続・全集の方法


高校時代に読んだ新潮文庫版シャーロックホームズ。
シャーロック・ホームズの冒険*1とか、初出の単行本短編集に準じた構成ではあるものの、紙幅の都合から、各冊数編ずつ収録割愛已むなきに到り、別冊拾遺集として「シャーロック・ホームズの叡智」*2刊行により補ったとのこと。
当時はあまり厚い文庫本は出しにくかったんでしょうね。


先月末45巻まで刊行が進んでるリイド社版「ゴルゴ13」全集。
やはり1冊の厚さに一定の制約があるようです。刊行最初のころは完全に初出順で、紙数が合わないときは1話を前後編に分け2冊に収録する方法をとっていました。ところが最近の巻では分割収録を避けるために、1話の長さが適切なものを組み合わせて、初出順収録の原則を崩しているようです。


厚さはどうでもいいから、初出順とか、原則は貫いてほしかったなあ。
光文社文庫版乱歩全集は、ふつうの文庫本の2-3冊分の厚さがあるけど、巻により多少ばらつきがあって、初出順は崩してないみたい。


ところで、ホームズを最初に読んだのは小学校4-5年ころ。ポプラ社版全20巻、1冊280円、山中峯太郎翻案。
訳じゃなくて、翻案ですよ。翻案者巻頭に曰く、
「ホームズのものがたりは、英国の古いしきたりにしたがって書かれているので、現代日本の少年少女諸君には、読みにくいところがすくなくない。そこで原作の持ち味をくずさず、読みやすいように、すっかり書きあらためた。」
といった感じでした。文体もこんなふうでした。
山中峯太郎の名を見て、父母や祖母などは、あらま懐かしい、なんて言ってましたね。「少年倶楽部」とかの常連だったそうです。


ポプラ社版は、話の順序と巻の排列がてんでばらばらでした。第1長編「緋色の研究」が「深夜の謎」の題で5巻に、第2長編「恐怖の谷」が9巻に、といった具合。各巻末で次のお話が何か示唆されるのですけど、たとえば1巻の次は「銀星号事件」、これは13巻所収でした。
なぜなんだろ。今なお謎です。


新潮社版、延原謙の訳はまた古色蒼然たるもので。山中が「古いしきたり」といってたのはこういうことだったのか!とわかった次第。

*1:ア−サ−・コナン・ドイル延原謙訳同「シャ−ロック・ホ−ムズの冒険」新潮文庫、新潮社、初版不詳、改版1993年。ISBN:4102134018

*2:同「シャ−ロック・ホ−ムズの叡智」新潮文庫、新潮社、初版不詳、改版1983年。ISBN:4102134107

けふのおひる450円

牛あんかけ丼定食。なめこと大根の味噌汁・お新香添え。


魚は何かな?と思って見たら塩鮭のマヨネーズ焼きなんて面妖なものなので、丼定食へ。
けふのは初めて見た。中華丼風のあんかけで牛肉がたっぷり。
大盛同額、となるとつい大盛を頼んでしまいます。
これで夜抜けばいいか。でも抜かないんだよなー。