Vistaよさらば…

どうにも辛抱たまらなくなって、1週間ほど前に通販で中古ノートパソコンを買った*1。これまで使っていたのはパナソニックレッツノートCF-T5M(写真右)、今回購入したのは同じくCF-W5L *2。下表のとおりほぼ同時期の発売だが、Windowsのバージョンが違っていて、T5Mは「最初のVistaマシン」、W5Lは「最後のXPマシン」なのだ。


機種 写真 Windows 内蔵DVDドライブ 発売時期 備考
CF-T5M Vista なし(Tシリーズ) 2007年1月 発売直後に購入
CF-W5L XP あり(Wシリーズ) 2006年10月 最近、中古品を購入

個人的にはバッテリー長持ちのTシリーズが好みなのだが、いい中古物件がなかったため、内蔵DVDドライブ付きのWシリーズで妥協した。今回のミソはVistaをやめてXPにしたところにある。Vistaは、処理の重さに加えて、操作性も多くの場面でXPよりむしろ劣化したため、登場直後から評判が悪かったことはご存知の方も多いと思う。それだけが原因ではないが、特に職場での移行は遅々として進まず、現在もXPが主流の座を維持している。

レッツノートシリーズは「ビジネス向けマシン」という性格上、このあたりの配慮も怠りないようで、Vista搭載2世代目の機種からは「XPへのダウングレード権」が付いている*3。ただし初代のVistaマシンだけはその権利が付いていなくて、私を含めて悔しい思いをした人も多いはずだ。それにしても、早ければ年内にも次世代のWindows 7が登場するのだから、いまさら中古のXPマシンを買わなくても…と言われそうな気がする。

しかし、Vistaのさまざまな「挙動不審」*4に加え、いくつかの愛用ソフトの使用不能*5、動画再生能力の顕著な劣化*6…などなど、2年間で我慢は限界に来ていた*7Windows 7も、配布されているベータ版を試した人からは「Vistaよりはずいぶん快適になった」との声を聞くが、Vistaをベースに改良されている以上、Vistaの悪癖がどの程度改善されているか懐疑的にならざるを得ない。

最近、CF-T5Mの動作が不安定になり、工場出荷時の状態に戻して設定を全部やりなおす必要が出てきたのだが、苦労して再設定してもまた同じ不便を味わうかと思うと、ちょっと勘弁という気持ちになった。ちょうど高1の娘が専用のPCを欲しがっていたこともあり*8、手ごろな中古物件を探して購入に至る*9。設定も無事に済み、2年前までの快適そのものの仕事環境が復活して嬉しい限り。父親と違って細かいことは気にしない娘のほうも、タナボタで専用マシンが手に入って喜んでいる。

追伸 この記事を読むと、マイクロソフト社はWindows 7でもXPとの互換性を高める努力は一切していないようで残念無念。数年後、XPマシンが入手困難になったあとは、いったいどうすればいいのか…。(1/26記)

*1:12インチ以上のディスプレイと普段の仕事環境を持ち歩きたい私としては、ネットブック系の廉価なミニマシンを新品で…という選択肢は存在しない。

*2:レッツノートユーザーの方はT5MやW5Lといった表記に違和感があると思うが、説明簡略化のため便宜的に採用した。

*3:つまり、購入者はVistaとXPのどちらでも好きなほうを利用できる。

*4:たとえば、「フォルダ内のファイルの表示形式が意図に反して勝手に変わる」「フォルダ内のファイルを増減しても、なかなか表示に反映されない(特にネットワーク上のフォルダ)」「さまざまな処理で、ふいに待たされることが多すぎる」「アプリケーションからファイルのコピーや削除などの処理をしているとき、途中で止まってしまって、いったんウィンドウを切り替えないと進まなくなる現象が多発」「コマンドプロンプトの動作に微妙な不具合(非互換仕様?)があり、自作のテキストベースの住所録管理システムが正常に動作しない」…などなど、数え始めるとキリがない。

*5:たとえば、「ウィンドウのタイトルバーを右クリックすると、ウィンドウがその場でタイトルバーだけになる」というMacintoshライクな操作を実現してくれる「Winroll」が正常に動作しないのは、個人的に大問題。

*6:それまで使っていた、能力的に劣るXPマシンでは何の問題もなくスムースに再生されていただけに、納得できない。

*7:これは、私のような古参のパソコンユーザーが、初期のVistaパソコンを使っての感想である。公平を期すために書けば、性能が向上した最近のVistaパソコンを家庭での一般的な用途で使う分には、大きな支障はないと思われる。

*8:学校でWordやExcelの検定試験を受けるため…というのが表向きの理由だが、共用パソコン=数年前の廉価なデスクトップでは、ネットゲームなどを楽しむには非力すぎる…というのが本心のようだ。

*9:中古品ならではのリスクはあれど、快調に動く中古品を見ていると、数倍の価格で新品を買うのが馬鹿らしくなってくる。