桜庭一樹 「荒野の恋 第一部 catch the tail」 (ファミ通文庫)
山野内荒野、12歳。恋はじめました…。
桜庭さんらしいふわふわゆらゆらな少女像が実に愛らしくてミギーさんの絵との相性もばっちり。
クラシカルな香り漂う少女恋愛小説──と思いきや、雰囲気はちっともリリカルじゃねえ。
いんらんの母に生まれた美しき少女・七竈の物語とある意味対をなす、大人たちの恋と性を見つめる少女の物語でありました。語られているものの本質は「少女七竈」と変わらないようで、それでも両作品の間に何か見えない壁があるような気がしてしまうのは、荒野と七竈の年齢の差か、個性の違いか、文体か、あるいはイラストがついているからなのか。
純真無垢で真っ白な誰かに触れられることすら恐れていた少女が、「女」を知り、「おとな」の世界に近づき、そして恋に目覚める。微笑ましいというよりは、深い。
深いなあ…。
とりあえず、荒野のことよりも江里華がそのうち山野内パパにくわれちゃうんじゃないかと、おにーさんそっちが心配になりました。
荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)
- 作者: 桜庭一樹,ミギー
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2005/05
- メディア: 文庫
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河里一伸 「こいまほ いもうとは魔法少女」 (美少女文庫)
妹と転校生は魔法使い!? 恋する少年をものにするために魔法を使ったはずが何故か…。
河里作品では初の異能ヒロイン。
後輩ちゃんの魔法コスチュームが可愛くてよござんす。スクール水着+ねこみみフード+しましまオーバーニーソックス+ねこ型リュック……盛り沢山過ぎだよ! わりと正統派で優等生タイプのお兄ちゃん好き好き妹・詩織よりもいろいろ隙のありまくる薫の方が愛らしいかも。
水の魔法使いである詩織と火の魔法使い・薫が恋の鞘当てを繰り広げた挙句、スイッチのはいった主人公・真斗が魔法を使って2人のヒロインをメロメロにしてしまう展開*1なのだけど、2人の操られっぷりや過剰な反応が非常に面白く読めてしまいました。アタクシもしかしてそっち方面に適正あり?
残る属性、風と土の魔法使いが登場する続編が出たら楽しそう。
感想リンク:
河里一伸さん(自作解説)、
koutokuさん、
とくめーさん
- 作者: 河里一伸
- 出版社/メーカー: フランス書院
- 発売日: 2007/01/01
- メディア: 文庫
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