動静

有給休暇なれど。
所定出勤、朝一の打合せのあと警察庁へ。開示決定の出ていた行政文書の謄写を受領。A4判376枚、厚さ35mm、重量1500g。
職場に戻って午後一の来客対応後、衆院議員会館へ。与党議員某氏とともに警察庁某課長補佐との質疑。
再び警察庁へ、新たな情報文書の開示請求手続後、職場で残務、いつもどおりの仕事。

議会制民主主義

それにしても、与党衆院議員某氏との街頭での初対面からちょうど5日で、かかる会談に到るとは。
道交法改正に関して議員が警察庁担当官を呼びつけてくださり、説明を受ける席に私もごいっしょさせていただくことになったのです。


警察庁との約束時刻の15分前に永田町議員会館の事務所に出向くようにとのご指示。
空港並みの所持品検査を経て館内へ、それでも10分ほど早く着いたので、待たせていただくつもりで来意を告げます。
議員は予習の真っ最中という感じでした。机上には私の送ったメールのプリントアウト。


さっそく、本日本番前のレクチャー用に作ったレジュメを用いて、改めて趣旨説明です。
逆に、立法手続については議員のほうからいろいろ教えてくださいました。


法案は上程されてしまえばもう殆どおしまい。国会審議は劇場芝居のようなもの。
その前段、与党部会に付されるところでは、与党議員であれば自由にものが言える。それを受けて法案提出側も原案を修正することがある。
議員立法はどちらかというと例外的な扱いで、関与する政党によっては却って可決が困難になることも。


いずれにせよ、対決色を出すより、政策立案側に協力し、よりよいものを生み出そうとする姿勢を見せることが成功の秘訣、という感じのお話でした。
このへんのところ、議員自身NPOの職務経験がおありで、行政を動かして立法手続を進める手法には通じていらっしゃるそうです。


したがって、きょうのところは提案など意見の主張はせず、まずは先方の説明をきき、それに関する質問にとどめようとのご意嚮です。
私も発言してよいとのこと。地元選挙区の支援者でこの問題に詳しいので同席、という紹介をしてくださるそうです。


等々、打合せを進めるうち、やがて警察庁担当官来着。法改正担当の課長補佐と国会担当の2名です。
配付を受けた資料は「警察庁における今後の自転車対策の考え方」という1枚もので、主にこれを用いて、自転車対策や法改正について説明を受けました。
説明15分のあと、議員と私の質疑それぞれ15分ずつ、といった感じでした。
私の質疑の途中で議員が時計を気にするようすもみえたので、少々心残りもあったけど、私からまとめにかかることにしたのでした。


対話の端々で、課長補佐自ら実務に深く関与しているようすが伺われました。
当事者以外の者が俄か勉強で議員説明に送り込まれてきたのでないのは明らかです。私のヒッカケ質問などにもつられることもなく。


内容についての印象をいえば、私が「提言」「試案」を読んだとおりのことを大筋で再確認することができた、という感じでしょうか。
それ以上でもそれ以下でもなさそうです。日本語で提供されたものを日本語で読んだとおり。あたりまえといえばあたりまえです。
言いたいことはわかった。で、どうするか。


今後については、おそらく2月下旬ころ、法案が与党に示されることになるとのこと。
それを受けて改めて議員と私で相談のうえ、与党部会での発言方針や内容を詰めていく、ということになりそうです。


それと、もしかしたら明夕の議員連盟会合に潜入できるかも?

議員説明用資料

当面の重大な問題


1 「提言」「試案」の次の事項が、改正法や政省令、都道府県公安委員会による規制と道路標識・道路標示などに、どのように反映されるのかが明らかでない。
「自転車が車道を通行することが特に危険な場合は、当該道路の自転車通行を禁止するなどの措置を講ずること」(「提言」21頁)
「車道を通行することが危険である場合」(「試案」3(1))


2 それを明らかにするために、法案、政省令や通達などの案を入手したい。1日も早く、未定稿でもよいから。



趣意


「歩道を安心して歩けるように。自転車を交通手段として活用できるように。
 自動車のふるまいを変え、安全な車道をつくりださねばなりません。」



1. 交通の現状の問題


1.1 自転車は便利で快適なのりものである。


有効に活用すれば、とりわけ都市部において、自動車に代替しうる交通手段となる可能性をもつ。
地球環境問題、国民の健康増進などの面からも有益である。


1.2 しかるに、自転車利用の現状は無秩序というべきものであり、多くの問題を生起している。


車道では、主として法の無知による自動車の専横により、自転車の安全が脅かされている。
歩道では、自転車により歩行者の安全が脅かされている。少子高齢・高福祉社会においてはとりわけ看過することができない。



