慢だからとか、酢の物や和え物が絶品だからとか、単品への興味がむしろ先立つことがある。演目への、演出家への、出演役者への興味から、次なる出逢いへと導かれていった。 劇団俳優小劇場(通称「俳小」)の最初はジャン・ジュネの『黒人たち』だった。小林昭二に惹きつけられた。一九六六年四月三十日のチケット半券が残っている。プログラムによれば、楽日だったようだ。 ジュネ作品とも初めての出逢いだった。こんな世界もある…