愛と美の女神、ヴィーナス
菩薩様のあとは国立西洋美術館にてヴィーナスたちと過ごす。
古代、ルネサンス、バロック初期に至る
ヴィーナスをテーマとした系譜を紹介していて、分かりやすい展示でした。
美術品に持たせる意味により絵の題材も
「羞恥」、「愛と美」、「官能」、「賢明」等々。
またヴィーナスの側に描かれる持ち物も描かれ方も変化し、
様々なヴィーナスが展開されていきます。
『ウルビーノのヴィーナス』は横たわる裸婦の系図。
瞳の表情や首のかしげる角度が官能的です。
一方、同じ横たわるヴィーナスでも
ミケランジェロの下絵に基づくというポントルモの
『ヴィーナスとキューピッド』のヴィーナスは男の人の筋肉を持ち、
マッチョですし、善悪二つを表すという仮面や
ヴィーナスとキューピッドとの距離が近く
奇妙なヴィーナスだわという印象を持ちました。
それにしてもフィレンツェやヴェネツィアなどから
参集されたヴィーナスたちの美術展は艶やかで華やかです。
考えてみれば、ヴィーナスは春を呼ぶ女神アフロディテとも近い存在。
色鮮やかに花ほころぶこの季節に開催されたこの企画。
見るものに春を呼び起こしているのかもしれませんね。
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ウフィツ美術館の至宝 ウルビーノのヴィーナス
古代からルネサンス、美の女神の系譜
La "Venere di Urbino"
Mito e immagine di una
Dea dall'antichita al Rinascimento
場所:国立西洋美術館
期間:3.4(tue) - 5.18(sun)