kiratei2003-05-01

私鉄大手全面禁煙へ


←調べてみたら、『禁煙マーク』って正式に定められたモノはないみたいね。

σ(^-^)は、『全面禁煙』大賛成である。

ひとつは、σ(^-^)が呼吸器系が弱いことと、
もうひとつは、その利用料金には、喫煙者のみが本来負担すべき費用まで
非喫煙者も負担していることである(吸い殻入れの掃除、エアコン、防災費用?)。

新幹線なども、『喫煙車両』は喫煙料金を設定し、別料金とすることを提案する。

しっかし、大手私鉄は全面禁煙となったのに、
なぢぇに、JRだけはならないのか? 凸(-_-# 。

kiratei2003-05-00

主文

  1. 原判決を次のとおり変更する。
  2. 被控訴人らは各自、控訴人佐々木よし江に対し、金1600万円及びこれに対する平成16年1月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  3. 被控訴人らは各自、控訴人佐々木庸一に対し、金1600万円及びこれに対する平成16年1月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  4. 控訴人らのその余の請求を棄却する。
  5. 訴訟費用は第1、2審を通じてこれを被控訴人らの負担とする。
  6. この判決は、第2項及び第3項につき仮に執行することができる。

当裁判所の判断

  1. 術前の食道癌の転移を見逃した過失
    術前の胸部CTで左肺に見えた陰影が死因である癌性リンパ管症の発端となった可能性は十分にあるが、それを術前に予見することは臨床外科医の医療水準を超えた要求である。
    関係医師2名からの進言があったにもかかわらず、肺への転移がないものと即断して手術に踏み切った被控訴人財前の行為は、大学病院における医療に従事する責任者として批判を免れないものであるが、医学的に誤った行為とは必ずしも言えないから過失とまで評価できない。

  2. 術後の呼吸不全を術後肺炎と誤診した過失

  呼吸困難の発現時期やその症状、さらには術中の所見や患者の既往歴などから、術後肺炎と診断して抗生剤による治療を開始したことは間違いとは言えない。
しかし抗生剤投与にもかかわらず、解熱せず症状の改善も見られなくなった1月8日以降には、術後肺炎との診断に疑いを持ち、呼吸不全の原因を検討すべき義務があったのに、漫然と抗生剤投与を続けた過失がある。
もっとも1月8日時点の庸平の病状を客観的に見れば、既に食道癌が多方面に転移しており、癌性リンパ管症との診断がついたにしても、手術による身体的侵襲も考えれば、抗癌剤による治療効果はほとんど望めない状態であったと言わざるを得ない。
したがって、その過失と、庸平の死亡との間の因果関係は判然とせず、術後肺炎との誤診が庸平の死亡を招いたとまで言えない。


3. 治療法を選択すべき機会を与えなかった過失
  被控訴人財前が仮に、専門的な知識と自らの経験から判断して、庸平の食道癌が多臓器への転移のない?期だと確信していたとしても、現実に里見医師や柳原医師から転移の可能性を疑って追加検査をすべきとの進言を受けていたことや、仮に肺への転移があれば外科手術ではなく抗癌剤治療を行うのが第一選択であるとされていたことなどからすれば、手術以外の治療法についても説明すべきであった。
治療法の選択は、医師がどの手技を選ぶかの問題を超えて、患者の将来や人生に関わる重要な問題である。よって被控訴人財前には、手術以外の治療法について患者に検討する機会を全く与えず、手術をせかしたという過失がある。
仮に柳原医師がそれまでに、どのような説明をしていたにせよ、執刀医として不十分な説明にとどまり、手術以外の治療法を「助かりたいなら手術しかない」の一言で退けた事実が動かぬものである以上、その過失は否定しがたい。


4. 被控訴人の過失と佐々木庸平死亡との間の因果関係
  被控訴人は、佐々木庸平は手術時点で既に多臓器へ転移のある進行癌であり、仮に手術がなくても早晩死亡したと言え、本件手術と死亡との間に因果関係がないと主張している。しかし転移がある食道癌であっても、化学療法や放射線療法により1年半程度の生存は十分に可能であったから、本件手術がなければ術後わずか27日間という短期間で、無念の急死を遂げることもなかった。
人は誰でもいつかは死ぬが、死亡との因果関係で問題にすべき死亡とは、実際の1月22日時点での死亡という事態が避けられたかどうかであるから、被控訴人の過失に基づく手術実施と庸平の死亡との間には因果関係がある。


5. 庸平の死亡による損害 金3200万円
  1)死亡慰謝料
庸平の死亡によって、控訴人よし江と同庸一が受けた精神的苦痛は計り知れないものがある。
ことによし江は、説明の当日に手術以外の治療法について被控訴人財前医師に尋ねているのに言下にこれを退けられ、庸平の最後の苦しみに立ち会いながら無念の死を見届けねばならなかった胸中は察するにあまりある。
庸平の死亡に伴い患者本人及び控訴人ら家族が受けた精神的苦痛を慰謝するには、金1500万円が相当である。

2)庸平の逸失利益
庸平は本件手術当時、既に肺その他の臓器へ転移していた食道癌のⅢ期以降の状態にあり、仮に化学療法や放射線療法による治療を受けたにしても、1年半程度の生存しか認め得なかった可能性が高い。
庸平の年収は1200万円であり、庸平が株式会社の代表者として業務全般を指揮監督する立場にあったことから、たとえ病床にあっても1年半の年収相当額を得ることが可能であったから、1800万円の収入を得ることが可能であった。これから生活費控除として3分の1を控除すれば残額1200万円となる。
よって庸平の逸失利益控訴審での弁論終結時点で計算すれば金1200万円になる。

3)弁護士報酬
本件事案が大学病院相手の医療過誤訴訟であること、争点が専門的かつ多岐にわたり主張立証に多大な労苦が伴ったであろうこと、被控訴人が診療記録の改ざんを含む不当な訴訟姿勢によって裁判が長期化したことなどを考慮すれば、控訴人らが代理人弁護士に支払う弁護士費用のうち金500万円は被控訴人らの不法行為と相当因果関係のある損害である。

4)相続関係
上記の合計損害である金3200万円は、庸平の死亡によって控訴人よし江 と同庸一がそれぞれ二分の一ずつ相続したから、各自の損害は金1600万円ずつとなる。


6. 結論
  以上のとおり、控訴人らの被控訴人らに対する本訴請求は各自金1600万円とこれに対する平成16年1月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める範囲で理由があるからこれを認容し、その余の請求は理由がないからこれを棄却する。






(注・実際の判決文は、"事実認定に関する記述"と、"その事実に対する法的意見"から構成されており、このサイトに掲載されている文章よりも長いものになります。
今回の「控訴審の判決文(要約)」は"事実認定"と"法的意見"を要約して短くまとめたものです)