アポロ13号 奇跡の生還 / ヘンリー Jr クーパー、立花隆訳



読み終わって何がびっくりしたかって
今から30年近く昔にアメリカという国は
なんてむちゃくちゃな事をやらかしていたんだろうって事。
アポロ計画、凄すぎる、無茶すぎ。



なぜたった10年で月まで到達できる技術力がありながら
30年たった今ではまだ宇宙ステーションの段階なのだろう。
当時のNASAの怖いもの知らずさはあきれ返るぐらい凄い。
ホントもうノリだけって感じがする。

巻末に載っている13号ミッション中のNASAの管制室の写真見ても
本当に恐怖感しか沸かない。
モニターが全部ブラウン管w。
時代を感じさせまくるw。


まっ、これはしょうがないにしても、今で言うスーパーコンピュータの性能も
ショボショボだったのだろう。
軌道修正の計算など手作業の部分が多かったに違いない。
アポロ船内から軌道軸をあわせる作業も、船内のものすごいちっこい小窓から
目印となる星を見つけて計算していくというアナログなスターチェックというもの。
13号でも起こったが、何らかの理由で窓が見えなくなった時
どうするんだって突込みを入れたくなるようなちーさな小窓が恐怖感を倍増。


このノンフィクションの壮絶なドラマを、アメリカの危機管理能力の高さと
リスクマネージメントの教訓として読む気には全くなれなかった。
当時、次世代は宇宙へ!と躍起になっていたNASAとアメリカの空気の読めない自信と
お祭り騒ぎのノリノリ感が、国全体を包んで凄いことをしてみました、
という記録に過ぎないと思う。



チャレンジャー爆発で一気に縮小していったアメリカの宇宙開発。
そういった歯止めがいつか必要だったのかもしれない。




ただ・・・、この時代、もしかしたら凄い楽しかったのかもしれないな。