経済の安定成長のためにこそ、所得税の累進「再」強化はやるべき

子ども手当、所得税増税で=財源確保へ最高税率見直し−菅財務相 | Yahoo NEWS


 菅直人副総理兼財務相20日、東京都町田市のJR成瀬駅前で演説し、子ども手当について「たくさん収入のある方には少し率として多めに税を払っていただき、そういうお金を子ども手当で応援に回していく」と述べ、所得税率の見直しで財源を確保していく考えを明らかにした。
 菅財務相所得税に関し、「累進制が非常に緩和され、ある意味、お金持ちには減税になっている」と指摘。最高税率を引き上げる意向を示した上で、「今年からそうした税制の本格的な議論を始めたい」と語った。 


菅氏のいう通り、累進課税が緩和され、しかも分離課税のおかげで日本はかなりの金持ち天国になっているのは事実。で、その累進緩和を実行したのは小泉政権。「小泉構造改革のせいで格差が広がった」という俗論のうち、唯一妥当するのがこれだが、不思議とあまり言及されない。「金持ちに減税すればいっぱいお金を使ってくれる」というこれまた俗論でもって正当化されたわけだ。
消費の促進という目的のためなら、中低所得層に減税するほうが正しい。余分な収入があった場合、相対的に所得の高い人より低い人のほうが消費に回す率が多いから。金持ちに余分な収入があれば、日本のデフレ傾向もあって、投資されることもなく現預金としてただ貯め込まれる。ま、投資されたところで、消費ほどの波及効果はないしね。累進強化したほうが消費が増えて経済は安定する。中学高校レベルの教科書にも書いてあることだ。
1990年代、米クリントン政権時代の安定成長、財政黒字化に貢献したのが累進強化だった。その次のブッシュJr.政権の時にまたもとに戻したので格差が拡大したが、その格差大国アメリカですら、所得税最高税率こそ日本と大差ないものの、金融資産や配当収入なども含めて累進的に課税(総合課税)している。日本は金融資産・配当収入を分離し、しかも定率課税なので財産家ほどおいしい、といえる。

290 名前:名無しさん@十周年:2010/02/20(土) 22:19:54 id:YohsLWdw0
高額所得者が国外に逃げていくってことですね


子ども手当ての財源は所得税の増税で-菅直人財務相 | 黒マッチョニュース


累進強化すると努力しなくなるとか、金持ちや優秀な人間が海外に逃げるってのは、ありがちだがそこそこ効果的な反論。だったらまず安過ぎなのを諸外国なみにすればいい。んー、でも海外で通用する方はどんどん行っていただいていいんじゃないすか。海外でばーんと稼げばいい。なんで不景気な日本に残ってるの? 実際は、増税されたら海外脱出だなんて本気で考えてる人はほとんど居ない。安定収入or現金持ってる人はデフレニッポンに居たほうがラクだもの。だから諸外国より少々重税でもたぶん平気。
そのかわり、というか最近よくいわれる法人税減税はガーンとやっちゃていいと思う。ただし日本企業には株主資本主義を徹底化してもらって、外資に買われるのはヤだとか、敵対的買収は悪だとか甘えたことはもう言いません、これ約束。そうすれば、税金の高い日本を飛び出して海外で功なり名遂げたみなさんがきっと黒船に乗って、腐ったニッポンを買い叩きに凱旋してくれるでしょう、なんて。

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話をもどして、菅氏の累進強化の目的=子ども手当の財源というのがいかにもアレだが、それはもう仕方ない。子ども手当を突破口に税制を含め、せめて諸外国なみの再分配を実現していく方向でしか、この国の世論は動かないと思う。もちろん、まず大前提として、金融緩和でデフレから抜け出し安定的に2〜4%程度のマイルドインフレを達成しつつ、だが。