エヴァン・パーカー。ソプラノおよびテナーのサックス奏者。1944年4月5日英国ブリストル生まれ。
フリー・インプロヴィゼーションによるサックス演奏家の第一人者。
数々のグループ活動でも知られるが、その本質は新しいソロ・サクソフォン言語の創造者としてである。
ジョン・コルトレーン、アルバート・アイラーらによって始められた技術と実験の領域をさらに推し進め、リズム(ビート)に支配されたジャズを抽象の領域にまで開放した演奏家だと言えよう。
拡張された倍音を複雑に組み合わせたマルチフォニックス奏法と、音の切れ目を生じさせないサーキュラー・ブリージング(循環呼吸)技術の使用は、特にサクソフォン妙技の頂点と一般に見なされている。
彼は14歳のときにポール・デスモンドの音楽に興味をいだいてアルトサクソフォンを演奏し始めた。
16歳でジョン・コルトレーンに影響を受けてソプラノに転向する。
バーミンガム大学で植物学の専攻を了た後ロンドンに移り、ジョン・スティーヴンスの"Spontaneous Music Ensemble (SME)"に加わった。
1970年、英国初のインディペンデント・レーベル「インカス (Incus)」をトニー・オクスリー、デレク・ベイリーとともに設立したが、ベイリーとはこの"SME"の頃からの付き合い。
この後、「カンパニー (Company)」「グローブ・ユニティ・オーケストラ (Globe Unity Orchestra)」「アレックス・シュリッペンバッハのグループ(Schlippenbach trio/quartet)」その他種々の編成のユニットに参加した。
2001年11月には自身のレーベル"psi"をはじめた。