加茂部地区の奥まったところにある神社。ここには様々な逸話がある。 まず特徴的なのがこの杉の木の注連縄。 「この話は、今から千年ほど昔のことである。 都の朝廷に背いた陸奥の国の阿部宋任貞任一族討伐のため、源頼義は奥州へと向かった。 その道中兵士を募りつつ加茂神社に来ると、里人が参拝を済ませた頼義に向かい言上した。 『この山には、それはそれは、とても恐ろしい妖婆が住み、胎み女を殺してはその胎子を食ってしまうのです。相手が神通力を持っているので、どうか将軍さまのお力で退治していただきたいのです』。 この願いを聴いた頼義は、大軍を集めて山を取り囲んだ。 やがて加茂の神に深く祈願した後、弓に矢をつがえて…