◆止める理由は色々ある。

12月は久しぶりに3冊の本を読みました。海外出張中の暇つぶしも手伝ってのことですが、いずれも小説です。その一つはコインロッカー・ベイビーズで、村上龍さんの本はこれで3冊目でした。前の2冊はエッセーだった(と記憶している)ので、これが初めて読んだ村上さんの本といってもいいかもしれません。

正直ベースで言うと、また読み返したいとは思えない内容でした。野間文芸新人賞も取っているということで期待しながらページをめくっていきましたが、読んでいて段々と気持ち悪くなって吐き気も感じました。自分が世間知らずなのかもしれませんが、日本の陰的な世界ではこの小説に描かれていることが実際に起きている、と想像すると吐き気が止まらなくなりました。あまりの気持ち悪さに2/3位読んだ時点でもう読まずに処分しようかと思いましたが、最後まで読まないと気が済まない質(たち)なので頑張って読み切りました。

つまらなくて読むのをやめるという本には何冊か出会いましたが、気持ち悪くなるという理由でやめる、というところまで感じさせた小説として思い出に残る1冊になりました。

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)