市來健吾の日記

プログラマ、(元)物理屋(ナノテク、流体)

大信田さんからメールが来た。


  • 彼の企画した仮想研究会「塑性という名の動的機構」という 「物性研究」 での文章が添付されていた。講演者には見覚えのある名前が並んでる。 その昔、「粉体」という、物理に於いては新しい、従ってまだエライ人とか居なかった subject の周辺に集まった人達の一部。 理論系物理屋は、表面的にどう振舞おうと、基本的に一匹狼だと思うけど、 まぁ何にでも分布や平均ってものはある。 その人達の今の重心(の一つ)がガラスということなのかな。 とは言え、こんなものは表面的に過ぎず、 各人の motivation はきっと昔から同じなんだろう。 これが研究者というものなんだろう、きっと。 "slow science" というのは、 なかなか良いキャッチ・フレーズではないか(今、作った)。 "slow food" とか "slow life" とか、 もうとっくに死語かもしれないが、そんなことを気にするようでは この slow world は生きていけない。

  • 4/27/2006: Ooshida T. さんの論文。

twobody


  • slip の厳密解

    • C 版を開始。

      • maxima は遅くてかつ低次で止まるので、 数値的に lubrication の捻出が不可能なため。

      • 最初、 PARI/GP で組み直してみたが、速度は体感的には変わらず (コンパイラは試してない)。

      • なので、結局 C 。それでも最初 GMP を考えたが、多項式を目の前に断念。

      • ってことで、普通に浮動少数点。ついでに気になってた long double 版も書いてみた。

        • FreeBSD何か変態なこと になっているようで、 fpsetprec で明示的に仮数部を 64 bit に指定する必要がある。 あとpowlが見つからず、もう面倒なので、自分で普通に書いた、 どうせ整数しか引き数とらないし。

      • 速度は、しかし期待した程、速くない…… メモリー不足で止まらないのが advantage か。

      • 簡単な cache も付けた。実計算では効果ないが、再計算が楽になる。

    • lubrication

      • 何気なく Rev.Mod.Phys. 見てたら Goldenfeld の review を見つける。 彼が何で stokes flow? と思ったら、(その昔、近所で少し流行ってた)例の RG のテクニックを stokes flow に使ってみた、という話らしい。

      • 寝る前に横になって斜め読みしたところ、 stokes じゃなくて、 stokes 近似の有限 Re への展開の話。 例の Proudman-Peason 辺りの話。 technical には流体で一つの潮流をなす boundary layer とかの matched asymptotics の話 (なので、 lubrication theory には実はもろにかぶってくる話)。