スミスさん

映画『100人スミスのミラクル大冒険』の先々行オールナイトを観てきた。実際にはスミスさんはいくらでも増殖が効く人なので、100人という数字は眉唾だった。あと、ブラックスーツで100人並ぶとYMOのアルバム『増殖』を思い出さざるを得ず、ウォシャウスキー兄弟はジャパニメーションだけじゃなくYMOのファンでもあるのかもしれない。

前作『スミスの奇妙な発音』の時は冷静な役どころだったわけだが、今作ではタガがいい感じにはずれていてネオさんとの対決も大いに盛り上がった。やっぱりネオさんの攻撃力のインフレは数でどうにかするしかないし。でも俺としてはもっと劇的な増殖の仕方をしてほしかったと思う。やっぱりスミスさん本体が木槌で自分の体を叩き、バラバラバラーっと体が崩れて、小さいスミスさんたちが蜘蛛の子を散らすように笑顔で逃げ惑ったり、両手をあげて甲高い声でキーキー喚きながら笑顔でネオさんの足にまとわりつくなどの演出が好みで、もはやこれは『マトリックス』でも『マトリックスリローデッド』でもない。『マカロニほうれん荘』だ。さすがのウォシャウスキー兄弟もマカロニは読んでいなかったらしい。だから俺の勝ち。

プラゼール

有楽町地区での先々行オールナイトは『丸の内ルーブル』と『丸の内プラゼール』の2館で行われた。俺はプラゼールに行って正解だ。こっちのほうがシートが新しいのか、ドリンクホルダーと傘ホルダーがついていて、背もたれの高さも十分。ルーブルも出来た当時は日比谷有楽町銀座地区では飛びぬけて快適な映画館だったが、今はシネコンのせいで色褪せて見える。俺は身長が183cmあり、背もたれの高さと前の席との間隔が重要で、これが足りないと首が後ろにガックリと曲がってしまい、後ろの席のおばあちゃんに「もしもし、見えないのじゃが」などという意味の咳払いをされたり、あと前の席に膝がガンガンぶつかってしまって、前の席のおじいちゃんに「うるさいなーもー」と子供のように拗ねられたりする。