2. 法令の問題


2.1 現行法はすでに一定の論理的整合性をもつ。「提言」は現行法の原則と例外を改めて明確にしようとしている。


 自転車は車道通行が原則。歩道通行は例外。

 
2.2. しかし、「提言」及びその方針を実現するための「試案」には次のような問題がある。 


2.2.1 自転車の車道通行という原則を維持するためには、車道通行の安全を確保することが前提となるはずである。
 しかし、車道の安全に大きく関与する自動車などのふるまいについて、「試案」も「提言」も、何ら言及していない。


2.2.2 自転車の歩道通行という例外を局限するためには、歩道通行の要件を厳格に法定・運用することが必要である。
 その要件はすでに現行法第63条の4第1項に明定されているにもかかわらず、「試案」は新たに「車道を通行することが危険である場合」という曖昧な要件を掲げている。
 また、法第63条の4第1項により、どのような歩道で「普通自転車通行可」の規制を実施すべきなのか、「試案」は何ら言及していない。


2.2.3 自転車の車道通行禁止という例外を局限するためには、
 「自転車が車道を通行することが特に危険な場合は、当該道路の自転車通行を禁止するなどの措置を講ずること」(「提言」21頁)
 の運用に厳正を期す必要があるのに、このことについて、「試案」は何ら言及していない。



3. 提案


「試案」は、自転車転車の車道通行原則を維持するための具体的方法を欠き、かつ、例外を局限するための要件を曖昧にしている。
改正法とその運用において、これら問題点の解決策を補うため、次のことを提案する。


3.1 自転車と車道で共存すべき自動車の自転車保護義務を法定、併せて運転者教育・取締りを徹底する。
3.2 普通自転車が例外的に歩道を通行することができる場合の要件を局限し、その運用に恣意や裁量の介入する余地を排除する。
3.3 自転車の車道通行原則に反する措置を局限するための手続を法定する。

前回道交法改正時パブリックコメント冒頭 `04/1


1. 規範と取締りの公平


1.1 法令など規範のある社会で、規範が遵守されない状態は、次のような点で問題がある。
 第一に、規範の遵守によって実現されるはずの目的が実現されないこと。
 第二に、規範は遵守されなくて当然という風潮が社会に蔓延しかねないこと。


1.2 規範が遵守されていないとき、社会がとりうる道は次のようであると考える。
 第一に、規範を改める。遵守が困難な規範は、その目的とするところを達するために必要でない要素があれば変更を加え、遵守をより容易なものとする。
 第二に、規範が遵守されるべき手だてを講ずる。


1.3 これらにより実現される社会の公平とは次のようなものである。
 第一に、社会にとって有害な行為は違法とされる。有害でない行為は違法とされない。
 第二に、違法行為は必ず取締りを受ける。違法でない行為は取締りを受けない。


 これらは、道路交通社会における規範と取締りの公平について考える際にとりわけ重要である。



未確認情報


1 「警察庁における今後の自転車対策の考え方」という文書の存在。


通行環境整備の例
●車線を見直し、車道の左端に自転車レーンを設置
●幅員の広い歩道の自転車通行指定部分を物理的分離
●車道の自転車レーン部分や歩道の自転車通行指定部分をカラー舗装により視覚的分離
●車道の環境整備に合わせて、自転車歩道通行可規制の解除等


2 自転車活用推進議員連盟が2/7(水)、交通局長から説明を受ける予定。



私見・現行道交法における「自転車道」の問題


1 自転車道は車道の一部で、工作物で区画されたものです(2条第1項第3号の3)。
 路面上の線や塗色で区別されただけのものは自転車道ではありません。


2. 自転車道はそれ自体で「一の車道」(第16条第4項)ですから、
 2.1 道路全体からみて右側にある自転車道でも通行することができます。
 2.2 自転車は自転車道を通行するときは自転車道内の左側端に寄って通行しなければなりません(第18条第1項)。
 したがって、自転車道内で自転車は対面通行することになります。


3 自転車道の設けられた道路では、普通自転車は、歩道はもちろん、自動車用の車道を通行することもできません(第63条の3)。
 道路全体からみて自転車道が片側にしかない場合でも、普通自転車はその自転車道を通行しなければなりません。