「片腕マシンガール」感想その1

前から見たいと思っていた「片腕マシンガール」をDVDで鑑賞。

片腕マシンガール [DVD]片腕マシンガール [DVD]
八代みなせ, 島津健太郎, 亜紗美, 穂花, 井口昇

NIKKATSU CORPORATION(NK)(D) 2009-01-23
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たった一人の肉親である弟を失った女子高生アミ。残されたノートから、弟がイジメの果てに殺されたことを知った彼女は復讐を誓う。しかし、イジメグループのリーダーは、服部半蔵を祖とするニンジャヤクザ組長の息子・翔だった!捕らえられ片腕を切り落とされたアミは辛うじて脱出し、同じく翔に息子を殺されたヤンママ・ミキと、その夫・スグルに命を救われる。失った左腕に、スグル製作のマシンガンを装着したアミは、ミキと共に再び翔に戦いを挑む。その行く手を阻むのは、赤ジャージの中学生忍者隊!モンスターペアレンツで構成されたスーパー遺族!そして空飛ぶギロチンを操る翔の父と、必殺のドリルブラを身に着けた翔の母!果たしてアミは、弟の仇を討つことができるのか !?

つーことで、あらすじを読んだだけで 見る見るIQが下がっていくイカス映画でございましたよ。吼えるマシンガン!唸るチェーンソー!飛び散る肉片!噴き出す鮮血!過剰なまでにバイオレントかつスプラッターな暴力描写がてんこ盛りなんだけど、物語もキャラクターも荒唐無稽でリアリティのカケラもなく、なおかつ特殊メイクが手作り感覚に溢れてるせいもあって、意外なほど陰惨さを感じさせない。むしろコミカルですらある。そういった意味では、サム・ライミの「死霊のはらわた」や、ピーター・ジャクソンの「ブレインデッド」に連なる、正統派のスプラッタスティック (スプラッタ+スラップスティック) 映画と言えるだろう。

しかし、この映画の最大の魅力は、スプラッタ描写やアクションではなく、主人公アミを演じた八代みなせである。演技経験ゼロなので、決して上手くはないのだが、とにかく目が良いのだ。強靱な意志と狂気を宿した瞳は、いわゆる「目力 (めぢから)」に溢れ、曲者揃いの共演者たちを圧するほどの存在感を示してみせる。何しろ、あのバカ極まりないマシンガンを装着した姿を見て、素直に「うわ、カッコイイ!」と思わせるのだから大したもんである。戦うヒロインとして、得難い資質の持ち主と言えよう。

また、彼女の相棒になる侠気溢れるヤンママ・ミキや、サディスティックなヤクザ母・スミレなど、どこまでもアグレッシブな美女たちが登場するのも、その筋 (どの筋だよ) の人間には嬉しいところだ。キャスティングも的確だし。んーむ、さすがは井口昇監督、体に流れる熱い Mの血の為せる業なのであろうなぁ。わかる、わかるぞ。なぜなら私も Mだから!いや、力説することじゃありませんが。

とまあ、女性キャラの魅力満載の映画なのだが、やはりバカアイテムやバカキャラの面白さも捨てがたいものがある。つーことで、明日はその辺について書くことにしよう。← 続くんかい