2000年4月、シドニー五輪選手代表選考会に出場した千葉すずは、200メートル自由形で優勝。 タイムも国際水泳連盟が定めた五輪参加A標準記録を突破していた。 ところが大会後に発表された日本代表メンバー、男女合わせて計21人の中に、彼女の名前はなかった。 そこで落選理由を明らかにするため、日本人として初めて、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴。 代理人とともに都内で記者会見に臨んだのは、同年6月12日のことだった。 提訴理由を、千葉はこう語った。 「自分が代表選手になるかどうかは大きな問題ですが、それと同じくらいに、自分のような選手を(今後)作らせたくない。今の選考方法には、実力以外になんらかの…