「マルタ・サギーは探偵ですか? 2 冬のダンス」 野梨原花南 (富士見ミステリー文庫)

マルタ・サギーは”名探偵”のカードを所持しているカード使いである。
他のカード使いから勝負を挑まれ、マルタはカード戦争へと足を踏み入れることに…。

長編2冊目にしてカードバトル開始。
かなり強引な手段でマルタが勝ちをぶんどってしまうので、かけひきの面白さとかはないものの、
ゲームの雰囲気だけはなんとなく出来てる感じ。
まったくのカードゲーム素人なわたしにはこんなんでも充分なんだけど、
本格的に遊んでる人とか「遊戯王」とかを愛読してる人には物足りないかもなあ。
カードバトル時のカラーイラストは非常にかっこよくて、本文を強力にイメージ補強してくれました。
絵師のすみ兵さん、いい仕事してはります。特に『森の娘』の尻なw。
それ以外にも、ドクトル・バーチの思惑やらリッツ少年の秘密と過去が語られたりと、なかなかに読ませる展開。
バーチに嫉妬したり、拗ねてみせたり、ジョゼフ犬を溺愛するマルタがかわいい。
1巻の時点では正直つまんなーいと思ってたのだけど、結構面白くなってきたし、これなら読み続けてもいいかな。

前巻(短編集)感想→http://d.hatena.ne.jp/kirisakineko/20040711#p2

1巻感想→http://www.geocities.jp/kirisakineko/moetan03.htm

「バクト! II The Spoiler」 海冬レイジ (富士見ミステリー文庫)

ありすの身を心配する音無先生とヒロトは、四十八時間ぶっとおしで行われるポーカー大会に参加することに。
ヒロトは、ありすは勝てるのか。そして、賭場を開催する高校生たちの思惑と事情とは?

今回の賭博メニューは”ホールデム・ポーカー”。へえ〜、ポーカーにもそんな種類があったとですか。
洞察力、勝負勘、ブラフ、イカサマを駆使して、ヒロト君がゲームの相手をちぎっては投げちぎっては投げるという展開。
前作ではギャンブルの魔力にふらふらになって国定兄妹に迷惑かけまくった音無先生も今回は賭場では傍観者に徹してて、だいぶ反省、というか更正したご様子。
でも、ガードの甘いところは相変わらずで、7歳下のヒロト君の所業にわたわたしてるところが、かわいい。
対戦相手のキャラ作りはよござんした。思わせぶりなライバルも出現したことだし、「ぎゅわんぶらあ自己中心派ライトノベル版みたいな話になっていくと面白いかも。

それともう1つ。今回も作品内にとある有名な本格ミステリの仕掛けがまるまる取り入れてあって、微苦笑。
作者の遊び心っつーか、その作品へのリスペクトの現れなのかなーとは思うんだけど、読む順番間違えると不幸になっちゃうわけで。むうう…。

前巻感想→http://d.hatena.ne.jp/kirisakineko/20050120#p1

「DEATH NOTE 5」 小畑健(原作:大場つぐみ) (ジャンプコミックス)

これでコミックスの最新刊行分まで読了。
1巻から常にあった、張りつめたような緊張の糸がここでぷちっと切れてしまったような印象。
ライトがとった手段が、苦し紛れの一手だったのか、再びノートを手にするための策を仕掛けた上でのものだったのか。はてさて…。
Page.40での相沢の姿にはグッときたよ。それと、まっつーのおバカなところがかわいいなーと思ったりして。