ガンダムビジネス 〜月刊アスキー5月号

 月刊アスキー5月号で、ガンダムビジネスという特集が組まれている。ざっくり言ってしまうとガンダムをビジネス視点で斬ったもの。紹介されているのは、映像ビジネス、プラモデル、大人向けオモチャ、ゲーム、小説、ガシャポン、トレカなど。バンダイサンライズバンダイビジュアル等の偉い人のコメント満載。私の好きなガンダムはこんな戦略で動いていたのか…。
 また、おとなの社会科見学ではバンダイホビーセンターが紹介されている。バンダイの技術は世界一ぃぃぃぃぃ。
 すげぇ、ガンダムすげぇ…。まさに「継続は力なり」 原作を複数メディアで使いまわすだけではない、真のメディアミックスがここにあるような気がする。以下、気になったことまとめ。

成長を続けるコンテンツ

 世界観や主人公の異なるガンダムを作りづ付けている事で、様々なガンダムが蓄積され、全体で見ると圧倒的なスケールをもったコンテンツになっている。
 また、外部からのコンテンツの拡張にも寛容である。視聴者やサードパーティによるガンダムの拡張を、本家がフォローしていく。MSV、センチネル、オリジナルコミック、AOZ、ユニコーン等々。
 自身による様々なガンダムの蓄積と、外部による拡張の取り込みによって、ガンダムは成長を続けている。

ガンダム独自のファン構造

 違うガンダムを作り続けた事で、新作の度に新たなガンダムのファンが増える。元のファンが全員卒業するわけではないので、ファンの総数は増えていく。そしてさまざまな年代のガンダムファンが積み重なっていき、膨大な数になっていく。一般的な子供向けの「作品ごとに顧客が卒業していくキャラクタービジネス」とは異なる。
 これら重層化したファンは「ガンダムのどこを楽しんでいるか」という点でさまざまな違いがある。MSが好き、アクションが好き、キャラクターが好き、戦略が好き、ストーリーが好き等々。重層で膨大な数のガンダムファンが多様な嗜好を持っていることで、さまざまな関連商品を作る事ができ、利益を上げる事ができる。

ガンダムビジネスの肝

 新作アニメと数多くの関連商品がガンダムビジネスの両輪である。新作アニメは新たなファンの獲得に大きく貢献している。様々な関連商品は従来のファンの心をがっちり囲い込むだけでなく、新たなファンに対するガンダムへの入り口としても機能している。
 常に新たなファンを獲得し続けようとする挑戦心がガンダムビジネスの肝なのかもしれない。

月刊 ascii (アスキー) 2008年 05月号 [雑誌]

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