白い家具に囲まれた部屋

サークルの後輩の女の子と話しているとき、「雑貨集めるの大好きなんですよ」という話から、「家具は全部白にしたかったんですけど」という言葉が出てきて、ぎょっとした。「家具は全部白にしたい」という言葉を2ヶ月くらい前にも聞いていたから。白い本棚を買い、白いベッドは取り寄せになる、というのも承諾し、白いサイドボードは気に入るものがないからとあちこち探し回り、半月ほどダンボールを解かずに布団を敷いただけの部屋で生活していた人。カーテンのデザインにもこだわり、防犯のために間に合わせのものでもつけておく、ということもしなかった人。
これって未練かしらね。
それでも別の後輩とその後で話しているとき、私は彼に未練を抱きようがないことに気づいた。一切の連絡を取らないと決めたのでもないし、一緒に飲みに行くこともできるし、彼の部屋に行ってそのまま泊まってくることだってできる。好意とか愛情とかいったものだっていまだにある、と彼は言っている。ただ1つ、優先順位が変わったのだ、と。だからもう恋人ではいられない。何よりも優先して定期的に連絡をとって会う、ということができない。